【完全版】男子日本代表のオフェンスを「バックカット」を軸に解説

前回の記事はこちら↓

日本代表の方針とプリンストン

 

 

 

こんにちは、原田です。

 

今回は男子日本代表の試合を見て感じたことを

具体的なプレー解説を踏まえてまとめていきます。

 

あくまで僕の個人的な視点という事を前提に。

(プリンストン&バックカットの視点で思うことをそのまま書いてみます)

 

 

まず、この記事で伝えたいことは

・一緒に「大和籠球」を創っていきませんか?

という提案です。

 

大和籠球とは、大きく和するバスケットボール。

世界に通じるバスケットボールの雛形(モデル)の体系化です。

 

もしこの記事を読んで共感したり興味をもったらぜひ一緒にバスケを深めていきましょう。

(詳細は一番最後に載せます)

 

 

 

それでは、目次を紹介します。

 

 

Japan’s wayとは?

日本代表のバスケについて考える上で、大事なのは前回の記事でまとめた「日本代表の活動方針」を理解することです。

ホーバスさんと恩塚さん(今回は男子についての記事を書きます)が何を目指して、どんなチームを創ろうとしているのか。

 

そこを理解した上で試合を見ると、

どのようにチームを創っているのが見えてくるし、

同時に、今後の方向性や伸び代が見えてくるはずです。

(勝手ながら今回は僕なりに感じた課題と解決策を提案します)

 

まず日本代表が世界と戦う上で「Japan’s Way」というものを掲げています。

これはラグビーのエディジョーンズ監督の言葉を借りていますね。

これは東野さんが2020年6月27日に話していたことです。

 

これを聞いて率直に感じたこと、

バックカットとの繋がりについては記事でまとめています。

(一番下にリンクを載せておくので時間があれば見てみてください)

 

さて、この理念をどう体現していくのか。

 

この当時、東野さんは世界と比べた時に

「日本の武器はない」

と言っていました。

2016年の結論としてはそういわざるを得なかった、と言っていました。

 

これに関しては世界のトップと比べたらそう言えるのは納得ですし、

じゃあこれから何を創るかが大事になってくるという話なのですが、

 

武術・武学をやっている僕からすると、

「日本は数千年前の先人たちが残してくれた叡智を世界のどの国よりもうまく体現しているから、そこが強みになる」

と僕は感じています。

 

今の日本はワースト1位がいくつかあって(農薬の数、精神病棟の数、若者の自殺率など)、良くない面を見たらそういう風に見えてしまうけれど、

でも、「サムライスピリット」は世界から尊敬されていて、漫画・アニメ『NARUTO』が世界的に人気なところを考えてもそうだと言えます。

 

侍が身に付けていたこと、武術・武学というのは「体術」です。

 

つまり、頭でっかちではなく身体で身に付けていた術のこと。

なのでそれはスポーツにも応用できるところばかりなんですよね。

(詳しくは「武学籠球」の慎さんが発信しています)

 

あとは、日本は

「様々な価値観を統合する」

というのが世界一うまい国です。

 

「大和の精神」ですね。

 

・・・と、ちょっとこの辺は別の記事でまとめますね。

(スキルや戦術を考えるのと同じくらい、めちゃくちゃ重要なところだと思っています)

 

 

 

それでは、具体的に男子日本代表のバスケについてまとめていきます。

(今年の男子日本代表の試合は全部見て分析しています)

 

 

 

コンセプト

まず大枠をまとめると以下のような特徴があります。

・速く攻める
・一人ひとりの得意を活かす
・スリーポイントorゴール下のシュートを狙う

 

・速く攻める

明らかに男子日本代表の試合展開は速くなりました。

「身長で勝てない分、スピードで勝負(平面での勝負)をするのが日本が世界で勝つための道だ」というのは僕ら視聴者の中にもイメージがあるかと思います。どうしても身長の面では不利ですが、スピードを活かしたオフェンスをしたらチャンスを創ることができる。ホーバスさんは「日本人の強み=速さ」と認識していて、シュートを入れられた後の切り替えがとても速くなりました。結果、ブレイクで得点を取るシーンは今までよりも増えています。

