【NBA挑戦の先駆者】Vol.2 NBAに憧れるアメリカかぶれのバスケ小僧

森下雄一郎さんのドラマ、第二話。

 

プロのバスケットボール選手を引退した後は、世界を旅しながら「夢」を持つことの重要性を伝え、

その後は、日本の中学生や高校生たちを集めて、次世代のリーダーを育てる「SENDto2050プロジェクト」を開始。

 

これを始めたきっかけは、

・郷土愛

・志

に出会えるきっかけを作りたかったから。

と森下さんは言っています。

 

郷土愛というのは、自分が育った国、育った地域について親しみをもって知ること。

そして、志というのは夢と似ていますが、全く違ったもので、「自分の役目」のことです。

 

この二つは学校教育の中でなかなか教わらない分野であり、

今の情報社会では、忘れられている分野なんじゃないかなと思います。

自分が育った地域や国について知ることが周りとの違いを受け入れる第一歩目であると、森下さんはアメリカに渡って教えられ、

志という言葉は森下さんが渡米していたときに使っていて「夢」とは違うもので、この言葉を使うようになったのにも森下さんの変化があるように感じます。

 

 

 

郷土愛がどうして重要なのか。

 

それは、森下さんがアメリカに渡った時にお世話になったホームステイ先のパパから教わったことでした。

森下さんが渡米した時、日本人がバスケをするためにアメリカに渡るなんて考えられない時代。

当時は試合に負けるたびに「日本に帰れ!」「お前がいるから負けるんだ!」と観客から言われていたり、

森下さんだけが水をかけられたりポップコーンを投げつけられたりしていたそうです。それくらい厳しい環境。

また、当時は戦争の関係で森下さんが住んでいた地域では日本人に対するイメージも決して良くはなかった時代。

 

そんな時代だったのですが、

当時、ホームステイ先にいた「パパ」、

ニューハンプシャー州のビル・ミラーさは、森下さんの情熱や志に惹かれて、森下さんを受け入れてくれて、

そのことで、森下さんは自分も文化の違いを受け入れるためには、まずは自分のこと、自分の国について知らないといけないと思ったそうです。

 

 

その後、ニューヨークでお世話になったもう一人のパパ、

ウィリアム・ボールドウィンさんと出会い、ヒップホップに憧れてアメリカのスタイルの憧れていた当時の森下さんは、

もう一人のパパから、「お前は何人だ?」と聞かれます。

パパがそうやって聞きたくなるほど、当時の森下さんは、

いわゆる「アメリカかぶれ」のバスケ小僧だったということです。

 

それに対して、森下さんは「日本人だ」と答えると、

パパは「そうであるなら、お前が育った国や地域の誇りをおれたちに語ってみろ」と言います。

 

このとき、初めて、森下さんは自分のルーツや自分の国について学ぶようになりました。

 

NBAを目指し、アメリカのバスケに憧れていたけど、

その前に、自分自身が育った国の良さや特徴も何も知らなかった。

・・・そんな自分に気づかせてくれたのが二人のパパだったと言います。

 

 

 

そういう経験をしたからこそ、今、森下さんは郷土愛と志についての教育活動をしています。

 

志に関しては、また別で話していこうと思いますが、

これまた学校では取り扱われない分野の一つなんですよね。

昔の日本人は学んでいたんですが、今は教科書に載っていません。

 

そういったことが僕ら現代人の価値観には影響していて、

今の情報社会でちょっと困ったことも起きているのも事実。

それはまた後程、志のところで話していけたらなと思います。

 

 

 

さて、そんな森下さんが歩んできた話を聞いて、どう思いましたか?

