こんばんは、大和籠球の原田です。
僕は高校バスケの引退試合の後、
「もうバスケは辞めよう」
と思いました。
昨日のことのように覚えています。
もし、あの時、僕がバスケを辞めていたら、
今こうして文字を書いて発信していなかったと思います。
「大和籠球」は生まれていなかったと思います。
もしあの時やめていたら、今、僕は何をしているんだろう。
何者でもなく、ただ人生の迷子になっていたかもしれません。
なぜ、あの時、僕はバスケを辞めようと思ったのか。
そして、なぜ今も続けているのか。
・・・
最後の試合に負けた後、僕はこう感じました。
「もうこれ以上、バスケは上達できない」
引退試合、目標としていたベスト4には届きませんでした。
20点差以上で敗退。
高校時代の僕は、空いている時間のほぼ全てをバスケの練習に費やしていました。
朝6時前に起きて、始発に乗り、
6時半からドリブル練習とシューティングを2時間。
朝早いので10時半〜の20分休憩で早弁。
昼休みも体育館でマイカンドリルをする時もありました。
部活も一切手を抜かず、自分を追い込んで、
部活後は筋トレやシューティングで終電ギリギリまで練習。
途中からは終電よりも長く練習をしたいという理由で、
自転車通学をして、21時ギリギリまで体育館で練習するようになりました。
・・・というくらい練習しまくっていた高校時代。
自分の中では「もうこれ以上、練習できない」と思えるくらい追い込んでいました。
(周りからは、「Mr.ストイック」と呼ばれていました。ある意味、バスケに依存していたと思います)
でも、目標に届かず。
当時の僕は「個人としてどれだけ得点をとってチームを勝たせられるか?」ばかり考えていました。
試合に負けた後、とても優しくて熱いチームメイトが涙ながらに「ありがとう」と言って声をかけてくれました。僕は周りにもとても厳しいキャプテンだったので、みんなが最後まで付いてきてくれたことに感謝の気持ちをもっともっと感じるべきだったのですが、負けた後に思っていたのは、
「もうバスケは辞めよう」
という虚無感でした。
「これだけ努力しても活躍できないなら、自分には才能がないんだな」
「もうバスケはやり切った。これ以上、練習できることは人生でもうないだろうし、バスケを辞めて全く別の新しいことをやろう」
・・・
でも、今、僕はバスケをしています。
バスケ教える立場になって、
バスケの情報発信をしています。
高校生の頃の僕は知らなかったのです。
「バスケットボールは1人では限界がある。でも、5人で協力してプレーしたら可能性は無限に広がる」
ということを。
今、僕が伝え続けている「バックカット」とは、5人で崩すチームプレーです。
1人でバックカットをしたとしても得点は取れません。
パスを出してくれる味方、
ゴール下のスペースを作ってくれる味方がいて、
初めて成功する。
そして、1人では崩せない強いディフェンスも、バックカットがあれば崩せます。
僕は、バックカットを通して、チームプレーの楽しさを知りました。
バックカットを通して「パス」を知り、
「バスケットボール」の奥深さを知りました。
高校時代の僕にとっての「試合」というのは、
「厳しい練習の成果をどれだけ発揮できるか?」
という場でした。
そこにあったのは「個人としてどれだけ活躍してチームを勝たせるか?」という視点。
「チーム」という意識が、ほとんどありませんでした。
もし、当時の僕が、
「なんでそこまでした勝ちたいの?」
と聞かれたら、こう答えていたと思います。
「だって、勝ちたいんだもん」
答えになってないですが、
理由なんてあるか!って感じでした。
目標はあっても”目的”がなかったのです。
ここ最近、大和籠球のチームセッション(直接指導)をした後、
学生たちにアンケートを書いてもらっています。
その感想の一部に、こういった声があります。
「水のように流れるようなバスケで楽しくてずっとしてたくなる」(長崎)
「2日間練習が始まる前は、2日もあると思っていたけどあっという間に過ぎてしまってもっと教わりたいと思いました。」(東京)
「原田コーチの練習メニューはとても楽しくてもう少し長い時間練習したかったです。」(長野)
「毎回の練習できて欲しいぐらいとても楽しい時間でした。」(鹿児島)
「ほんとに楽しくてまだまだたくさん学びたかったなって思いました。自分のプレーの幅が広がり仲間を活かすプレーの楽しさを知れました。」(長崎)
「バスケでこんなにも時間が早く思ったのは初めてでした。やることは難しいけど説明がわかりやすくて、実際にできたのでとても楽しかったです。バスケ以外でも礼の仕方や思いの事を聞いて、とても意識するようになりました。とてもおもしろかったです。ありがとうございました!」(東京)