特に河村選手はスピードを武器にしている選手なので生き生きしていますよね。福岡第一の頃のようにコートを縦横無尽に動き回ってアシストを量産しています。このコンセプトが河村選手にフィットして、チームに大きな流れを創っているのは誰の目にも明らかです。ここはとても大きく変わったところですね。

 

・一人ひとりの得意を活かす

これも明らかに変わった点です。

ホーバスさんのことを「言葉の魔術師」と東野さんが言っていましたが、選手の得意を活かすことがとても特異なコーチなのではないかと感じます。「オフェンスの形」云々の前に、そもそも一人ひとりの選手の得意を活かせているか?というところはとても大事なところですよね。ホーバスさんは徹底してそこを強調して、何試合もする中で選手たちは自分たちの個性を出せるようになっています。

一人ひとりいい感じで個性を発揮していますが、特に須田選手や井上選手は凄いですね。Bリーグでも見ないようなプレーをしていて(迷いなくスリーを打つ)明らかに「キャラ変」しています。ホーバスさんのもとでプレーすると、きっととても気持ちよくバスケができて、自分の良さに自信を持てるんだろうなぁと感じさせてくれる素晴らしいコーチングですよね。

ここも、以前の日本代表活動方針で言っていたことを実行しています。

 

・スリーポイントorゴール下のシュートを狙う

そして、最後はこれです。

これも解説不要ですね。明らかに変わっています。須田選手、井上選手だけではなく、スリーの名手である富永選手も、その他の選手もとにかく「迷いなくスリーを打っている」というのが印象的です。ショットクロック関係なく、空いていたらスリーを打つ。そういうコンセプトが徹底されていると感じます。試投数が明らかに増えて「スリーを増やす」と言っていた通りのバスケをしています。

また、ゴール下に関しては「カッティング」でチャンスを狙おうとしています。これは女子日本代表でホーバスさんがやっていたのと同じですね。カッティング、バックカットに関しては次の戦術のところで詳しく解説します。

 

 

※まとめ

とにかく、コンセプトに関しては「徹底されている」というのが印象的です。代表活動は練習で合わせる時間が多く取れないので、細かい戦術を詰めることが難しいのだと思います。だからこそ、大事なのは「方向性を示して選手が迷いなくプレーできる環境を整えること」だというのがよく伝わってくるチーム作りです。これだけ伸び伸びと思い切りよく、積極的に攻め続ける日本代表を僕は見たことがないです。とにかく、思い切りがよくて徹底しています。

 

ホーバスさんが女子日本代表を見ていた時は、「セットプレーが200個ある」と選手たちが言っていたくらいオフェンスの「形」が多かったそうですが、男子のHCになってからはその真逆のコンセプトを貫いています。これには練習時間が大きく関係していると思いますが、これだけバシッと方向性を変えられるのは「目の前の選手に最も適したコンセプトが何か?」をホーバスさんが第一に考えているからなのではないかと思います。

今の時代は戦術もスキルも日々進化しているので、どうしても複雑にしたくなってしまったり、オプションを追加したくなりますが、「選択肢を減らす」というのはチームが迷いなく進むうえではとても大事ですね。

 

コンセプトとルールは違います。

コンセプトとは大枠、チームの方向性です。

 

まずコンセプトを決めること、

そしてチームの目的(志)と理念を決めることの重要性を改めて感じますね。

(「ルール」と「コンセプト」)

 

 

 

戦術

具体的なプレーに関しては、以下について解説していきます。

・5out

・ghost screen(DHO)

・circleunder+backcut

 

・5out

まず機動力を活かすため+ゴール下のカッティングのスペースを創るため(おそらく)に、5outでオフェンスを組み立てています。

そして先ほども言ったように、ほとんど形という形はありません。セットプレーのようなものもほとんどなく(タイムアウト後に須田選手に打たせるなどはあります)、フリーランスの中でチャンスを探っている印象です。

いちおう形としては以前から採用している「ボールスクリーンモーション(Maccabi Pick&Roll continuity)」に近いものを採用しているようには見えました。エントリーは以下のように始まることが多いです。

