ドリブル練習を1000時間やって気づいたこと。

「NBA選手のような1対1がしたい…」

 

僕は小学校五年生からバスケを始めました。

その頃からNBAを見始めて、大好きになってから、

バスケをするときにいつも意識していたのは「NBA選手」。

 

NBA選手になりたいという夢があったわけではありませんが、

「NBA選手のようなカッコいいプレーがしたい」

ということを常に思いながらプレーしていて、

 

録画した試合を見るときは、

1対1のシーンを繰り返し見ました。

 

特に、クロスオーバー。

 

1対1でカッコいいプレーがあったら一時停止を押して、

巻き戻して、スロー再生をして、通常スピードに戻して、・・・

の繰り返しでした。

 

そして、テレビの前でそのプレーを真似する。

 

 

そんな中学生でした。

 

それまでは、自分の中で理想としているプレーはなかったので、

ちょっとでも昨日の自分よりも上手くなれるように練習をしていました。

 

それがNBAを見たことで変わりました。

 

僕の中では、練習中も、試合中も、

「どれくらいNBA選手のような1対1に近づけたか?」

ということがバスケットボールの目的になっていたのです。

 

 

だから、試合のビデオは自分の1対1ばかり見返していました。

ミスをしたシーンは見てみぬふりをして。笑

 

 

NBA選手のクロスオーバーに憧れてから、

「バスケットボールが上手い選手=ドリブルが上手い選手」

でした。

 

ドリブルが上手ければカッコいい。

ドリブルが上手ければ1対1が強い。

 

そう思ってからは、ハンドリング練習の時期が続きます。

 

 

何をしていたかというと、

・毎日、家の中でボール回しのハンドリング

・練習前にドリブル練習

・練習後にドリブル練習

・練習がない日は家の外でドリブル練習

 

 

だいたい、一日30分~1時間やってました。

 

どれくらいの頻度やっていたかというと、

中学生の頃は、364日くらいやっていました。

 

修学旅行の日はボールを持っていけなかったから、その日はできなかった。

ってのを覚えているくらいなので、

ほぼ毎日、ハンドリングの練習をしてきました。

 

内容はYoutubeで調べたものや自分で考えたもの。

 

 

歯磨きをしないと、なんだかすっきり寝れないですよね。

 

それと同じように、僕にとっては、

「ドリブル練習をしなかったら寝れない」

ってくらい、歯磨き並みに必須の動作でした。

 

 

それが大学4年生まで続きます。

 

なので、だいたい10年間やり続けていたということです。

 

たまにサボっていたりできないときがあったとしても、

少なく見積もって、一日平均30分くらいやっていたとしても、

10年間で1000時間くらいドリブル練習をしていたことになります。

 

 

それで気づいたこと。

 

それなりに、ドリブルは上手くなりました。

試合で取られることはあまりなかったと思います。

 

 

でも、それだけドリブル練習をしてきて気づいたのは、

 

・チームプレーの楽しさを見失っていた

 

ということです。

 

ドリブル自体は、たぶん下手ではなかったはずです。

2ボールのハンドリング練習もいくつかやっていたし、

1対1で使うようなドリブルスキルというのもそれなりにありました。

 

でも、なんとなく「硬いドリブル」になっていて、

強く突くことはできるし、ドリブルは速いんだけど、

なんとなく柔軟性がなく、応用が利かないドリブルでした。

 

 

 

「ドリブル練習には罠がある」

 

 

こういうことを言うと、

「バスケットボールは個人技術があってこそだ。ドリブルを高めて1対1を強くすることでチームが強くなる道だってある」

という意見もあると思います。

 

それもそのとおりです。

 

ドリブルが上手くなれば、ボールを取られないし、

1対1はバスケットボールの基本だし、チームは個の集合体です。

 

 

でも、どんなに技術力を高めても、

「チーム」や「試合」の中でそれを発揮できなかったら、

それは「技術力がある」とは言えないと思います。

 

僕はまさに、その状態でした。

 

練習では、ドリブル練習のときは、

凄く上手くドリブルがつけるんだけど、

いざ試合になると、その技術を発揮できない。

 

 

そして、たくさん練習をしているからこそ、

「あんなに練習をしたのに、なんで上手くいかないんだ・・・」

と、活躍できない自分を責めて自分の世界に閉じこもっていました。

 

 

完全に、「チーム」という視点が抜け落ちていたのです。

 

誰もが最初は自分のためにスポーツをして、

自分が活躍をするために、得点を取るために練習をするものです。

 

なので、最初から、

「チームのためにバスケをするべきだ」

と言いたいわけではありません。

 

 

ただ、ドリブル練習の罠にはまってしまうと、

バスケットボールの楽しさが頭打ちになる可能性がある

ということです。

 

 

僕は毎回、試合後に自分の世界に閉じこもっていました。

 

「ああ、自分はなんてひどいプレーをしたんだ・・・」

「あれだけ練習をしたのに、1対1がぜんぜん成功しなかった」

「もっとドリブル練習をして、もっと1対1強くならないとだめだ」

 

 

1対1は、あくまでも、

「チーム」という土台がある上での技術。

 

そもそも、最初にあるべきなのは、

「チームとしての土台」「チームメイトとの信頼関係」で、

そこがない状態で個人技を高めてしまうと、それぞれの意思がバラバラになって、

本当の意味での「チームプレー」に辿り着くことはできません。

 

「本当の意味でのチームプレー」とは、

チームに関わる全ての人が味方のプレーを応援できて、

コート上でプレーしている味方の動きが手に取るようにわかる状態です。

 

1対1をするのも”チームのため”という状態。

 

自主練をして自分のプレーを高めて、

「自分がバスケを楽しめるようにする」「自分が上手くなる」

というのも、土台にあるのは”チームのため”という状態。

 

それを体験できる人を、この場から一人でも増やしたいなと思います。

 

 

 

ドリブルも、バスケットボールの一部です。

 

僕のように、ドリブルとか1対1に憧れて、

バスケを始める子供がほとんどだと思います。

 

それはそれで本当に良いことだなと思いますが、

ただ、ドリブルが大好きなバスケットマンに知ってほしいのは、

「ドリブルを高めるだけでは、体験できないチームでの一体感がある」

ということです。

 

 

これも1000時間、ひたむきに練習をしたからこそ気づけたことだと思っています。

 

「一万時間の法則」という言葉がありますが、

それだけ練習をすると、量質転換というのが起きて、

質を高める上で重要な本質だったり、そういうものに気付けたりします。

 

たぶん、僕の場合、それなんだと思います。

 

体育館が空いていたら、とにかく練習をして、

ボール回しを忘れていたら、布団に入った後でも起きてハンドリングをやっていたし、

テレビを見ながらボール回しをして、ファンブルしてテレビに何度もぶつけたりしました。

 

その時期があったから、この記事が書けました。

 

 

今、ドリブル練習にはまっているバスケットマン。

 

いつか、そのドリブルに使っていたエネルギーを

チームでバスケットボールをする楽しさに転換して、

「本当の意味でのチームプレー」の楽しさを体感してほしいなと思います。

 

 

技術的なことに関しては、

色んなスキルを身につけるよりも先に、

「保持力」を身につけることの方が大事だと感じています。

 

むしろ、これがあれば複雑なスキルがなくても良いプレーはできます。

 

時間は限られているので、より効率よく、

今のチームでのバスケを楽しめるように。

 

 

それでは!


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