ドリブル練習でよくある教えが
「ドリブルを強くつきなさい」
というものです。
これはNBA選手たちもクリニックで言っていたり、
いろいろな場面で言われる「基礎」の一つだと思います。
今回はそれについて考えていこうと思うのですが、
強くつくといっても、その理由を特に意識せず、
無闇にただとにかく強くつくという練習を見たことがあります。
僕自身、そういった練習をずっとしてきて、
「ドリブルは強く!ドリブルは強く!」
と信じてやっていたので、その気持ちもわかりますが、
そもそも僕の中では、その理由というか本質が抜けていました。
ドリブルを強くつくメリットは?
そう聞かれたとき、当時の僕は、
「強くついた方が切り返しが速くできるから」
と答えていたと思います。
これは、確かにドリブルを強くつくメリットの一つですが、
もっと本質的な部分を考える必要があると思います。
ドリブルは、どんなにテクニックがあっても、
相手に取られたら「良いドリブル」だとはいえないですよね。
テクニックよりも、まずは相手に取られないことが大切です。
そのための手段として、
「ドリブルを強くつく」という基礎があって、
それは「クロスオーバーをする」といった技術的なことと同じように、
相手にドリブルを取られないようにするための一つの手段に過ぎないということです。
図で表すと、
<目的>
相手にドリブルを取られない
/ \
ドリブルを強く突く クロスオーバー
ということになります。
この部分を見落としてしまうと、
いくら沢山ドリブル練習をしたとしても、
練習でどれだけ複雑なドリブル練習ができても、
試合中では使えないドリブルになってしまうことがあります。
もう少し具体的に言うと、
「相手に取られないドリブル」というのは、
・保持力が高い
・相手に取られないところにボールをつける
というドリブルのことです。
なので、たとえ、ドリブルを強くつけても、
そこに、保持力がなければ意味がないということです。
今はたくさんの練習方法があって、
ネットで検索をしたらいくらでも情報を知れるし、
ドリブルのスキルというのは、アメリカから沢山広まってきています。
それらをすることでバスケが上手くなったり、
バスケの楽しさが増していくことはもちろんたくさんあると思います。
でも、それだけがドリブルを上達させる方法ではありません。
その他の方法としては、
「一つのドリルを徹底的にやる」
というのがあります。
沢山のドリルをやることよりも、
少ないドリルを徹底してやった方が
本質的な力が身につくということはあります。
受験で言えば、
「一つの参考書を何度も繰り返しやれば、色んな問題に対応できるようになる」
ということが言われます。
それとか、「数学をひたすら究めたら、歴史ができるようになった」
ということもあります。
これは、一つの物事を徹底的に深めることで、
「色んなものに共通する大きな枠組み(本質)」
を捉えることができているということなのです。
それと同じように、
ドリブルというのも、沢山ドリルをやるよりも、
それらを全て含んだ「本質」を捉えることの方が大切で、
その本質さえつかめたら、試合で使えるドリブルができます。
その本質を理解した上で、
テクニックを学んでいくのが良いと思います。
そもそも、ドリブルというのは、
パスやシュートといった選択肢の一つなので、
ドリブルのテクニックがなくても試合で活躍する方法はあります。
ドリブルが上手い選手はカッコいいし憧れますが、
NBA選手たちの凄いドリブルも、あくまで試合の一部分です。
大事なのは、ドリブルの使い時。
最近、高校生とバスケをして、
感じたことを今回は記事にしました。
その場でのドリブルは凄く上手いんだけど、
実際の試合中にはその技術を使えていなくて、
むしろ、ドリブルに固執してゲーム全体の流れを止めてしまっている
という感じだったのでした。
これは現代あるあるだと思います。
僕も昔はそうでしたが、
「もっとテクニックを知りたい!!」
と思う人もいると思うのですが、
たぶん、いつかこの感覚がわかると思います。
最後に、「ドリブルの本質」が身につくドリルを紹介します。
色々とドリブルの練習はありますが、その中で厳選するとこれをやっておけばドリブルで必要な力が身につきやすいと僕が感じているものです。これはChris Paulがハンドリングについて教えている動画で、結構抽象的なことが話されていて具体的な練習方法とか回数とかは言われていません。その中で、一つだけ取り上げると、このドリブル練習です。「片手でV字ドリブルをして、そのまま股の下を通す」というシンプルなもの。これは、ドリブルの強さと柔らかさ(保持力)がないとなかなかできないドリブルです。これをやっておけば、「相手に取られないドリブル」をつくために必要な力が身につきやすいです。参考にどうぞ。
[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=mRNXG_TSL_s” /]
コメントを残す