(バックカット+リフト)

 

(ハンドオフ)

 

ここから通常のボールスクリーンモーション(2019年の日本代表)だとセンターがスクリーンをかけて、それを連続的に行っていくことになります。八村選手がいたらまた話が変わるのかもしれませんが、今回のホーバスさんバスケでは5outなのでここでピックを賭けに来る選手は基本的になくて、そのまま流れで攻めるか、隣の選手とハンドオフを繰り返す形でチャンスを創ろうとしている印象です。

(2019年のアジア地区予選)

 

※ちなみに、この時の日本代表がやっていた「ボールスクリーンモーション」については解説動画を撮っています。

このボールスクリーンモーションの解説と、この時の日本の課題をバックカットでどう解決していくかについてです。リンクは一番下に載せているのでお時間があればご覧ください。

 

 

で、今の日本代表の場合はセンターがピックに入らず、DHOを繰り返します。

(こんな感じでDHOを繰り返してチャンスを探る)

 

 

・ghost screen

そして、このハンドオフの際にやっているのが「ghost screen」です。

しっかりスクリーンをかけるんじゃなくてスリップを表にしてチャンスを創るプレーです。

DHOの時もゴースト的にスクリーンを賭けずにしていて、ピックをする際もスクリナーはゴーストのように走ってそのままポップする(スリーを狙うため)ことが多いです。

 

ゴーストはもともとスイッチディフェンスに対応する駆け引きとして採用されているもの(ミスコミュニケーションが生まれるため)なので、おそらく、日本代表も相手のスイッチディフェンスを崩すために採用していると思われます。実際、相手はほぼスイッチで守っています。DHOに限らずピックもほぼほぼスイッチで守っている印象です。

 

スイッチディフェンスをどう攻略するか?

僕はこれがとても大きなテーマだと感じています。

 

それについては「3.課題と解決案」でお伝えします。

 

 

・circle under+backcut

これはホーバスさんの十八番っていうやつですね。

昨年、女子日本代表がこれで何度もバックカットを成功させていました。町田選手がドライブをして、それに対して周りの選手がカットで合わせる。男子では特に河村選手がこれを得意としてやっています。(サークルアンダーとはリング下をドリブルで抜けるプレー)

 

ただ、これはこのイランとの試合以降はほとんど成功していません。

相手チームは「サークルアンダー+バックカット」をスカウティングで警戒して、河村選手がドライブをした時はオフボールのカッティングを止めるように守っています。ボールに寄らず、センターひとりに守らせている形です。ちなみに昨年のオリンピック女子日本代表の町田選手も同じように守られて苦戦していました。

 

 

 

 

 

・・・

 

では、ここからは僕が感じた日本代表の課題と解決策(案)を書いてみたいと思います。

※最初にも言いましたが、前提としてあくまで僕個人の見解であること、日本代表チームは練習の時間が少ないので今のようにコンセプトを徹底することがベストな道であると思われること、僕がこの記事で伝えたいことは「提案」であること、そして僕は日本代表のバスケを応援しているしとても楽しみにしているという事はご了承ください!

 

 

課題と解決策

僕が感じたのは以下の点です。

・「自分たちのバスケ」に囚われない

・展開を速くすることで本当に能力差を埋められるのか?

・5outのスペーシングで見落とされてしまうプレー

・スイッチディフェンスをどう崩していくか

・「バックカットは表」がなぜ重要なのか

 

 

・「自分たちのバスケ」に囚われない

日本代表は「自分たちのバスケ」を貫いています。

プレッシャーディフェンス、速い展開、スリーポイント、自分たちの強みを活かすなど。とにかく徹底しています。徹底しているからこそ相手に圧を与えられているし、チームが一丸となって、選手のシュートに迷いがありません。プロ選手のシュート力って本当にえげつないですからね(かなり昔ですが僕はプロの練習に参加して体験しました)。でもそれを活かせるかどうかはチームの雰囲気やコーチのコンセプトに寄ります。その点では本当にホーバスさんのバスケは徹底されていて、見ていてワクワクさせてくれます。

