憧れの先輩がバスケを辞めて気絶していた話。

こんばんは、原田です。

 

この前、飲み屋でたまたま10年ぶりくらいに、

一歳年上のミニバスの先輩と再会しました。

 

ミニバスの頃から僕が憧れていた先輩で、

金魚の糞のように先輩の後ろについてフットワークをしたり、

ドリブルを真似したりして、背番号も先輩と同じ七番をつけていました。

 

その先輩と10年以上ぶりに再会。

 

先輩の名前は、北村くん。

ミニバスからの付き合いなのでタメ口で。

 

その北村くんの人生物語が壮大すぎて、

そして、凄くカッコいい大人だったので、

多くの人に知ってもらいたいので記事にしていこうと思います!

 

 

北村くんは、バスケを途中で辞めました。

 

今は全くバスケをしていなくて、

高校でバスケを辞めて、学校も中退しました。

 

それ以降何をしていたのかまったくわからず、

一生会うことはないだろうなと思っていたら、

 

超たまたま飲み屋で再会。

 

 

「おおお!!つよしじゃねぇか!久しぶりー!」

そんなテンションでからんできてくれました。

 

「あれ?北村くんってこんなに明るい人だったっけ?」

と少し驚いたくらい、昔とは何か違う感じがしました。

 

 

ミニバスの頃から憧れていたとか、

懐かしい話をしながら盛り上がって、

お互い別の人と飲んでいたので席に戻る。

 

「今度、ご飯でも行こうぜ!話そうよ!」

と言ってくれて、

「北村くん、あれから何してたんだろう?」

と思っていたら、即ラインを交換することに。

 

 

そして、次の日には本当にご飯に行きました。

 

この行動の速さにも驚いたし、

10年ぶりに会った後輩を即ご飯に誘ってくれて、

素直に嬉しかった。

 

「また今度ご飯行こうぜ」「また今度飲もうぜ」

と言って、また今度がずっと来ないことってあるあるだけど、

そういうことを言って、ちゃんと言葉の通りにまた今度をすぐ作れるところもいいなぁと思ったり。

 

 

ご飯は、イタリアン。

 

僕の双子の弟も一緒に、

ミニバスの頃の話をしていたりしたら、

やっぱり気になるのは、北村くんの高校中退後。

 

 

ここからは北村くんストーリー。

 

 

・・・

 

北村くんは、ミニバスの頃からバスケが上手くて、

後輩たちの見本としてよく監督に紹介されていたし、

中学に入っても「魅せるプレー」をよくしてくれる人でした。

 

パスがとにかく上手くて、

「北村のパスミスは周りがついていけてないだけだ」

と、僕の恩師の平林さんはよく言っていました。

 

だから、高校はバスケをするために強豪校へ。

 

 

でも、これが北村くんにとっては、

人生の「闇」の始まりだったのです。

 

北村くんのプレースタイルは自由気ままに独自の発想で型に囚われないプレーをするので、

当然、リスクが高いこともするし、強豪校という競争率が高い環境の中ではなかなか発揮することができず。

 

当時のバスケに北村くんは合わず、

自分の良さを我慢してプレーを続けて、

そのことについてずっともやもやしていました。

 

そして、結局、部活を辞めて、

そのまま居場所を失って中退。

 

 

「自分にとってバスケってなんだったんだろう。これから何をしていけばいいんだろう。こんな中途半端な終わり方をしてしまって何が残るんだろう。何のための高校に入ったんだろう。自分って何ができるんだろう。…」

 

高校を中退した後の北村くんは、

引きこもりになって、自己嫌悪に陥って、

どんどん自分のことを傷つけていきました。

 

僕からしたら、憧れの北村くんが

高校でそんなことになっているとも知らなかったし、

今の明るい北村くんからは全く想像できない過去。

 

 

その後、北村君は、

 

「このままだとまずい…チームスポーツはもういいや!」

 

と思い立って、格闘技をすることになったらしい。

 

 

理由は、根性をたたきなおすため。

 

 

そして、色々と調べて、

県外の格闘家の元で修行をしながら、

バイトをしながら一人暮らしを始めることにしたそうです。

 

毎日4時間の稽古。

 

一人目の弟子だったこともあって、

師匠は気合入りまくりで稽古の毎日。

 

 

・・・

 

あるとき、北村くんは意識を失ったのです。

 

 

キックやパンチをもろに食らって、

脳内で血が出て、なんちゃらという病名のやつで、

吐いて吐いて、意識を失って、気づいたら救急車の中。

 

後で調べてみると、

その病気になったボクサーは多くて、

ほとんどが命を落としているか後遺症が残っているほどの大怪我。

 

しかも、診てもらった病院は、

手術の失敗も多いという噂の病院…。

 

 

その病気になって、しかもあの病院だから、

同じ稽古仲間たちは、「もうあいつはダメだ」って思っていたらしい。

 

それを笑いながら僕らに話す北村くん。

 

 

でも、北村君は奇跡的に復活。

 

ほんとに奇跡的だったらしい。

後遺症も残らず、普段どおりに生活できることに。

 

