今回は、速攻の考え方について書いていこうと思います。
ブレイクの考え方は様々なものがあると思いますが、僕自身が実際に体験していること、学生たちに指導して気づいたことを踏まえて書いていきます。今、僕は「バックカットの体系化」を賢者籠球の鶴と一緒に進めています。賢者籠球とは、Princeton Offenseという一つのオフェンスシステムの中にある「賢者は強者に優る」というテーマをもとにバスケについて深めているコミュニティで、活動を始めて今年で三年目になります。今、鶴とは賢者籠球の代名詞といえる「バックカット」を「技」や「戦術」にまで深めようとしています。今回の速攻でもバックカットは登場します。
さて、まずは速攻の基本的な考え方は、「1対0のレイアップを作る」ということです。ハーフコートでも、まず狙うことは「1対0のフリー」だと思いますが、速攻ではよりわかりやすくレイアップということになります。そこで今回、最初に紹介するのは「速攻での2対1の作り方」です。以下の動画を見てみてください。
◆ブレイクでの2対1
— NBAで凄いのはダンクだけ!? (@nbanotdankudake) March 30, 2019
味方に指示を出して2対1を創り出すポール。速攻の4対3などの場面でスリーを狙うことで2点と3点の駆け引きが生まれる。全員がツーポイント圏内にいるとディフェンスは外に広がらない。どこでも1人で2人を守れない状況を作るのがバスケの基本。pic.twitter.com/39WGb63wdP
これは、Chris Paulが速攻で2対1を作っているところです。
アウトナンバーが生まれている場合、スリーポイントでスペーシングを保って攻めるのもありだと思いますが、まずは一人がゴールを攻めることが大事だと思います。2点と3点の駆け引きを生むためです。そのために、この動画のように以下のようなカッティングをしていくと2対1が生まれます。
ここで、ポイントになるのが3の位置。
速攻の流れだと、どうしても走り切ってしまうことが多いので、3の選手(カッティングする選手と2対1を作る選手)がコーナーの方まで走り切ってしまうことがあります。そうなると、どうなるかというと、2対1が作りにくくなります。つまり、ディフェンス2が一人で二人を守りやすくなります。理由は以下の図の通り。
なので、3の選手はカッティングした選手の背中側にいるのが大切です。そうすると、自然と2対1の状況が生まれ、ディフェンスは一人で二人を守れないようになります。もちろん、厳密に言えば、予測次第で一人でも二人を守れる(パスコースを読んでスティールする、シュートチェックに間に合うなど)こともあるし、オフェンスのシュート力などの能力によっても2対1かどうかは変わってきます。ただ、ここではボードでの説明(動きの概念)でアウトナンバーをどうやって作るか?という視点で話しているので、このような説明になります。
動画のポールは、この2対1の場面で絶妙なノールックパスを使っているからディフェンスを迷わせています。そして、「カッティングして!」っていう指示を出して、瞬時にこのパスを(しかも絶妙すぎるバウンド)で出せるところはしびれますね。この2対1の考え方はハーフコートでも基本になりますが、速攻の場面でも使えます。流れで攻め切ることも大切なので走り切ることが悪いわけではないですが、カッティングをより活かすためには45°付近で止まれることも大切だと思います。
では、次回はバックカット(カッティング)について。
またまたNBA選手に登場してもらおうと思います。とても有効で速攻の駆け引きが一つ増えるのでお楽しみに。
次の記事:「”相手を守らせて”バックカット」
PS.
ここ最近はブログ記事でバスケのことをあまり書いていませんでした。このブログのタイトル「NBA」って入っているのになんで?と思われる方もいるかもしれませんが、バスケットボールの技術とか戦術の話は、メルマガを使ったコミュニティの方で深めていました。最近は自分で解説動画を撮ることも多く、そっちで具体的なことを話していたのでブログの方は技術とか戦術以外のところについて書くことが多かったです。より実践的な配信についてはコミュニティの方で今後もしていく予定です。またそちらについても共有してきます。
僕はNBAの教科書を作りたいわけではなく、あくまでも自分自身で実践してバスケが上手くなること、そしてそこで体験したことや学んでいることを共有することで皆さんとバスケを深めていくことを目指しています。戦術の詳しい内容とかは既に世界中の方がYoutubeとかブログを使ってやっていて、日本でも素晴らしい戦術マスターと呼べるような発信者の方もいます。なので、プレイブックを使った解説とか動画解説に関しては世界中の素晴らしい方を紹介したりしながらブログ記事で書いていき、僕は自分が得意なことで情報発信をしていこうと思っています。そんなわけで、また今後もよろしくお願いします。
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