「力はあまり要らずにディフェンスを見て駆け引きすることで沢山のズレができて誰でも攻めれるチャンスがありとっても面白かったです!これからはナイスプレーが出た時にもっと指さしやコミュニケーションを増やし、仲間との連携を大切にしていきたいです!」(長崎)
「チームメイトとの連携が上手くいった時の楽しさはすごいので仲間とのコミュニケーションを積極的に取るようにします」(大阪)
「これからのバスケットでこの考え方を体に覚えさせて、楽しくバスケをプレーしていきたいと思いました。今回は本当にありがとうございました。」(鹿児島)
「今までのバスケットとは違ってボールマンが孤立することが減り、パス回しのテンポが良くなり攻めやすくなり楽しいバスケットができました。高総体まで残りわずかですが少しでも良いプレーを生み出せるよう仲間と頑張ります。」(長崎)
「2日間ありがとうございました。色々な練習を通して、やっぱりチームスポーツこその楽しさというものをすごく感じられました。3つの間、これからも大切にしたいですし、間を違えてしまっても大丈夫、成長できると思ってバスケットに取り組みたいです。」(東京)
「チームで一つの作品(得点)をつくることを今後も大事にしていきたいと改めて感じました。」(東京)
「仲間がいるこそ楽しいバスケ」(淡路島)
「私たちの気持ちに寄り添いながらバスケットボールを教えてくれて嬉しかったです。久しぶりに心から楽しいと思えるバスケットボールができました。ありがとうございました。」(埼玉)
「今回の練習は高校に入って1番楽しかったです!オフボールの動きがよくなって全員で戦ってる感じがして楽しかった。また原田さんのバスケを教わりたい。」(長崎)
「ご指導頂き本当にありがとうございました。狙い所が増えて、これはどうかな、あれはどうかなと試すのがすごく楽しかったです。「バスケ」を楽しめて幸せでした!これからもっともっと自分たちで選択肢を増やして1試合でも勝つ試合を増やして行きたいです!」(長崎)
「原田さんお忙しい中、一日中ご指導して下さりありがとうございました。私は、3間(時間・空間・仲間)やスクリープレーやダイブの仕方、1人で頑張るのではなく、仲間と共に頑張る大切さなどたくさんのことを知りました。今日の練習を活かし、明日は動き続けて、ずれを作り、フィニッシュまで行けるように頑張ります!」(淡路島)
・・・
どの感想も本当に嬉しいです。
感想の中には「原田さんの練習ドリルは」という言葉があり、とても有難いけれど、
僕の練習ドリルが楽しかった、僕が指導したから楽しかったというわけではありません。
”仲間とつくるバスケットボール”だから、今までとは違う楽しさを感じられているのだと思います。
それは僕がいなくても、”みんなで創っていける楽しさ”です。
バスケットボールは、個人の技術力も大事です。
最終は1対1でシュートを入れることになるし、
一人ひとりの意思や基礎力が最後は勝敗を分けます。
でも、一人では感じられない面白さ、辿り着けない場所があります。
僕は大和籠球を通して伝えていきたいのは、
学生たちの感想にあるような「チームの和」です。
そして、できれば、こんな気持ちで試合に臨んでくれたら嬉しい。
「まだまだ、このチームでバスケがしたい」
「このメンバーで、もっと試合がしたい」
ただ活躍したいから。
その意思は勝利のために大事だけれど、
どこか”虚しさ”を感じてしまいます。
ただ勝ちたいから。
スポーツにおいて勝利は最高のご褒美で目的がなくても目指せるけれど、
「チームの和」を一度体験したらバスケの楽しさが全く違うものになります。
ここ数日、過去10年の活動をすべてデータ化して「資産」としています。
これは単に、僕のための資産ではなく、
今後、大和籠球を学ぶ指導者、体験する選手の皆さんにとっての資産です。
その中で、教え子が書いてくれた「大和籠球(プリンストン)」の感想が見つかったのでシェアします。
===ここから===
今までミスをしたら責められたり、落胆されたりしてきて、1つミスをしたら交代、メンバー落ちという環境の中でバスケをしてきたので、まず「バスケはミスのスポーツ」だという考えが素晴らしいと思いました。ミスをしても誰も責めることなく、お互いに讃えあえる関係のチームにいれるこの毎日がとても貴重な時間に感じています。 バスケは今年で9年目になるのですが、バスケを心から楽しむ感覚、遊ぶ感覚、ミスをも楽しめる感覚、味方の動きが手に取るようにわかる感覚はプリンストンをやってから初めて知りました。走る練習やDF練習も必要であるとは思いますが、こういう感覚をもっと長くするため、OF回数を増やすため、1試合でも多く試合をするためだと思って取り組むのと、漠然とやらされるのとでは全く違うと感じます。 全国の部活生にこの楽しさがもっと伝わってほしい、一緒にバスケやったらもっとバスケを好きになるのにと心から思いました。(なので、もっと広めてください!)