「良かったねぇ北村くん!奇跡じゃん…笑」

と僕らはその後、北村くんが整体師になったんだと思ったら、

まさかのまた格闘技の世界に戻るという。

 

「そんな大怪我したのに…笑」

と二人で笑ってました。

 

それくらい根性をたたき直したかったみたいで、

また同じ場所に戻ったら遠慮されてしまうと思って、

別の場所に引っ越して、また格闘技をやることに。

 

 

そして、そこでも稽古の日々。

 

 

そんなある日、

調子に乗って、格闘家がつけなければいけないものをつけずに稽古をしていたら、

男にとって最も痛いところに相手の攻撃をモロに食らう。

 

この時の様子は、北村くんの文字をそのままどうぞ。

(ブログ記事より転載)

 

「オスを失う事を覚悟する位の吐き気と激痛を下腹部に感じたのでした」

 

・・・

 

 

で、ここからが大きな人生の転機。

 

暗闇と激痛の中、やっと意識が戻ってきたら、

「ちょっと身体だけ起こして」

と、格闘家の師匠の人から言われる。

 

すると、師匠は背中に何回か刺激を入れてる。

 

 

 

その直後、

 

なんと、意識を失いかけていたのに、

視界が晴れて、下腹部の激痛が和らぎ、

すぐに普通に会話ができてしまったらしい。

 

 

 

北村くんは、師匠にすぐに聞いた。

 

「い、今のは何なんですか???」

 

 

 

師匠の返答。

 

「これは武道救急法、整体だね!」

 

 

 

 

 

・・・こうして、バスケ部を辞めて、

自己嫌悪に陥り、格闘家を目指して、死にかけ、

金的を食らったことがきっかけで、

 

北村くんは、今の「整体師」という職業に辿り着きました。

 

 

「自分はバスケで中途半端に終わったことを後悔していたし、その後悔の気持ちを晴らすために何かを壊すことをしていた。でも、整体師の人たちは、壊れているものを直す。元の形に戻す。それで、その人の生活も良くなれば、関わる家族も仕事関係の人も全員に良いエネルギーが循環していく。それを見て、整体師になろうと思ったんだよね。だから、自分のきっかけは『金的をくらったこと』なんだよな(笑)」

 

と、笑顔で言っていた。

 

 

本当に北村くんは、昔とは変わっていて、

10年もあれば当然人は変わるものだけど、

それでも、昔からは想像できないくらい何というか、

明るくて温かいエネルギーがある感じ。

 

 

やっぱり、深い闇を経験して、

それを統合できた人のエネルギーは凄い。

 

それだけ死にそうな体験をしているから、

今の整体師という仕事に対する気持ちが全然違うし、

何か一つに固執しない視野の広さももっていた。

 

 

ハワイに研修に行ったこともあるらしい。

 

人体を自分で解剖して、筋肉や骨の動きを観察して、

そこに集まった色んな業界の人たちと意見交換をする。

 

そんなこともしているらしい。

 

 

北村くんにとっては、

バスケ部を辞めたこと、学校を中退したこと、

自己嫌悪に陥っていたこと、格闘家を目指したこと、

救急車で運ばれたこと、また別の場所で格闘家を目指したこと、

調子に乗ってファールカップをつけていなかったこと、

・・・

全部が今に繋がっている。

 

 

映画とか漫画みたいに。

 

聞く話聞く話が面白くて、

それを面白くしていたのは、

闇の時期だったり、下腹部の激痛だったり(笑)、

そういった一見、良くなさそうに見える経験。

 

 

北村くんは、整体について、

「自分がやっていることは何もない。みんな凄い身体を持っていて、それにただ気づかせているだけ。それに気づけたら整体師はいらない。元の状態に戻せたらそれが一番。バスケだって、みんな好きで始めてるのに、メンバー争いとか上手い下手とかそういうので忘れていっちゃうよね。整体と同じだよ。もともと、みんながもってるものを引き出すスポーツや整体が一番だよね」

と言っていた。

 

 

最初に出会った格闘家の師匠はこう言っていたらしい。

 

「格闘家なんて狭い世界だからな。これに人生をかける必要はない。もっと面白い世界はたくさんある。世界は自分が見たいようにしか見えない。だから、自分が『面白くない』と思えば、見えるものは何でも面白くなくなる。『面白い』と思えば、見たものは何でも面白くなる。格闘技が全てじゃない。色んな世界を見ていけよ。」

 

 

当時、自己嫌悪に陥っていて、

バスケをしていた自分を否定していたり、

先が見えなかった北村くんにとっては、この言葉が衝撃だったらしい。

 

 

「自分で自分を痛めつけているだけだったんだ…」

 

そう気づいたから、視野が一気に広がったと言っていた。

 

その格闘家の師匠は、全日本の大会で優勝していたりと、

凄く実績や実力がある格闘家だったんだけど、

最初に言っていたのは「格闘技なんてちっぽけなもの」という言葉。

 

 

