こんにちは、原田です。

昨日は福島のU18男子チームを指導させていただきました。


3時間(1コマ)の枠で、

・プリンストンとは何か?
・バックカットの基礎(Dribble at)
・1on1~3on3の崩し
・5on5(Chin)
・エントリー、ボール運び

を伝えたのは初めてでした。


昔の僕なら「3時間でプリンストンは伝えられない」と思っていましたが、
今は様々なカテゴリー、チームでの指導経験を経て、3時間でも概要と土台を伝えられるようになりました。

福島での指導については、後半でお伝えしますね。

 

さて、前回のメルマガでお伝えした「ジョン・パトリックさん」の講習会について。

僕の学生時代を支えてくれた本
『プロが教えるバスケットボール』について
今日は詳しくお伝えします。


前回のメルマガに対して、返信をいただきましたので紹介します。

メルマガ、10年やっていますが、
こうやって返信をいただくことで、僕にないアイディアを教えていただけるし、
「コミュニティ」として、みんなで成長し、共に創っていける関係性が本当に有難いです。

メルマガならでは、ですよね。

これからもメルマガを一番大切にしていきます。


まずはノリさんから。

===ここから===
素敵な文章をありがとうございます。
とても整っていますね。
文章ではなく、原田さんがです。
AIはもちろん便利ですが、血の通った文章を読み書きできると生きている感じがしますね。

バスケ人生に影響を与えた本は、『ポリヴェーガル理論がやさしくわかる本』です。
何にも関係なさそうですが、自分が整っていて(シュートが入る、技術が上がる)他の人と一緒に整う(駆け引き、チームワーク)ことはバスケの上達であり、楽しさなのかもと思い始めています。
プロでもアマでもないので、バスケ人生以前に自分の人生がぼちぼちいけてるといいなと思っています。

引続き応援しています!
===ここまで===


ずっと昔から読んでくれているノリさん、ありがとうございます。

AI、今はすごいですよね。

僕は過去の自分の活動の全て(メルマガや直接指導のアンケート結果など)を自分のデータボックスに入れていて、
それを元に、情報を整理したり、発信や新企画の叩き台を作ったりと活用しています。

今はSNSでAIの動画や画像、時に「文章」も溢れています。

本当にすごい質ですし、要約など人がやるよりも圧倒的に速くて効率的です。
(使われる側はなく、”使う側”になりましょう)


でも、

”すごいんだけど、何か違う”

と感じている人も増えているんじゃないかなって思います。


僕は「スポーツ」の価値は、AI時代こそ高まっていくとずっと前から思っていました。

なぜなら、スポーツには”人間にしか出来ないこと”が詰まっているから。


そもそも、AIは「感情」がありません。

過去のデータから最適解を導くことは人間をもはや超えていますが、
感情がないので、言葉(文字)の奥にある”意図”や”想い”は読み取れません。

あとは、「体」がないのもAI。


僕はスポーツの価値として、以下の3つを自分の中で定義しています。

1. ご縁の広がり
2. 感情の解放と共有
3. バスケの課題=人生の課題


バスケットボールがなかったら、僕の人生はどうなっていたんだろう。

バスケをしていたから出会えた人、数えきれません。

皆さんもそうだと思います。

バスケットボールは人と人を繋ぐツール。


でも、スポーツは「競い合い」が前提にあるので、
どうしても人と喧嘩して仲違いしてしまうこともあります。

僕はそれはとても”もったいない”と思うので、
引退後も、バスケを辞めたとしても、人生で関わっていけるような、
そんな人間関係(和)を創るバスケットボールを伝えていきたいと思います。


そして、僕が指導の際に一番大事にしていること。

それが「感情の解放と共有」です。


僕が初めてコーチになったのは、2016年10月。

母校の女子大学生チームの子から声をかけてもらい、
初めて「指導者」としてチームを持つことになりました。

※その母校の女子大学生チームで「プリンストン」を実践しました


で、その最初の練習で思ったのです。


「ロボットのような子がいる」

と。


技術的には、とてもいいものがある。

でも、何か”形だけ”だったのです。


走ることもできる。

ターゲットハンドも出せる。

でも、キャッチができない。


ドライブもシュートもできるのに、何か「魂」が抜けている感じ。


「形は綺麗だけど、中身が空っぽ」

そんな子でした。


そして、僕が話しかけても、
とても素直で真っ直ぐなんだけれど、

何か「感情」が見えない。

「意思」がない。


まるで、本当に「ロボット」のようだったのです。


でも不思議なことに、

「練習を終えたら人間に戻る」

という子でした。


人を笑わせる才能がありました。

周りの人に気配りができる。
重たい空気を和ませられる。

そんな素晴らしい個性を持った子でした。


なのに、バスケのコートに入ったらロボットになる。

 

これ、どういうことだ??

