とても大事な合わせについて。
Peel Switchという守り方をされたらステイではなくバックカットをします。
これが基礎なのですが、(学生バスケなど僕らの抽象度では)これができない選手が多いです。
まずはPeel Swithについて。
Peel Switchとは、ボールマンのDFが完全に抜かれた時(ドライブで抜かれたり、コンテストでシュートチェックして完全に抜かれた時)にOne pass awayのDFがカバーに入り、ボールマンのDFがスイッチする守り方。完全に抜かれた時の対応として基本的な守り方です。
これに関して、One pass awayの選手が「ステイ」だけだと対処できません。
よくあるのが、コーナースリーを意識するあまり、Peel Swithの状況に対してもステイしたままでいること。これだとDFは守れます。
「アウトナンバーが生まれているのにアウトナンバーが生まれていない(攻めれていない)」という状況は、僕の中では「バスケットボールとして成り立っていない(駆け引きやスペーシングが悪い)」と定義しています。
何かオフェンスの合わせや判断が良くないとそういう状況が起きるのですが、この場面でもしカッティングの選択肢がなかったら(ステイが最適解の場合もあります)「バスケットボールとしての駆け引きが成り立っていない(ジャンケンで言うところの「チョキ」など一つの手が制限されているような状態)」と言えます。
※これは「バックカット」という駆け引きの選択肢をきちんと練習してない、実践していない、学んでいないチームで起こりやすいことです
(僕が「バックカットは表」としてPrinceton Offenseの発信をし続けているのはバスケットボールの駆け引きの楽しさを伝えていきたいから、バスケットボールを進化させていきたいから、日本代表が世界と戦えるチームになってほしいという想いからです)
〇Peel Switchに対してはバックカット
Peel Swithをしているディフェンスはカバーに出た選手(One pass away)がいるポジションを守ろうとします。人というよりもポジション、上記の例だと「コーナー」です。そこを守りに来るディフェンスに対してはバックカット(カッティング)で対応します。
NBA選手のお手本をご覧ください。
この合わせは重要
— 原田毅@NBAで凄いのはダンクだけ!? (@nbanotdankudake) April 2, 2023
peel switchにはこれが有効
一つの型として練習する必要があります
※練習ドリルの動画撮ります
ダブルカット#バックカットの体系化 pic.twitter.com/MtsPBnNFnu
これは絶妙な合わせですね。
味方と同じ景色(same page)がイメージできているからこそですね!
ブレイクの場面でもこれは大事です。
「コーナーステイ」だけになるとDFに守られるし、バスケットボールとして(駆け引きの)面白味もかけてしまいます。
◆Peel Switchへの対応→バックカット
— 原田毅@NBAで凄いのはダンクだけ!? (@nbanotdankudake) February 15, 2024
これはDFが鬼ごっこ的に追いかけてくる状態(チェイスモードと呼ぶのかな)だから、コーナーステイを止めてバックカットに変更。
ピールスイッチへの対応策として必須#バックカットの体系化 pic.twitter.com/imKLwtN8o1
〇オフボールの合わせ「鬼ごっこ」
このカッティングの合わせ方は感覚的に「鬼ごっこ」っていう感じなんです。
これは誰かに僕が教わったのではなく、実際にプレーして実感したことです。なので、机上の空論ではなく実体験を元にした生きた視点として参考にしていただけたらと思います。
僕はオフボールの基礎は鬼ごっこにあると思っています。
なので僕は勉強会で直接指導をする際、最初にアップ&アイスブレイクもかねて学生たちに「鬼ごっこ」をさせることが多いです。表情が硬い子供たちも柔らかくなるし、みんな感情を解放するのでとてもその瞬間が好きです。そして、最後にちらっと「これは実はバスケに活きるよ(オフボールの感覚だよ)」と言ったりしますが、別にそれは言語化して”練習”っぽくする必要はありませんね。
・ディフェンスから追いつかれないように合わせる
サークルムーブとかカッティングか、色々なムーブはありますが、それらの抽象度を上げて「本質」というものが何かを考えた時、究極的には「鬼ごっこ」に辿り着くと考えています。これは小学生にも伝わるし、NBA選手のオフボールの合わせを見ていてもそういう感覚で見ると当てはまります。
ディフェンスが自分から離れるなら、自分もディフェンスから離れる。
ディフェンスが自分に追いつこうとしてきたら(ディナイも同様)、自分はディフェンスから離れる。
これを別の言葉にすると、
・ディフェンスから一番遠くに合わせる
といえます。
僕が学生にオフボールの基礎を伝える時、まず最初にそう伝えます。
そうすると「ボールだけを見てしまう」「合わせの方向が逆」といった事が起きにくくなります。
僕の中では、ステイもカッティングも、ピックへの合わせも、全て一緒です。
そういう抽象度の高い「コツ」というのを言語化できて身に付けておけば、イレギュラーな状況、練習していない状況でも適切な合わせができるようになります。是非この辺りの言葉などで参考になるところがあれば指導者の皆さんはご活用ください。
オフボールの基礎を指導している動画もYoutubeで公開しています。参考までに。
(その他の情報は追伸で紹介している「大和籠球」で全て公開しています)
NBAはバスケの教科書
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「NBA選手から学べる基礎」
を発信していきます。
PS.
指導者の皆さんへ
いつも発信をご覧いただき、ありがとうございます。僕はNBA選手から学べる基礎を発信していますが、NBAの研究者になりたいわけではありません。あくまで「現場のバスケットボールをより良くしたい」と思って発信しています。
つまり、今、皆さんが指導されている現場に貢献したい、机上の空論を語るのではなく現実として目の前の選手たちに貢献したいと思って発信しています。
今、僕は「大和籠球」というオンラインコミュニティを運営しています。
ここでは関わる指導者と直接やり取りをして、チームの課題に対してアドバイスをさせていただいたり、実際にチームに対して直接指導しに行き、そこでの様子を動画にしてコミュニティで共有しています。僕が過去に創ってきた動画、最新の動画(YoutubeやSNSでは非公開の動画を含む)のすべてを共有していて、個別対応&全体ミーティングを行っています。
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