その人は強いからこそ、本質が見えていて、

何事も広い視野で見ることができてるのかも。

 

 

そんな北村くんは一人で整体を経営。

親は70歳になっても新しい事業を始めようとするくらいの行動力のある人で、

今まではステーキ屋を経営していて、今は北村くんの兄貴が継いでいるらしい。

 

北村くんの整体には、遠くから常連さんが来て、

「腰を痛めてしまったから、今から診てほしい」

と車を三時間走らせて来る人もいるらしい。

 

それは、北村くんの施術を受けにというよりも、

たぶん、北村くんが経験してきた壮大な物語から生まれる雰囲気とか言葉とか、

そういったものからエネルギーをもらえるからなんだろうなと思います。

 

 

西洋の医学は、局所的な対処。

肩が痛いといえば、肩に湿布を張って、

肩に電気マッサージをして、一時的に症状をなくす。

 

でも、それは根本的には治っていない。

 

東洋の医学(北村くん)の場合は、

肩が痛いといえば、首や腰などに原因がないかを探り、

普段の生活や心の状態に問題がないか話を聞く。

 

北村くんは、肩には触らないらしい。

 

原因は肩以外のところにあることがわかっているから。

 

そして、肩を触らずとも、

肩の痛みをとって根本的に治す。

 

 

日本(東洋)の良さは、全体を見れること。

 

全体を見れるということは、

色々なものを繋げることができるということ。

 

全体を見れるから、本質も見えてくる。

 

 

だから、北村くんは、整体の話をしていても、

それを「バスケと一緒だ」といって繋げることができる。

 

身体と心は繋がっている。

 

これが東洋的な考え方で、

胃が痛かったらストレスがあるかもしれない

と考えるような感じ。

 

 

今のバスケ界には、闇といえるバスケもある。

 

怒鳴っているだけの指導や自由ではないバスケ。

勝つことだけを求めて子供心を忘れているバスケ。

 

そこから挫折して、スラダンの三井のように、

過去の闇を隠すために道を踏み外してしまう人もいる。

 

バスケで否定されてしまったら、

そこから自分に価値がないと勘違いしてしまう人もいる。

 

 

でも、そんな時期があっても、

その挫折とか道を踏み外した経験が

実は後々の何かに繋がっていくことがある。

 

 

・・・

 

そんなことを北村くんの話を聞いて思いました。

 

物語を面白くするのは、

挫折や失敗や闇の時期だったりする。

 

 

最近は、映画なんじゃないかと思えるほどの

大きな闇と光を経験したとあるバスケ部を間近で見たりと、

いろいろと面白い物語を見ています。

 

やっぱり闇を統合できた人のエネルギーは凄い。

 

その部活動の話はまた別の場で。

本当に生徒も指導者も素晴らしい関係でした。

 

 

北村くん、ミニバスの頃と変わらず、

自分にとっては憧れの存在でカッコいい大人でした!

 

 

 

PS.

その後、また北村君とご飯に行ったんですが、その時もいろいろなことが繋がって「結局、全部繋がっているんだよな」という話に落ち着きました。これは漫画『鋼の錬金術師』の中にある言葉「一は全、全は一」という言葉だし、古くからある言葉だと「全ての道はローマに通じる」とかになるのかなと思います。これがいわゆる、「本質」とか「真理」とか呼ばれるぼんやりしたもので、いろいろな物事や分野を繋げて見えてくるDNDみたいなものです。

近々、そういったことを深めていく企画を始めようと思っています。漫画や映画や人生に共通する「神話」という視点を深める企画で、この視点があると今回の話した北村君の物語みたいに、「全てが一つに繋がっているんだ」という感覚を得られます。この視点があると、漫画や映画を見るときの視点が全く違うものになって、自分の人生をどのように進めていけばいいかが見えてきたり、誰かを教育することにも繋がります。神話というのはギリシャ神話という言葉で知っていると思うんですが、それをただの知識とか抽象的な概念で止めるんじゃなくて、漫画とか映画に活かしながら現実世界で活かせる形で学んでいく場を創りたいなと思っています。

なんで、こういった場を創るかというと、教育をする上で「物語」について学ぶことは必ず必要だし、これからの時代は人工知能とかが発達していくので、より「人間らしさ」みたいなものが重要になるからです。それを見つけるために「神話」という視点を学ぶことはとても面白いし、これは学校教育で習わないけど生きる上で誰もが一度は学んだ方が良いと思えるものです。僕はこれを情報発信を通して学びました。この視点は情報発信だけじゃなくて、普段の生活でも、教育でも、何でも応用できると感じているので、これを漫画や映画を楽しむ感覚で学べるようにしたいと思っています。

 

バスケットボールの発信は、情報発信仲間の二人がしてくれていて、僕の中ではバスケットボールから離れて、次のステージに進む時期だと感じています。バスケの発信は発信で続けていきますが、バスケ以外の分野、僕が情報発信をし始めた時から伝えたかったことを今年はどんどん発信していこうと思います。今回の神話の話はここでは説明しきれないのでまた別で話します。またブログをチェックしてみてください!


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