大会で私たちのバスケを多くの人に伝えて、賢者になりたいと思う人が1人でも出てもらえるようあと3ヶ月存分に楽しんで、試合に臨みたいと思います。ありがとうございました!
〜〜〜
こんなにバスケが楽しいと思ったのは人生ではじめて、ってくらい楽しかったです。これまでは頭を使ったプレーや、見てないところにパスを出すことなどはできないと思ってました。でも動画を見て、ミスを恐れないで思いっきりやってみて、少しは理想に近づけたのではないかと思いました。これからもっと上手くなって見ててもやってても面白いと思えるバスケがしたいです。このバスケがまずは日本全国に広がるといいなと思います。こんなにいい合宿ができたのは支えてくれる人達がいるからということを心から実感しました。本当に楽しかった。ありがとうございました。
〜〜〜
私はいままで、オフェンスがあんまり好きじゃありませんでした。なにをすればわからないし、相手の動きを見て動けばいいディフォンスの方が楽じゃんって思ってたほどでした!この動きをしたら味方はこう動くとかの共通意識があんまりなかったから、相手にどうしてほしかったとかも分からなくて言えずに、ただシュートとか1対1のスキルを高めるだけで10年くらいバスケをしてました。プリンストンをしてから、ほんとの駆け引きを知って、オフェンスが大好きになりました!みんなが糸で繋がってるイメージができたのは本当に初めてで、オフェンスに切り替わったらなにをしようかわくわくするほどになりました!この合宿はほんとになんか、楽しかったとか、勉強になったとかじゃ言い表せないくらい、いい経験ができたとおもいます!ありがとうございました!
===ここまで===
教え子たちの感想を振り返りながら、とても温かい気持ちになります。
この感想は、プリンストンを体験して1年目のもの。
学生たちは、大会まで後少しという時でも焦ることなく、
ただただ「昨日よりも成長すること」だけを考えて練習していました。
僕はこんな気持ちでバスケをしたこと、学生の時はありませんでした。
今の「大和籠球」の原点は、ここにあります。
バスケはいつ辞めてもいいと思います。
バスケ以外にも楽しいことは山ほどあります。
バスケ以上に大事なこともあります。
でも、今、バスケをしている時間は心から楽しんでほしい。
バスケットボールはチームでつくる”一つの作品”のようなものです。
そして、本気で勝利を目指せば、
人生にも活かせる”何か”を得られます。
その”何か”は、人によって違いますし、後にならないとわかりません。
学生のうちにわからなくてもいいので、
今はただ今しかできないバスケを全力で楽しんで。
いいプレーがあれば仲間とハイタッチをして喜んで。
ミスをしても下を向かず、次のことを考えて切り替えて。
下を向いているチームメイトがいたら一言声をかけてあげて。
そう、学生には伝えたいです。
僕は、これからもバスケを辞めません。
「大和籠球」を伝えていくことが人生の役目なので、
関わる皆さんの視点を共有しながら、発信し続けます。
「もっとこのチームでバスケしたい」
「もっとこのメンバーでバスケがしたい」
そう、心から思えるようなバスケットボールがもっともっと増えるように、
「大和籠球」が全国のバスケットボールの教科書になるように広めていきます。
「バスケを続けてきて良かった」
そう心から思えるのは、たくさんの人たちと出会い、繋がれたからです。
まだまだ紹介したい学生の感想が山ほどありますが、今日はこの辺で!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
追伸1
過去10年分のデータを資産として蓄積しています。
また、自分の指導動画も文字起こしからデータ化して蓄積しています。
「大和籠球」は、”大きく和する”という言葉の通り、
関わる人の経験や知識を一つに合わせる(調和)バスケットボールです。
これまで関わった教え子、学生たち、指導者の皆さん、
そして、今、これから関わる多くの皆さんの知恵が詰まっています。
まさに「みんなで創るバスケットボール」です。
この「大和籠球」を創っていくことがとても楽しく、
人生を通してやり続けた先に、どんなバスケットボールになるのか。
僕自身、とても楽しみです。
皆さんとの時間の全てを「大和籠球」に含めていきます。
追伸2
大会前の学生に、今日書いたようなことを伝えました。
「3つの間」を大切に。