 

ただ、試合を見ていると気になる点もあります。

 

それは、「相手の弱いところを狙えていない」ということです。もちろんすべてではないですが、でもそう感じる場面がありました。

僕も長らくハマっていた沼に「自分たちのバスケ」というものがあります。「自分たちのバスケを貫こう!」という風に一致団結することは大事です。でも、ここであるあるなのが「自分たちばかり見て、相手を見ていない」ということです。これは高校生の時も大学生の時もこんな感じでした。

 

モーションオフェンスなど、自分たちのバスケと言える確固としたものを創ったことで「いつでも戻れる安心感」と「チームの共通理解」が生まれて、バスケに落ち着きができました。自分たちの場を創れるようにもなりました。でも、そこばかりを見てしまうと「相手のことを知る」というのを忘れてしまいます。あくまでバスケットボールは「相手ありき」ですよね、一つひとつのプレーも試合前端の戦略も。

 

今から2500年前、争いが絶えなかった時代に、

中国の「孫武」という軍師が「戦術書」をまとめました。

 

 

これは後に「孫子の兵法」と呼ばれる世界で最も古く、最も有名な戦略書です。

今でも経営者を中心に読まれているもので、人間関係を豊かにする視点を学ぶこともできます。

 

もっとも古くからある、最も本質的な書物の一つです。

 

 

そこにはこう書かれています。

 

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

 

 

これはつまり、

「”相手のことを理解した後に”自分のことを理解したら、100回戦っても危なくなる(負ける)ことはない」

という意味です。

 

重要なことは、まず「相手」だということ。

まず最初に理解しないといけないのは相手の弱さや強さ。その後、自分たちは何ができるのかを考える。そうすると、負けることはない。

そう、2500年前に書かれているんです。これはスポーツの勝ち負けについて書かれたものではありませんが、でも、「命の奪い合い」という人間の究極の「陰」から生まれたもの(これ以上、深いエネルギーがないという事)なので全ての勝負ごとに応用できるという事です。だから、今でも経営者が読んでいたり、人間関係を豊かにする本質を学べるという事です。

 

もちろん、日本代表も当たり前にスカウティングをしてそのうえで試合をしているのは言うまでもありませんが、

たとえばイラン戦で気になるのが「ハダディをどう攻めるか?」という事です。ハダディは身長が高くて(218㎝)圧倒的にペイントで力を以っている選手です。ハダディを一人で押さえることはほぼ不可能で、圧倒的にペイントでアドバンテージを持っています。なので、逆にハダディがディフェンスの際にこちらがアドバンテージをとるようにする必要があります。

 

日本代表がやっていたのは

・展開を速くしてハダディを疲れさせる

(5対4のアウトナンバーを作って攻める)

だと思われます。

 

それで確実にハダディは疲れていました。

ただそれ以外の場面、特にハーフコートでは「ハダディのところを中心に攻める」というのがあまり見られませんでした。映像を見ていて、そこがもったいないように感じました。ハダディは引いて守っているので、ハダディに疲れた選手は基本的にフリーになっています。ただ、そこで「スリーを打つ」という選択肢しかなかったように見えて、そのシュートが入らずに苦戦していたと思います。離されたらいつでも打てるんですが、でも逆に打ちづらい(タイミング的に)のでシュートが崩れて入らなくなったりします。渡邊選手や吉井選手はやりにくそうに見えました。

 

これに関して、僕は(プリンストンの視点で考えると)

・センターをパスの起点にしてオフボールスクリーンからチャンスを創る

というのがいいんじゃないかなぁと思いました。

「引いて守られた→スリー」は入っている時は良いですが、入らなかったりリズムが悪いと「打たされている」という感じになります。

「引いて守られた→リングに近づく」という選択肢も持つと、相手は楽をして守れなくなります。外から打たせる、というのは相手が入らなければ楽です。でも、自分の方(リングの方向)に近づいてきたら守らざるを得ません。その状況を創ることで相手にストレスを与えることができます。

 