 

僕は、森下さんの生き方に小学生の時に憧れました。

「自分もNBA選手になりたい!」と思っていたし、「いつか自分もアメリカに行くんだ!」とも思っていたし、

「自分がやりたいと思ったことを諦めずに、誰から何を言われても、自分が決めたことはやりぬくぞ!」とも思っていました。

 

そして、森下さんと同じように、僕もアメリカかぶれのバスケ少年でした。

バスケに限らず、日常生活でも、日本という国が嫌いで、日本人である自分が嫌いでした。

 

当時の日本のイメージは、

「アメリカのような自由がない」

「アメリカのようにストリートバスケがない」

「硬くて、真面目で、みんな同じで、創造性が足りない」

みたいな感じでした。

 

小学生と中学生の頃は、そういった意識が強くて、

だから、日本のバスケットボールというものも嫌いでした。

 

「日本人らしいプレー」という言葉も嫌いで、

「自分は絶対日本人らしいプレイヤーにはならないぞ。NBA選手みたいなプレイヤーになるんだ!」

と、日本人という単語に反発して、そういうバスケ選手になりたくないとずっと思っていました。

 

 

 

・・・「そういうバスケ選手」って?

 

・・・「日本人らしいバスケ」って?

 

 

 

当時の僕に、今そうやって聞きたいですね。

それに対して、小学生や中学生の僕はきっと、

「NBA選手やストリートバスケの人たちみたいなリズムがないこと」

みたいな回答をしていただろうなと思いますが、

 

今振り返れば、この当時の僕は、

ただ根拠もなく、日本という国が嫌いで、アメリカに憧れているだけ。

例えたら、スラムダンクの谷沢のような感覚になっていたような気もします。

 

完全に、「アメリカに行けば高く飛べる」みたいな少年でした。

 

 

それはずっと長い間続くわけなんですが、

「アメリカに行きたい=日本が嫌いだから日本を出たい」

という価値観でした。

 

これが何を表しているかというと、

日本が嫌い=日本人が嫌い=自分自身が嫌い=自分の人生を否定している

ということだと、今なら思います。

 

どうしてこう思えるかというと、今の僕はこの頃と違って、

日本の良いところが見えるようになって、そのことで海外の良さも見えるようになったからです。

そして、それはイコール、自分の人生、過去の意味合いが変わって、自分の志に気づけたからでもあります。

 

 

僕の発信は「NBA」がスタートになっています。

 

NBA選手に憧れてバスケを始めて、

NBA選手みたいになりたいとバスケを続け、

日本が嫌いだ、日本人らしいプレーよりもNBA選手だと思っていて、

 

そんな時に、「NBAの凄さ」を知って、

より一層、日本のバスケよりもNBAだ!となりました。

 

だから、NBAの凄さをずっと発信してきています。

 

 

でも、大学生の時に研究室で、

サッカー部の同期と喋っていたら、

「おれ、バスケのことはよくわからないけどさ、NBAの真似だけしていても世界には追いつけないんじゃないの?世界の真似をするだけじゃなくて、日本独自の何かを創っていかないと世界には勝てないんじゃないのかな?おれバスケのことはわかんないけどね!笑」

と言われました。

 

このときは、「いや、でも、NBAは世界最高峰だから最高レベルのことはまず学ぶ必要があると思っていて、土台として、…」という風に答えました。

そう、土台として世界最高峰のリーグから世界最高峰の考え方を知ることは、まずは大事だという風に、このときは思いながらブログを書いていました。

 

あくまで、「土台」として。

 

 

 

・・・それから、僕はたまたま、

情報発信をしていく中で、「日本」について学ぶ機会が増えました。

 

武術、日本語、古神道などといった、

これらは一見、情報発信と関係なさそうに見えますが、

全て情報発信と繋がっていて、学べば学ぶほど自分の視野が広がるものだし、

学ぶたびに、自分が育ってきた国の良さや特徴について知ることができるものでした。

 

それは、イコール、

自分自身について知ることでもあり、

バスケットボールについて知ることでもありました。

 

 

まさに、あの時にサッカー部の同期から言われた言葉が、この頃ようやく腑に落ちてきたんです。

 

自分はNBAに憧れて、NBA選手みたいになりたいと思っていました。

日本が嫌いで、日本人らしいプレーはしたくないと思って部活をしていました。

 

