【第3話】椎間板ヘルニアとNBA選手の凄さ

【第1話】世界で一つだけのバスケゴール
【第2話】「キツイ練習をしないと勝てない」
【第3話】椎間板ヘルニアとNBA選手の凄さ←今ココ
【第4話】プロの世界と変人師匠
【最終話】理想の未来

 

 

大学一年生の冬。

なんだかんだ言ってバスケが大好きで、
相変わらず部活をし自主練ばかりしていたのですが、
筋トレをしているときに腰を痛めてしまいました。

 

病名は、椎間板ヘルニア。

 

バスケなんていう激しいスポーツはできず、
授業中に足が痺れてしまうほどの痛みがありました。

 

「もうバスケは全力でできないからつまらない」
とバスケを辞めることを考えていたほどで、
暇で暇でしょうがなくYoutubeを見漁っていました。

 

その頃はボストン・セルティックスの全盛期。

ひたすらボストンの試合を見まくっていて、
初めて短い期間で同じチームの試合を何試合も一気に見ていました。

 

 

すると・・・

 

 

 

今まで気づかなかった「NBA選手のある動き」に気づいたのでした。

 

それは、

ボールを持っていないときの動き

です。

 

 

例えば、このシーン。

ボールを持っていない二人の選手が
的確に動いているからフリーが生まれています。

 

たった数歩の動きですが、
二人のうち、どちらかが違う動きをしていたら、
この場面でフリーは生まれていなかったはずです。

 

それくらい絶妙な動きです。

 

 

僕はバスケを見始めてから10年以上、
「ボールマンがどうやって1対1をしているのか?」
ばかりを追ってきました。

 

とにかくカッコいい1対1に憧れていた。

 

クロスオーバー、ステップバック、レッグスルー、…
NBA選手みたいにカッコよく1対1で点を取るにはどうしたらいいのか?
ということばかりを考えてバスケをしていました。

 

 

でも、このとき気づいたのは、
ボールを持っていない選手のさりげない動き。

 

NBA選手たちはボールを持っていないときに、
・周りの選手と連動して動いている
・自分のDFから優位になるように動いている
ということに気づいたのです。

 

 

僕はNBAは単純な1対1だけで成り立っていると思っていました。

 

NBA選手たちは闇雲に動き回ることをしません。
でも、僕は部活動で闇雲に動き回っていました。

 

「NBA選手は1対1が強いから周りの選手は見てればいいんだ。やっぱり凄いなNBA選手の1対1って。自分たちはNBA選手みたいに1対1が強いわけじゃないから動き回って走り回ってチャンスを作らないとな。今日も走って走って厳しい練習をしてくゾっ!」
と思っていたのですが、
これは大きな勘違いだったのです。

 

 

NBA選手たちは、確かに動き回りません。

 

止まって、ただボールマンの1対1を眺めている
…ように見えるときもあります。

 

でも、それには意図があったのです。

 

NBA選手が華麗な1対1ができていたのは、
もちろん個人技術が高いことが大きな要因です。

 

でも、それと同じくらい、
・ボールを持っていないときに効率よく動いている
・周りの選手(オフボールマン)が良いスペースを作り出している
・スクリーンプレーなどチームとしてフォーメーションが洗練されている
ということも大きな要因だったのです。

※詳しくはブログ記事などでお伝えしています

 

 

このことに気づいた僕は、
今までの価値観の全てが崩壊しました。

 

「知識を学ぶことで見える世界が変わる」

 

このことを人生で初めて実感しました。

 

大人たちが耳にたこが出来るほど、
「勉強をしなさい」「本を読みなさい」
と言っていた意味が20歳にして初めて腑に落ちたんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でも「学ぶこと」に時間を使えば、
その後の1万時間の”質”が変わってきます。

 

何も学ばずに闇雲に1万時間練習するのと、
「もっと良い方法はないか」と探りながら学びながら1万時間練習するのとでは、
同じ時間バスケをしていたとしても全く違った世界が見えるようになります。

 

 

一番最初に思い返したのは高校の部活動です。

 

もう当時の自分が恥ずかしくて仕方なく、
「穴があったら入りたい」と
この時ほど思ったことはありません。。

 