 

僕は謎でしたが、一つ思い当たることがありました。


「たぶん、この子は高校生の頃に”やらされた練習”が多かったんじゃないか。
コーチを恐れて、顔色を伺いながらプレーしていたんじゃないか」


聞いてみました。

 

僕の予想は当たりでした。

 

彼女は、こう言っていました。

「高校生の頃、ベンチから試合に出ていたんですが、一つのミスをすると交代だったので、いつもミスが怖くて縮こまっていました。自分の意見を言う機会はなかったし、言える空気でもなかったです」

「名前を呼ばれると、固まっちゃうんですよね。必ずその後に指摘されて怒られるから」

 

やっぱりそういうことか、僕は思いました。


何か、彼女のプレーを見ていると、


「私、走ってます!(だからボールが取れなくてもいいですよね)」

「私、ちゃんとターゲットハンド出してます!(でもボール取れない時もあります)」

「私、ドライブしてます!(シュートが入るかどうかよりも強く行くことが大事ですよね)」


・・・そんな裏のメッセージが聞こえてくる。


そんなプレイヤーでした。

 

うわー、なんだろう、

この文章を書いていると
目頭が熱くなってしまいます。

今、東京のカフェにいるのでここでは泣けないですが心の中で泣いてます。


あの頃の、あの子を思い出すと、
何か自分の感情が揺れ動くものがあります。

これは理屈とかじゃない、まさに「人間らしい反応」ですよね。

 

その子は、バスケットボールをしている時、
「形だけ(私やっていますアピール)していればいい」
というプレイヤー、人になってしまっていたのです。


僕は、彼女がそうなっている原因は過去の指導にあるのではないかと勘付きました。


なぜか。


それは、僕自身がかつて、そういう指導をしていたからです。

いわゆる「支配的な厳しい指導」です。


指導者として、ではなく、プレイヤーとして。


高校時代、誰よりも勝ちたかったから。
誰よりも自主練をしていたから。

自分と同じスタンダートを求め、
「全員が自分と同じだけの努力をすること」
が勝利に近づく道だと本気で思っていました。

自分と同じだけ走れる、自分と同じだけディフェンスができる、シュート練習をする。


その頃の僕は「個性」というものを考えず、
みんなが自分と同じように、と考えていました。

キャプテンとして、それを求めていました。


その経験があったから、
僕は、あの子の過去が見えました。

※僕の高校時代のチームメイトたちはみんな本当にいいやつで、本気でバスケに向き合ったからこそ今でも仲良しです

 

その「ロボットだった子」には、こう話しました。

「過去の指導者が悪いとかそういうことじゃないよ。高校生の時もチームメイトたちと楽しい時間を過ごせたと思うし、指導者も信念と想いがあってのことだったかもしれない。僕はその場にいないし、その指導者の方ではないから分からないし、悪く言いたくはない。
でも、そのおかげで、今、まだバスケットボールを続けているんじゃないの?その過去がなかったら今のチームメイトにも会えてないかもしれないよね。
高校時代のおかげで今がある、と思えるような大学バスケにして行ったら、高校に戻った時に先生に『あの時のおかげで』と感謝できるんじゃないかな」


それから、その子は本当に大きく成長しました。


引退した時は、
「◯◯が間違いなく一番成長した」
と、同期から言われていました。

僕もそう思います。


感情を表に出せなかった子が、
自分の気持ち、意見を言えるようになり、
チームメイトと喜び、泣けるようになった。


僕はこの成長プロセスを間近で見て、

「スポーツの価値とは何か?」

を教えられました。

 

今、様々なチームを見ていますが、
感情を解放できない、表現できない子が多い。


もちろん、感情的になって怒るとか、
審判に不平不満を言う、チームの和を乱す行為は良くないし、
そういう「感情の解放」は全く求めていません。


そうではなくて、

純粋に「喜ぶ」「悔しがる」
ということをする子が少ない。


いいプレーがあったら喜べばいいじゃん。

ミスをしたら「ごめん!」ってチームメイトに言えばいいじゃん。


ハイタッチとか、「ドンマイ」と仲間の肩を叩くとか、
そういう「仲間とのコミュニケーション」を取れない子が多い。


そう、過去の僕のように。

ロボットだった”あの子”のように。

 

何のためにバスケをしてる?

そう聞かれて、答えられる子は少ないです。


でも、よく考えてほしい。

すごく重要です。


プロになるためにやってる?
それは素晴らしい目標ですよね。

健康のためにやってる?
それはきっと社会人から。

勝つためにやってる?
で、何のために?


