「セットプレーを抜き出すことは、スカウティングでもなんでもない」

こんばんは、原田です。

今日は、「スカウティング」について書いていこうと思います。

今、スカウティングはとても進化していて、
プロチームはもちろん、学生バスケでもビデオを使ったスカウティングはされてきていて、
「相手に読まれている状況から、どうやってチャンスを見つけるか?」
っていうのが、一つのテーマになっていると思います。

スカウティングでディフェンスがしてくることは、
「相手のセットプレーの流れを、ディナイで止める」
というものが多いです。

あとは、個人的に、
「この選手の右ドライブを守ろう」
「この選手はスリーを打たれたくないからピックはファイトオーバーしよう」
とか、そういう感じになるかなと思います。


それで、

「ディナイをどうやって攻略するか?」

というのが、一つテーマになっていて、
その方法は今はいくつかあるという話をしました。


これは、スカウティングという文脈で話したのですが、
自分たちよりも強いチームと対戦するとき、
多くの場合、相手のディフェンスのプレッシャーが強く、
ボールが簡単に回らない(ディナイが強い)ケースが多いので、
スカウティングにかぎらず、
「自分たちよりも強いチームと対戦する」
という時にも当てはまる話だと思います。

やっぱり、バスケをしていたら、
「この選手は上手すぎて次元が違うな・・・」
とか、
「あのチームは強豪校だから勝つのは難しい・・・」
っていう壁は出てくると思いますが、

そんな時に、
何とか勝てる道を探して、
勝てるにはどうしたらいいのか?
って考えていけるようになることが
スポーツの楽しさを広げてくれると思います。

諦めたらそこで試合終了じゃないですけど、
そういう相手にもチャンスを見つけられるといいですよね。


僕は身体能力が高いわけでは決してないので、
そういう場面で勝ちを見つけられる道を探したいなぁ
と思いながら、勉強したりしています。

それを今後も発信していけたらなと思います。


ただ、こうやっていうと、
強いチーム、ディフェンスを武器に厳しい練習をしているチームを
あまり良しとしていないように思われる人もいるかもしれませんが、
決してそういういうわけではなくて、

そういうチームのバスケも、
素晴らしいものがあるなと思っています。


練習に対する熱量もそうだし、
そういうバスケが上のレベルに上がっているし、
そういうチームがあるからこそ、次の駆け引きが生まれるとも思います。

色々バスケの形はありますが、
「ああ、もう勝てないなぁ無理だなぁ」
って成長を止めないように、
いろいろな道を模索していきたいなと。



それで、スカウティングの話。

スカウティングについて、
「セットプレーを抜き出す」
というイメージが強いかもしれませんが、
この前、とあるスカウティングを専門にしている人から話を聞いたら、

「セットプレーを抜き出すのは、スカウティングでもなんでもない」

ということを教えてもらいました。


その方からの話をまとめると、こんな感じです。


◆スカウティングまとめ
・セットプレーを抜き出すのはスカウティングでもなんでもない
・相手が何をしたいのか、相手の特徴が何かを抜き出すことが大切
・データを使うことはほとんどない。確率が3割以下でもシューターはシューター
・相手の得意なプレーから選手たちには見せていく
・自分たちがコントロールできることに集中する


これらに、とても大事なことが詰まっていると思います。

セットプレーを抜き出すことなら、
動画を何度も見ればある程度できます。

でも、それで、
「よし、ここをディナイで止めたらいいな」
とするだけだと意味がなくて、

「相手が何をしたいのか?」を踏まえて、
「自分たちがどうしたいのか?」を考えていく

というのが一番大事なことなんだなと思いました。
話を聞いていて。


そして、「データ」についても、

「あの選手はスリーポイントの確率が〇〇%だから・・・」
という風に、数字だけで選手の特徴を判断することはなく、
あくまで、その選手のプレースタイル、何をしたいかを見抜いて、
自分たちがどうしたいかを考えるのが大事だと言っていました。