また、引いて守られているという事はパスコースが空いているということ。

NBAでもロンドやベンシモンズなど引いて守られる選手は逆にそれを使って自由にパスを出しています。

 

「引いて守る」というのを利用することで選択肢が増えます。

 

 

いずれにしても、

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

というのは、あらゆる場面で使えるので

これを機にバスケや日常の中で活用してみてください。

 

人間関係であれば、自分よりも先に相手のことを大事にする。

 

相手が何をしたくて、その中で自分は何ができるのか。

 

武術の言葉だと

「相手の自由の中に自分の自由を創る」

と表現することもあります。

 

これはあらゆる場面で言えることです。

 

日本代表が本当にそうなっていたかは外から見ている僕にはわかりませんが、僕はそんなことを感じました。「自分たちのバスケ」に囚われて、目の前の相手との駆け引きを忘れたり、相手の弱いところを狙うという基本的なことを忘れてしまうことは(特に学生バスケだと)あるあるだと思うので、2500年前の格言を活用していきましょう。

 

 

 

・展開を速くすることで本当に能力差を埋められるのか?

これもプリンストン大学から教わったことです。

自分たちの方が身長も低く、能力も低かった場合(ジャンプ力や1対1の力)、「とにかく平面で勝負するしかない」と思えるものです。僕もずっとそう思っていました。その神話なるものを信じていた、とも言えます。なとなく小さかったら速く攻めてスピードで圧倒するしかないと思えるものです。

 

でも、「展開を速くすることで相手の能力を高めてしまう」という面も考えることが大切です。

 

具体的には、こういう面です。

「展開を速くする=ポゼッション数が増える」

→シュート本数が増える=シュート力が問われる

→相手にオフェンスリバウンドを取られる確率が上がる=身長差のあるゴール下でシュートを打たれやすい

 

もちろん、これは理論的に考えた「頭の中の話」なので実際の試合が同じように行くわけではありません。いろいろな要素、試合の流れ、その日のシュート率も関係してきますもんね。ただ、客観的に考えたらこう言えるのも事実です。極端な例でいうと、「カリーと3Pの勝負をする際、1本勝負と1000本勝負だったらどちらの方が勝てる確率が高いか?」っていう話です。・・・1本勝負なら、もしかしたらカリーが超偶然外してくれるかもしれないので勝てる確率は1000本と比べたらありますよね。でも、1000本は勝つのは不可能でしょう。それと同じです、極論ですが例えるのなら。

 

 

プリンストン大学は1996年のNCAAトーナメントで前年度優勝校&能力者軍団のUCLA大学に勝ちましたが、その際は徹底的にポゼッション数を減らしていました。

・ひたすらゆっくり攻める(ショットクロックをできるだけ使う)

・速攻は出さない(スティールのワンマン速攻のみ)

・オフェンスリバウンドに行かない(相手の速攻を消す)

 

これをとにかく徹底していました。

「オフェンスリバウンドに行かない」というのはとても斬新な考え方だなぁって今でも思います。自分たちがシュートを打ったらみんな一目散にサーーっってバックコートに戻るんです。結果的にUCLA大学は速攻を出せず、ゆっくり攻めざるを得ない試合展開になりました。つまり、ポゼッション数を減らして能力差が極力出ないようにしていたという事です。

さすがPete Carrilさん、プリンストン大学。

 

僕は本当にこの中にバスケの本質が詰まっていると思うし、

そういうものとして捉えて、これからも深め続けようと思います。

 

具体的なプレーでもPrinceton Offenseのコンセプトはとにかく有効です。

 

それを次に話しましょう。

 

 

 

・5outのスペーシングで見落とされてしまうプレー

日本代表はホーバスさんになってから5outでオフェンスを組み立てています。

「5out」と聞くと、スペースが広くて自由度が高いように思えますが、実際は意外とスペースが狭くなるケースが多いです。ドライブのスペースがあるようでなくて、そして「5out」という言葉に囚われて重要な合わせを見落としてしまうことがあると僕は考えています。実際、日本代表の試合を見ていてそう感じました。

 

 