極論、みんな

「楽しむためにやってる」

と思うのです。


それでいいと僕は思ってます。

本当は、もっと深く、ちゃんと、チームとして
「バスケットボールをする目的」を選手らの声でまとめることが大事で、
その方法も、大和籠球では伝えているんですけどね。

でもいいんです。最初はそれで。

最後までそれでも。


問題なのは、
その目的意識がないまま、
日々の練習をこなすことです。

もったいない。


スポーツができるだけ幸せな世の中です。

平和ですよね。

恵まれてるんです。


なのに、目的がなかったら時間がもったいない。

これは指導者の皆さんにも言いたいことです。


指導する目的、明確に持ってますか?

人に伝えられますか?選手に伝えてますか?

選手の目的を立てるサポートができますか?


目的なき指導は、選手に虚無感を与えてしまう。

時に、選手を支配(自らの承認欲求を埋めるためのツールとして使う)してしまう。


選手たちには、こう伝えたい。

もっと喜んだらいい。
楽しんだらいい。

ミスをしても一人で下を向かない。

チームメイトにごめんと一言いえばいい。
次のプレーで取り返したらいい。


僕は指導する時、
「感情の解放と共有」
をテーマに臨んでいます。

僕も楽しもうと決めてるから楽しむ。

選手の成長に拍手を送る。
ミスになってもチャレンジを褒める。
ハイタッチや指さしの意味と使い方を伝える。


皆さんが、指導する”目的”は何ですか?

バスケットボールの指導、楽しんでいますか?


僕は、あのロボットだった子が、


・・・

と文章を書いていたら、カフェを出ないといけない時間になってしまいました。

今日は午後から「和導(和導者育成事業)」の0期生に、
「直伝(リアル指導)を行うため、東京に来ているところです。


・・・

和導の直伝、終わって今帰りの電車です。


「和導」は、武学籠球の慎さんと共に昨年末から始めた新しい事業。

暴力/罵声の時代を超えて、
「志」をもとに選手とチームを導き、
選手と指導者が”共にある(和)”関係へ。

「教育」「指導」の先にある、「和導」の道を、今、0期生の皆さんと共に創っています。


今日もとても素晴らしく、重要な学びが詰まっていました。

これについても書いたら、
さらに長くなるので、今日はこの辺で。

 

元々書こうと思っていた事と、全く違う内容を今日は書きました。

めぐ(ロボットだった教え子)の話をするつもりは、全くなかったんです本当に。

でも、手が勝手に動いて、
勝手に次の文章が打たれていって、

今日はこんな文章になりました。


きっと、これが読者の「ノリさん」がいう「血の通った文章」なのだと思い、このまま今日は送信します。

時間も過去一遅いですが、今日このメルマガは送った方がいいと感じるので送ります。
(きっとAIに相談したら却下されたり、文章を省略されていたことでしょう)


AIに使われず、AIを使う側に。

AI時代だからこそ、本当に大切なことを思い出して。

人間にしかできないスポーツを、最大限楽しみ、共に成長していきましょう。

 

それでは今日はこれで!

 

 

追伸

昨日の福島での指導(U18男子)も、とても面白い時間でした。

大和籠球プリンストンについて、また明日メルマガ書きますね。

あと、ジョン・パトリックさんの書籍で僕が実践していたこと、
バスケットボールの特性、ボールハンドリングの重要な話もまた次回に。


今日のメルマガ、
めぐ(教え子)の話は思い出しながら、
ほんと、自分の中で込み上げてくるものがありました。

バスケットボールの価値、大和籠球プリンストンの価値は、
体験した選手たちの変化や声が一番物語ってくれているなって思います。


めぐ(教え子)にインタビューした内容はこちら。

お時間あれば、ラジオ感覚でお聞きください。

◆バックカットインタビュー
「私を人間に戻してくれてたもの」

 

 

追伸2

バックカットインタビュー、どれもとても面白いし学びになります。

大和籠球、プリンストンをまだ経験していない場合、
もし今壁に当たっている場合は、まずは体験者の声をお聞きください。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLrRMM0L0tNYNQa0ggT7n-Q7OUBezd8dwP

投稿者 原田毅

大学一年生の冬にNBA選手のスペーシングの凄さに気づいてから、NBAから戦術やバスケの本質を学ぶようになりました。その後、NBAの凄さを学ぶ中で「日本」について知らない自分がいることに気づき、武術の世界を学ぶようになり、今は武術をバスケに応用する考え方を学んでいます。現在もプレイヤーとしてプレーを続けながら、ネット上では通信講座などを運営しています。

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