それくらいNBAが魅力的なのは素晴らしいことで、

僕みたいなバスケを始めた子供たちにたくさんの夢を与えていました。

今は渡邊選手や八村選手が森下さんや田臥選手の道を辿りながら夢を与えています。

 

 

でも、森下さんがパパから教えられたように、

そもそも論として、自分の国について知らなかったら、

海外の良さも見えないし、そもそも「自分」が迷子になります。

 

僕は森下さんと同じような人生を歩んできました。

NBAに挑戦していたかとかそういうところは違うけど、

NBAに憧れて、アメリカのバスケに憧れて、日本のことを何も知らない。知ろうともしていない。

結果、自分自身についてわからず、「自分探し」という名の海外旅行をしたりして日本を出たいと思っていた。

 

森下さんと違うところももちろんたくさんありますが、

少なくとも、「NBAに憧れていたけど日本について何も知らなかったし知ろうともしていなかった」というのは同じです。

 

 

おそらくですが、

森下さんの物語と僕の物語は、

今、NBAに憧れている子供たちにも当てはまるし、

NBAに関係なく、学校教育を受けてきた人たちの多くは、

そして、今の情報社会を生きる現代人の多くは当てはまります。

 

 

・日本という国ついてちゃんと学んだことがない

・自分の志(自分の人生)についてちゃんと考えたことがない

 

という二つのことです。

 

 

これは何も「日本が良くてで世界が悪い」という話ではありません。

どちらも良い部分があって、その違いを知るためには自分たちのことを知らないといけないということです。

歴史がどうかとか、おもてなしの精神があるとか、そういうことではなくて、もっと根本的な部分について。

 

 

実は、この情報発信のタイトル

「NBAで凄いのはダンクだけ!?」というのには、

こういう部分も含まれているんです。

 

つまり、NBAについて知れば、

NBA選手から学べる凄い戦術や基礎や動きを学べてバスケが上手くなるのと同時に、

学校では教わらない分野、日本の良さや特徴について、自分自身についても学ぶことができる。

 

だから、NBAで凄いのはダンクだけじゃないんです。

 

 

NBAを「ダンクやばい!」で終わらせず、

戦術や動きなどで参考になる部分が見えるようになれば、

自分の視野が広がって、バスケ以外の分野にも自然と興味を持てる。

 

そういう意味合いも含んでいます。

 

 

NBAで凄いのはダンクだけじゃないですよね。

 

それに気づけたら、

どんどん視野が広がっていきます。

 

 

この発信では、そんな広がりを伝えていきたいなと思います。

 

それでは、今回はの辺で。

森下さんの二話目も是非ご覧ください。

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PS.

一番最初の画像は、僕が小学生の頃から撮り溜めていたNBAの動画たちです。あの頃の試合映像は何度も何度も見返していて、次のプレーとか実況の言葉まで暗記していたレベルで見ていた試合もあります。NBAがあっての今で、今もNBAを見るのは大好きです。こういう記事を書くと、あの当時と今は繋がっているなぁと思えますね。

森下さんは今クラウドファンディングをしながら五月からの新しい活動を始めようとしています。もちろん僕も支援参加させていただきました。森下さんからFacebookでメッセージもいただけて、自分にしかできない価値を自分らしく伝えていきたいと改めて思っているところです。これは最近募集した物語の企画と繋がってくると、ここ最近思いながらメルマガを書いているので、企画ができたらブログとかでもお伝えしていこうかなと思っています。もともとそういう予定ではなかったんですが、ちょうど、本当にタイミングよく、森下さんのことを思い出したら森下さんがちょうどドラマを始めていて、そのことでこんかいの企画の内容も変わってきたんです。こればかりは時の流れでどうしようもありませんね。そして、面白いなと思えると偶然のきっかけです。ではまたドラマに合わせて、僕と森下さんの物語を記事にしていこうと思います!


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