もしオフボールの重要性に気づいていたら、
走ることに使っていた時間や気力を新しいフォーメーションを取り入れることに使えたかもしれないし、
スペーシングが良くなってもっと楽にフリーな状態でシュートが打ててチームの得点は伸びていたはず。

 

もしオフボールの重要性に気づいていたら、
自分のプレーの幅は広がっていただろうし、
チームメイトの個性を活かすこともできたはず。

 

あんなに怒る必要もなかった…。

 

絶対にもっと楽しいバスケができていた…。

 

 

NBA選手の凄さに感動したと同時に、
過去の自分自身に失望した時でした。

 

今もしタイムマシーンがあるなら、
今ある貯金を全て使ってでも高校時代に戻りたいです。
もう一度、あのメンバーで今の知識でバスケしたい。

もしタイムマシーンがあるならの話ですけどね。

 

 

NBA選手のダンクは真似できません。

 

でも、ボールを持っていないときの動き、
スクリーンプレーの使い方、フォーメーションなどは、
僕ら日本人でも身体能力に関係なく真似することができます。

 

NBA選手は、ボールを持っていないときも超一流のバスケットマン。

 

僕ら日本人でも、
NBA選手からバスケットボールの本質を学べたら、
今のバスケは、もっと上手くもっともっと楽しくなる。

 

 

「昔の自分に対して一番伝えたいことは何か?」

 

情報発信について学び始めたとき、
最初に質問されたのは、これでした。

 

そして真っ先に思いついたのが、

NBAで凄いのはダンクだけじゃない

というフレーズでした。

 

 

「如何に知らないことが勿体ないことか」
を実感してからバスケの教材を買い漁るようになりました。

 

本やDVDだけではありません。

 

人の話や意見も素直に聞くようになったし、
情報発信について学ぶ中で時代の流れや世の中の仕組み、脳科学、心理学、物理、神話、エネルギーなど、
バスケ以外の分野についても学ぶようになりました。

 

勉強はもともと嫌いでした。

テスト前の一週間に詰め込むだけです。

 

でも、学校を終えた今、勉強しています。

 

 

それは単純に「楽しいから」です。

 

勉強と言っても、勉強をしている感はなくて、
漫画を読む時間やバスケをする時間と同じ感覚で、
何かを知ることに自然と時間を使うようになりました。

 

バスケ以外の分野について学べば学ぶほど、
バスケの指導、バスケの技術に活かせることばかりで、
自分の視野が広がっていくのは本当に面白いことです。

 

 

不思議なことに、
「バスケが上手くなるためにはバスケだけしていればいい!」と思っていた学生のときよりも、
バスケ以外のことを学んでいる今の方がバスケが楽しいんですよね。

 

「体育館にいる時間」
は今の方が圧倒的に少ないです。

 

でも、
「バスケの面白さが広がっている時間」
は今の方が圧倒的に多いです。

 

 

僕はバスケットボールが「チームスポーツ」だという本当の意味をこのとき知りました。
・全員が同じプレーをする必要はない
・ボールを持っていない時でもチームに貢献できる
・「ドリブルが上手い選手=バスケが上手い」ワケではない

 

 

そして、新しい価値観でバスケをしてみると…

 

そこには、僕が高校で忘れかけていた
ミニバスの監督、平林さんから教わった「楽しさ」があったのです。

 

チームメイトのことを信頼でき、
毎日あーでもないこーでもないと試行錯誤を繰り返し、
自分たちの環境や個性に合わせた形のバスケを創っていきました。
(実際にチームの成績も伸びました。)

 

誰かに勝つこと以外で、
心から「練習が楽しい」と思えたのは中学生以来だったように思います。

 

 

毎日の練習でチームメイトと話し合って、
闇雲に動き回ることなくDFとの駆け引きを楽しみ、
「自分たちだけのバスケ」を創っていく楽しさは、もやは言葉では説明できません。

 

ちなみに、これが当時のバスケです。

僕らが取り入れていたのは、スパーズのMotion Offenseです。
強いチームの真似をしていても個人能力の差と環境の差を埋めることはできませんが、
自分たちに合った形のバスケを試行錯誤して創っていくことでバスケの世界が変わりました。

