ヨキッチがNBAで頭角を現してきた頃、僕は「プリンストン」と出会いました。
プリンストンと、ヨキッチの「ノールックパス」
これがとても相性が良くて、プリンストンのレベルを上げるためには”欠かせない技術”だと思い、
プリンストンを導入した初年度から「ノールックパス」にチャレンジしていました。
学生たちは、ノールックパスのことを「ヨキッチパス」と呼んで楽しんでいました。
ぜひ、映像ご覧ください。
もちろんミスもたくさんありましたが、
このパスにチャレンジしたことで、確実に「プリンストン」は進化し、バスケットボールがより楽しいものになりました。
なぜ「プリンストン」とノールックパスは相性がいいのか?
それは以下の理由からです。
・常にバックカットが中心にあるから
・味方の動きが手に取るようにわかるから
「視野」とは、生まれ持った才能だと思われがちです。
でも、「視野」は「学び」によって誰でも広げることができます。
それを選手たちがプレーで証明してくれました。
プリンストンは「型」があるので、
味方がどう動くかをあらかじめ知っています。
味方の動きがわかるから、ディフェンスだけを見ればプレーの判断ができるようになります。
ミスをしたとしても、
「ディフェンスがこの守り方ならパスが入らない」
という”経験”としてストックされていきます。
これが、何も共通理解のないオフェンスやバックカットができないオフェンスだと、「パスミス」が「視野を広げること」になかなか繋がりません。
・ディフェンスを見れば何をすればいいかが分かる(見える)
これが「型を取り入れる意味」です。
多くの人は「型=選手の自由を制限するもの」と捉えていますが、その指導者の思考が選手のプレーを制限してしまいます。
本来、「型」とは、
「チームの共通理解」であり、
視野を広げてくれる”ツール”です。
そして、プリンストン(オフェンス)のレベルを上げるためには「ノールックパス」は必須と言える技術なのです。
相手のディフェンス強度が高いほど、「ノールックパスでなければパスが通らない場面」が出てきます。
ノールックパスは、
・体の向き(目線)
で相手を騙す、一つの基礎技術です。
学生たちは、この時、バスケ人生で初めてノールックパスにチャレンジしていました。
でも、この半年間だけでも、これだけの素晴らしいパスが通せるようになりました。
もちろん、「ノールックパス」と「ただの雑なパス」は違いますし、その前に基礎力を上げることは必要です。
ノールックパスばかりでTOが増えたら本末転倒。
ミスをミスのままにしないことは大事です。
でも、それ以上に大事なことは、
指導者が選手に対して、ノールックパスにチャレンジできる”場”をつくってあげることです。
こういうパスに対して、「ふざけるな!」と怒鳴る指導をしてしまったら、その時点で可能性は広がりません。
大事なのは「目的」を伝えること。
そして、指導者が選手を信じて、選手と共に楽しむことです。
ノールックパスや駆け引きというのは、
指導者がつくる「場の安心感」から育まれます。
それがあれば、選手たちは安心してチャレンジできます。
・・・と僕が言うと、
「自分のことを棚に上げて偉そうに!大した実績もないくせに!」
と言われてしまいそうなのですが、
僕も、この「ヨキッチパス」を選手と共に学んだ一人でした。
僕にプリンストンを教えてくれた親友から。
彼が僕にプリンストンを教えてくれて、
「ノールックパスの可能性」を学生に指導してくれました。
今の「大和籠球」があるのは、間違いなく”彼”のおかげです。
その話はまた次回以降に。
今見返しても、この時のプレーは素晴らしいプレーがたくさんあり、大和籠球の軸が立ってきた今こそ、あの頃のプリンストンをより多くの人に伝えていきたいなと思います。
