「バスケットボールのほとんどのプレーは、二人のやり取りで行われる」
こんな言葉を聞いたことがあります。
5対5としてやっているバスケットボールも、小さく見ていけば1対1の掛け合わせであり、その次に2対2の掛け合わせ。チームプレーというものも1対1から始まり、2対2に発展していく。5人の連動も2人の連動が掛け合わされて結果として生まれるもので、速攻などでも「4対3」の状態があったら「2対1」を見つけていくことがポイントになります。そんな形で、複雑に見える5人の動きも2対2を中心に見ていけばわかりやすくなる、判断しやすくなるということがあります。
今回紹介するのは、2対2の基本。
「DHO(Dribble Hand Off)というプレーです。ドリブルをしながら手渡しパスをして、そのままスクリーンプレーを起こしていくプレー。これはシンプルな2対2なのですが、とても有効なプレーです。「ボールマンがスクリナーになる」という珍しいケースで、ピック&ロールと比較すると、スクリーンのユーザーのドリブル力が高くなくてもフリーを作れるし、スクリナーになるドリブルをしている選手はいつでも攻めることもできます。スクリナーのディフェンスはショーディフェンスがしにくいし、ユーザーのディフェンスはユーザーが自由自在に動けるためマークするのが難しくなります。
DHO(Dribble Hand Off)
— NBAで凄いのはダンクだけ⁉︎ (@nbanotdankudake) 2018年11月2日
・ユーザーが自由に動ける
・スクリナーが自由に動ける
この2つの特徴からディフェンスはスクリーンの対処が遅れる。スクリナーはいつでもDHOをすると見せかけてドライブもできるため、スクリナーのディフェンスはショーディフェンスができない。
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DHOの最大のメリットと言えるのがこのプレー。
ドリブルをしているスクリナーになる選手は、いつでもドライブができる。「ハンドオフでパスを出す」というフェイクを使えば、簡単に相手を抜けます。本当に力が必要ないし、むしろ「抜いてやる!」っていう意思を出すと読まれることがあるので、「ハンドオフをする」という気持ちでゆっくり速くしようとせず、そのままゆっくりドリブルをした方が抜けたりします。これは本当に面白いプレー。(この場面では「抜く!」っていう瞬間にスピードを出しています。瞬発力や脚力が高ければこの抜き方でもありですね。瞬発力とかで劣っている場合は「相手に読まれないようにする」っていう意味でも、抜こうとせず、ゆっくり動いた方が抜けます。)
◆フェイクハンドオフ
— NBAで凄いのはダンクだけ⁉︎ (@nbanotdankudake) 2017年10月18日
この緩急は騙される!
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この動きがあれば、ユーザーはスクリーンプレーを効果的に使えます。特にドリブルスキルが高くなくてもボールをもらう前に表と裏の駆け引きをしたら、簡単にディフェンスをズラすことができるので、2対2の基本として、ピック&ロールと並行して、DHOを是非やってみてください。NBAではあらゆるチームがやっていますが、特にヨキッチを見るのがお勧めです。ダンカンとかもよくやっていたし、まぁ本当にどのチームでも一人くらいは「DHO専門」のようなセンタープレイヤーがいます。スクリーンプレーは最高のチームプレー。
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