数字はわかりやすい指標ですが、
でも、あくまでも数字でしかなく、
データには載らない情報が沢山ありますもんね。

そこを見落とさないようにするのが大事というのは、
スカウティングにかぎらず、いろいろな場面で言えると思います。


今は、科学が進化していて、
「こうしたらこうなる」
という風に、スポーツを数字で見ていくこともありますが、
やっぱり、一人ひとりの選手の身体の構造から始まり、
個性、理想、バスケを始めたきっかけ、バスケをする目的は違うので、
そこをきちんと見ていくことが大事だと思います。

4,5年くらい前というのは、
NBA選手のシュートフォームを分析して、
「こうやってシュートを打つ選手は確率が高い」
という風に、データや映像から、ある種の正解を見つける考え方が流行っていたように思うのですが、

今は、それを踏まえたうえで、
「一人ひとりに合った正解を見つけていく」
という視点が大事になっていると思います。

もちろん、人間の身体はみんな違うので
前からずっと重要だった視点だと思いますが、
今、それが改めて必要になっていると思います。


それだけ情報が多くて、何が正解かわからないからです。


そんな時に、
自分に合った答えを見つける方法
というのは、いくつかあります。

武学籠球の慎さんは、
「身体に訊く(Pysical Questing System)」
という方法で、身体を使って自分に合ったものを探す方法を伝えていて、
僕もそれを教わってやることがありますが、
身体は既にいろいろ知っている、というのがよく分かり、
身体って面白いなぁと思えます。

考えても考えても答えが出ないものでも、
身体に訊いたら、はっきりと反応が出ます。

なので、迷うことがなくなります。


また、他の方法としては、
「とにかく、実践してみる」
というのもあります。

これは「実践のワザ化」というもので、
知識を学んで、こうなったらこうなる、こういう時はこうする
みたいなことをいくら頭の中でイメージしたとしても、
それが実際に使えるかどうかは、やってみないとわかりません。

知識と体験は別物なので、
頭でっかちになりすぎないように、
実践していくことも凄く大事だと思います。

とりあえず、やってみる。

指導者の方は特に、
知識を学ぶ時間が増える分、
「実際に、それを自分がやってみる」
という機会が減ってしまいがちだと思いますが、
時間があれば、是非やってみてほしいなと思います。

外から選手たちのプレーを見ているのと、
実際に、選手たちと同じことをやるのは別物です。

僕はプレーするたびに、毎回そう思います。

「あ、これ、選手にはこうやって言っていたけど、
実際に自分がやってみると、違う感覚でやってるなぁ」
とか見えてくるので、伝え方も変わってきます。


なので、とにかく実践。

とりあえず、やってみる。


そういうのも、
自分に合った答えを見つける
一つの方法だと思います。

そうやって見つかったものは、
選手たちにとっても腑に落ちるものなので、
より伝わりやすくなりますし、

僕は自分の体験をベースに、
情報発信をしていきたいと思います。


で、三つ目は、
「自分にとって楽かどうか」
を基準に決めるということです。

ここでいう「楽」というのは「サボる」という意味ではありません。

何かの動きを試すときに、
自分の身体にとって楽かどうか?
つまり、「無駄な力や意識を使っていないかどうか」を基準にする
ということです。

つまり、
「自然な動きかどうか?」
ということになります。

無駄な力を使っていないということは、
それだけ、ボールや相手に影響している証拠なので、
シュートであれば、ボールに力が伝わっているということになるし、
ドライブであれば、相手に読まれにくい動きになっていると言えます。
(※この辺はちょっと文字では伝えきれないので、説明だけで終わりにしておきます)


そんな感じで、まとめると、
自分に合った答えを見つけていくためには、

1.身体に訊く
2.とにかく実践してみる
3.自分にとって楽(自然)かどうか

かなと今は思います。


そんなわけで、今日はスカウティングの話でした。


それでは今日はこれで。

ありがとうございました。


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