NBA選手はバスケの教科書
このブログではよく、この言葉を使っています。
これがどういう意味なのか?
ということを今日は改めて解説していこうと思います。
僕はもともと、NBA選手の1対1だけを真似していました。
特に、クロスオーバーのようなハイライトに載るカッコいいプレーを。
録画したNBAを見ながら、
1対1でクロスオーバーで抜いているシーンを
何度も何度も繰り返し見て、スロー再生をして、
テレビの前で真似をして、体育館の鏡の前で実践して、・・・
っていう感じでやっていました。
中学高校とずっとそんな感じの選手でした。
そこから、大学生になってヘルニアになったことがきっかけで、
たまたま「ボールを持っていない選手の動き」の重要性に気づけました。
今では当たり前のオフボールの動きの重要性も、
一ミリもと言っていいほど考えてこなかったからこそ、
その時受けた衝撃は凄くて、その時からは、
NBAを見るときはオフボールの動きばかり見ていました。
もちろん、大好きな1対1についてもずっと見ていました。
で、その時やっていたのはこんな感じです。
◆ピンチこそチャンススペーシング
— NBAで凄いのはダンクだけ⁉︎ (@nbanotdankudake) 2018年11月13日
自分がいる場所に味方がドライブをしてきた時、スペースがなくなってディフェンスに守られやすくなります。その場で立ちすくんでしまいがちですが、瞬時に合わせたらチャンスが生まれる。そんなことをNBA選手が教えてくれますね!
pic.twitter.com/xOooGWjFBY
こんな感じで、動画からテクニックやコツを見つけていました。
それは当然、「自分独自のコツ」です。
どこかに書いてあることとかではなくて、
自分の中で「こういう場面はこうやって動けばいいのか」
と思ったことを言語化して、自分のコツに変えていました。
これをするようになってからは、
「NBAを見る時間」=「バスケのコツを見つける時間」
に変わりました。
今までは1対1だけでしたが、その幅が広がりました。
NBAを見ながらコツを見つける手順は、
- NBA選手になりきってみる
- 自分ならどう動くかを考える
- 自分が想定していた動きとのズレを見つける
- 「NBA選手だからできたこと」と「自分でもできること」を分析する
- 自分にも真似できる動きを言語化して「コツ」に変えて再現性を高める
という5つのステップです。
この手順を踏まえて、NBAを見るようになってから、
自分独自の理論というものが客観性のあるものになりました。
たとえば、先ほど紹介した動画だったら、
まず、ボールマンに自分がなったら…という視点で見てみます。
そうすると、
「自分ならこの場面はドライブをしないだろうな」
という風に僕は思いました。
ここでポイントは、
「自分の抽象度でNBA選手の動きを見比べる」
ということです。
つまり、「NBA選手と全く同じ動きをしている自分」というのは想像できないので、
「自分がこの場面のNBA選手だったら、どんな風になっているか」と考えるということです。
NBA選手の抽象度(視点)で見ると、
「結局、NBA選手の能力があったからできたこと」
になってしまって、自分の世界は広がりません。
それをしていたら、NBAからバスケを学べませんよね。
でも、そこを
「自分の抽象度(視点)」で考える、
つまり、「自分がバスケをしている世界に置き換える」と、
NBA選手との能力差に関係なく、
自分の現実に活かせるコツが見つかってきます。
この場面なら、僕ならドライブをしていないと思います。
NBAのコートで起きているスペーシングや状況を自分の現実世界の、自分のバスケのレベルに当てはめて考えると、
という話です。
ドライブをしない理由は、ポイストでボールをもらおうとしている選手がいるから。
この場面でドライブをしたら、僕なら、
「スペースがない」と思うからドライブをしないし、
もし、ポストに自分がいたら立ちすくんでしまうかもしれません。
・・・
という視点で考えてみると、
この動画から新しい視点が身に付きます。
「自分ならこうする」という視点があるから、
その視点から想定できる予測と違う動きをNBA選手がしたら、
「なるほど!」って思えます。
この「なるほど」がコツが生まれる瞬間。
この場面のドライブで言えば、
「自分だったらドライブをしない。されたら、合わせられない…と思っていたけど、なるほど。こうやって合わせたらいいのか。ってことは、この場面をできるだけ客観性のあるコツに変えるとしたら、どういう言葉で説明したらいいのかな。」
という風に考えて、コツを作ります。
コツを作るときは言語化して、
なるべく抽象度を高くします。
抽象度を高くするとは、
「色々な場面に応用できるようにする」
という感じの意味です。
この場面だったら、
「自分のもとにドライブをしてくる味方がいても、冷静に判断してスペースを広げたらフリーになる」
ということになります。
ここには、抽象度の低い(具体的な)コツが含まれています。
・ポストでボールを要求している選手がいてもドライブができる
・味方の位置がどこであっても冷静に判断できたら良いスペーシングは保てる
・狭いスペースのところにドライブをしたとしてもフリーを作ることはできる
といったものです。
これらを一つにまとめた抽象度の高いコツを言語化すると、
「ピンチはチャンススペーシング」という少ない情報量に圧縮されます。
まぁこのネーミングはパッと見で思いついたものなのですが(笑)
僕はこのブログを始めた時から、
こういう感じでNBAをバスケの教科書にして、
自分なりの視点を通してコツを言語化してみています。
アメリカでバスケを学んだってことはないですが、
結果、現実のプレーでこの視点を活かすことができたら、
「そんな理論、どこにも書かれてない」っていうものでも価値がある
という風に僕は思っているので、自分なりの視点を発信しています。
中には「専門家でも現地で学んだわけでもないのに、勝手にNBAの技術を語るな」
みたいに言う人もいるかもしれませんが、全ての人に価値があるものだとは思っていません。
あくまで、この視点を知って、
「なるほど。自分も同じようにコツを見つけてみよう」
「実際プレーしていても、ああいう場面困っていたけど、こうやって合わせたらいいのか」
「今日の練習で同じような場面があったけど、冷静に合わせてみたら、むしろ、完全なフリーができた」
っていう風に、日常で変化が少しでも起きて、
頭の中の知識とかイメージとかじゃなくて、現実のバスケがより良くなれば価値が生まれていると思います。
実際、僕自身、すべて体験していること、実際に変化が起きたことを発信するようにしています。
大事なのは、
どういう視点を持つか?
なのだと思います。
視点次第で学べることは増えるし、
視点次第で日常の面白さは変わります。
赤色のメガネをつけたら世界は赤く見えるし、
青色のメガネをつけたら世界は青く見えます。
視点次第で、
「NBAはバスケの教科書」
という意味が腑に落ちると思います。
NBA選手はバスケットボールを動画を通しても教えてくれます。
これからも、NBA選手の動きを分析して、
現実に活かせる形に変換していきたいと思います。
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