ドライブに対しては基本的にサークルムーブで合わせるとチャンスが生まれます。

ただ、5outだとこれが生まれにくいです。

なぜか?それは「5out」という言葉に囚われてしまうからです。「5out」というと、やっぱり5人が外に開いているイメージになります。そうすると、ドライブに対してサークルームーブで合わせる意識が薄れることがあります。日本代表はスリーを打つことをコンセプトにしているのでスリーポイントラインで合わせることはチームルールだと思いますが、でも、合わせで重要な

コーナーのカッティング

が足りないと感じる場面が多くありました。

 

5outの際、コーナーに人がいるのでサークルムーブをするとしたらコーナーの人がカッティングをしないとコーナーにスペースが生まれません。

③が完全に抜けている場合はコーナーステイでもフリーになりますが、そうではない場合はサークルムーブをしないとズレが生まれにくいです。この時、コーナーの選手がカッティングをしてゴールに向かえるかどうか?で5out(もっと言えば「ドライブの全て」に対して)でチャンスを創れるかどうかが変わると僕は考えています。実際これは僕の実体験を踏まえた考えです。

 

もし、⑤がシューターではない場合はカッティング(それも”早めのカッティング”)で合わせるのも一つです。そうすると、コーナーの②がフリーになる可能性が出てきます。

 

 

いずれにしても、5outという言葉に囚われたり、スリーを狙うことをコンセプトにすると、「コーナーステイ=正義」という感覚になってしまうことがありますが、それでカッティングの選択肢がないと自由がなくなります。「アウトナンバーが生まれているはずなのに、アウトナンバーになっていない」というバスケットボールの本質からズレてた状況が生まれてしまいます。

これはコーナーのカッティング(サークルムーブ)もですし、ポストにパスが入った後のカッティングも必要な場面。

 

恩塚さんの言葉を借りれば、「こうきたらこうする」の選択肢を選べない状況。ジャンケンで例えるなら「グーが制限された状態」でジャンケンをするような感覚です。これは僕が「バックカットを深めていないバスケ」を表現する上で感じている例えです。相手と対等な駆け引きができていない、という状況。

バスケ仲間の戦術さんとRyotaさんの動画を紹介させていただきます。

このコーナーからのカッティングをしなくてもスリーが打てる場面も、もちろんあります。ただ、ここでカッティングの選択肢がないとチャンスが一つなくなってしまうのも事実。

紹介している2つのシーンはドライブに対してではなく、ピック&ロールに対しての合わせですが、コンセプトは一緒です。「コーナーのディフェンスがローテーションできないようにカッティングで合わせる」という、鬼ごっこのように目の前のディフェンスと駆け引きをすることでフリーができます。

これはコーナーからのカットでもあるし、「ダンカースポット(dunker spot)」での合わせとも言えます。

そして、5outをしていく中で(そうではなくてもスペースを広げる上で)重要なのが、このダンカースポットです。このポジションについて次に話します。

 

 

ダンカースポットの価値

先ほどの動画はダンクをしているシーンなので「でも(世界と比べた時の日本代表のように)小さい選手がダンカースポットに立っても、シュート打てないから意味がないし、逆にスペースを潰してしまうんじゃないの?」と思われるかもしれません。でも、スペースを広げるためには、このポジションは身長の高さに限らず使うことが大切になります。

先ほどのコーナーからのカットと同様、これも実体験を踏まえた話です。まずは基本の合わせである「サークルムーブ」でレイアップを狙います。

ここがカットすることで、コーナーにスペースが生まれるのでウィング(この動画では左45)の選手がコーナーまで合わせることができます。この余白(スペース)を創れるかどうかは、このダンカースポットの使い方によります。

 

また、シュートが打てなくてもここを使うことが重要です。

その一例を紹介します。

これは相手がゾーンの時に、たまたまカットした後に河村選手がダンカースポットを埋めてチャンスを創った場面ですが、とても重要なプレーです。

身長が小さかったとしても、このポジションを使うことでディフェンスは収縮し、外のチャンスが生まれます。また、このポジションにボールがあるとディフェンスはボールに目を向けるのでカッティングのチャンスも増えます。

 