 

それは僕だけではなくて、
チームメイトの皆も同じ気持ちでした。

 

 

 

ただ、こういうことを言っても、

「結局、勝たないと意味がない」

という意見もあると思います。

 

確かに、スポーツの目的は勝つことですし、
僕らも勝つことを目指してバスケをしていました。

 

全国大会には出場できませんでしたが、
自分たちの過去よりも確実に成長することができ、
ミスや負けを誰かのせいにする人はいませんでした。

 

勝つことも、もちろん大切だと思います。

 

でも、それ以上に、
自分たちで試行錯誤していく自主性
自分たちで最善のプレーを選んでいく自由さ
一人ひとりの個性が活かされるチームの雰囲気
そういったことに価値があると僕は思っています。

 

 

これは何も綺麗事を言っているわけではありません。

 

自分の身体で体験し、自分の目で見て、心から思うことです。

 

 

僕は今まで、ひどい指導現場をいくつも見てきました。

・指導者が選手を怒鳴り続けている
・選手は指導者の目を気にしながら怯えながらバスケをしている
・ミスを恐れて消極的になり無難なプレーしか出来ず個性がなくなる

 

それも「強い」とされているチーム、
全国大会に出場するようなチームであっても、
そういった状況でバスケをしているチームがあるのです。

 

「強さ」ってなんなんでしょうね。

 

また、ただ闇雲の練習をして、
練習量や練習環境だけがバスケの上手さやチームの強さに繋がると思っていると、
学生を終えた時点で、部活動を辞めた時点で、バスケットボールが終わってしまいます。

 

 

それは本当に勿体ないことです。

 

 

僕自身、そういった道を進みかけていたので気持ちは凄くわかります。
でも、それは「強いチーム=正しい」という思い込みであったり、何かしらの固定概念が邪魔しているだけで、
学び続けて見える世界を変えていけば、いつからでもバスケは上手くなれるし楽しむことができるはずです。

 

 

僕が高校生だった頃は、知れる情報は限られていました。
親、兄弟、地元という範囲で価値観が作られていたので、
「強いチーム=正しい」という考え方に囚われていたのです。

 

でも、今は誰もがインターネットにアクセスできますよね。

 

 

僕がこの情報発信を通してやっていきたいことは、

色々な視点を学び合う場を作る

ということです。

 

NBA選手の凄さを深めていくことは、
今のバスケを楽しくするための入り口で一つの手段なだけで、
本当にやっていきたいことは、ネットを通して教育の場を作ることです。
(具体的なことは最後に話しますね。)

 

 

 

僕はバスケを始めて10年が経ったとき、
ようやくバスケットボールの本質に気づきました。

 

そして、大学を卒業する頃、
「部活動に代わる場をネット上で作る」
と情報発信をすることを決意していました。

 

 

 

・・・と思いきや、
またここで一つの物語が生まれます。

 

 

2014年の冬。

ガラガラの学生食堂で夕飯を食べようとしていると、
同じ学科の女子サッカーをしていた友達がご飯を食べていたので、

「お、一緒に食べよっ」
と声をかけて、卒論で忙しく授業も少なかったので、
久しぶりに会って色々な話をして盛り上がりました。

 

卒論の話や遊んだ話、
そして話題は将来の話に。

 

すると、その友達は、
「今、プロのサッカーチームに行ってるんだ!」
と話してくれました。

プロの世界の厳しさと楽しさ。

そんな話を沢山聞いているうちに、
自分の中である気持ちが湧き上がってきました。

 

 

「プロの世界にチャレンジしてみたい」

 

 

情報発信をしていくとは思っていたものの、
正直、心の中では小さい頃からの夢を諦めている自分を隠しているだけで、
本当に情報発信に対して100%で向き合っているとは言えませんでした。

 

「やらずに後悔するなら、やって後悔しろ」

高校のホームルームで聞いた言葉に思い出し、
プロバスケットボール選手のトライアウトに申し込むことにしたのです。

 

(続く)

 

 

【第4話】プロの世界と変人師匠

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