賢者籠球では、このポジションを

「バックドアスポット(backdoorspot)」

と呼んでいます。

 

常に相手の背中を取れるポジション。

ここに立っているだけで「常時バックカット状態」と言える状況が生まれます。つまり、ディフェンスを引き付けることができるし、ディフェンスの死角をついて1対0を創れるという事です。

 

このポジションからの合わせについては、

NBAのナゲッツが最高の見本を見せてくれているのでご覧ください。

もうこれは「美しい」という表現がぴったりのオフェンスですよね…絶妙です。

 

 

バックカットは単なる駆け引きではなく、

「チームプレーの楽しさに気付かせてくれる駆け引き」です。

 

純粋に、目の前のディフェンスとの駆け引きも楽しくなりますが、

それだけではなく、バックカットを通してチームプレーの楽しさに氣付くことができます。

 

例え、自分にパスが入らなくても味方に貢献できる。

 

自然と協調性を育むことができます。

 

最高ですね。

 

 

更に、バックドアスポットにはメリットがあります。

それは「ポストにボールを落としてから次のチャンスを創れる」という事です。

 

 

ウォリアーズのスプリットカット

これはNBAのウォリアーズが何年前からやり続けているプレーです。

ローポストにボールを入れてウィングとトップの選手でスクリーンをかけてズレを創る。これはもともと、大昔のセルティックスがやっていたことであり、それをプリンストン大学のキャリルさんが活用したもの。また、トライアングルオフェンスでも同じような動きがみられるので。古くから進化発展しながら引き継がれているプレーだと言えます。それをウォリアーズは世界一うまく使っています。

 

ここで重要なのは、

・ガードもポストでボールを受けている

ということです。

 

ウォリアーズはポストを”起点”にしてスプリットカットを使っています。

ポストマンの1対1はあくまで裏の選択肢で、スプリットカットのためにポストでボールを受けています。これと先ほどのバックドアスポットを繋げると、よりスプリットカットの可能性が広がります。

この時、ポストマンがボールを受ける位置は、ゴールの近い「ローポスト」よりも、ゴールから離れた「プレーメイカースポット(playmakerspot)」の方がチャンスが広がります。ゴール下のスペースが広がりカッティングがしやすくなるからです。この「プレーメイカースポット」は酒井達晶さん(元群馬クレインサンダーAC)が所属していたSaint Joseph’s College of Mineで使われていたポジションです。

このプレーメイカースポットを使うことで、ポストからの攻めは一気に可能性が広がります。

ボールを下(ローポスト)に落とすという事はバスケットボールでとても重要です。たとえ、そこで1対1のアドバンテージがなかったとしても。なぜなら、ボールを下に落とすとディフェンスは自然と自分のマークマンに背中を見せる形で守るからです。要するに、「カッティングからチャンスを創れる」ということ。

 

これが次に話すテーマに繋がってきます。

 

 

 

・スイッチディフェンスをどう崩すか

恩塚さんが日本代表の活動方針の中で、

「セットプレーを多く使わないようにしている(自分たちの時間と体力を失ってしまう、結局最後にチャンスができなかったら行き詰ってしまう、最後にスイッチされたら結局スイッチの対応をしなくてはいけなくなってしまう、相手は日本に対してスイッチをしてくる)」

ということを言っていました。

 

まさに、今回の男子日本代表に対して相手チームはほぼオールスイッチで守っていました。ピックもDHOも。

その結果、最終的には富樫選手や河村選手がスピードのミスマッチをついて1対1をする場面が多くありました。これは女子日本代表のオリンピックで町田選手がやっていた戦術と一緒ですが、恩塚さんが言うように、これだけだとオフェンスは行き詰ってしまいます。周りの選手の足が止まってしますし、1対1に頼る形になります。もちろん富樫選手の超一流1対1で得点をとっている場面もありましたが、なかなかそれ一辺倒とはいきません。オフェンスが重たくなってしまいます。

 

そこで、恩塚さん(女子日本代表)の場合は「ポストにボールを入れて1対1からズレを創る」という事をしていくそうです。ただ、男子の場合はなかなかスイッチされたとしてもポスト側でミスマッチと言える状況が起きていないこともあって、なかなか攻めるのに苦戦している印象でした。とにかく、相手チームはほぼオールスイッチでしたね。じゃあどうやって攻めたらチャンスが生まれるのか。

 

スプリットカットのように、

「ポストマンをパスの起点にしてオフボールのスクリーンプレーからチャンスを創る」

というコンセプトが必要になると僕は考えています。

 

これは最初の方で「ハダディに引いて守られた選手をパスの起点にしたらいいのでは?」という提案に繋がる話です。

 

 

まず、重要な事は「スイッチディフェンスをどう捉えるか?」です

 

「スイッチ=身長のミスマッチが生まれる」

これはほとんどの人にイメージがあると思います。ガードとセンターであれば基本的にそうなるもので、そこの1対1を起点にアウトナンバーを攻めていくのはバスケットボールの定石ですよね。

 

でも、ここで見落とされがちなことがあります。

 

それは

・スイッチの瞬間はディフェンスの足が止まっている

という事です。

 

 

この瞬間をどうつくか。

 

ここがスイッチディフェンスを崩すうえではポイントになります。

「ミスマッチで1対1をする」というのも一つの戦術であるのは間違いありません。ただ、これは先ほども言ったようにオフェンスの流れを止めてしまうことがあります。僕も昔は「ミスマッチができたら全部そこから攻めたら良い」と思っていたのですが、実際の試合はそこばかりになるとオフェンスが停滞してしまいます。

 

ただ、ここで更に難しいのが

「DHOのスイッチを崩すのは難しい」

ということ。

 

今、男子日本代表はDHO(からのゴーストスクリーン)でズレを創ろうとしています。ただ、相手はスイッチで対応していてなかなかズレができていません。

DHOでスイッチディフェンスを(スイッチの瞬間に)崩す方法は、フェイクDHOやボールを受けた瞬間にスリーを打つなどになります。でもこれは結構難しいです。なぜなら、ボールマン(DHOをする選手)がリングに対して正対していないからスイッチの瞬間をつくことが難しいのです。

フェイクDHOで崩すことはできますが、これは1試合の中で1回くらいしか効かないのでそこまで多用はできません。

(個人的にはめちゃくちゃ好きなプレーの一つで効果的なのも間違いないです)

 

 

 

じゃあ、どうしたらいいのか?

スイッチディフェンスに対して「ミスマッチを攻める(1対1)」以外にどんな選択肢があるのか?

 

それは先ほども言ったように、

・センターがパスの起点になってオフボールスクリーンで攻める

というものだと僕は考えています。

 

つまり、Princeton Offenseのコンセプトです。

 

 

オフボールスクリーンの場合、

まずDHOと違ってスクリーンに関わる日足の選手がリングに対して正対しやすいので「スイッチの瞬間」をつくことができます。

また、攻めパターンも無限にあるので相手の守り方に対して柔軟に対応できます。

 

スイッチの瞬間(足が止まっている瞬間)、ゴールにカットをすることでチャンスが生まれます。

 

ただ、このスクリーンプレーも

普通にスクリーンを使おうとすると

フィジカルや瞬発力で止められる可能性が高まります。

 

ラインカットを表にするとタイミングが早すぎて対応されてします。

 

ここで大事なのは、

・スクリナーがバックカットを表にする

という事です。

 

これは「プリンストンカット」とも呼ばれているくらい、

Princeton Offenseの中で何度も繰り返し行われているプレーなのですが、

自分たちよりも能力のある相手からチャンスを創ろうとする場合、とても大事になります。

これは賢者籠球でいう「ダブルパンチ」というプレーです。

 

このプレーは相手がスイッチで守ってきた時に特に有効ですし、

相手の対応に合わせて柔軟に無数の対応策を創っていけるいける最高に面白く効果的なプレーです。

この選択肢を表にすると、オフボールスクリーンの駆け引きが一気に広がります。

 

この場面、9割以上の選手が「スクリーンを使う(ボールに近づく)」という選択を今までのバスケ人生でしてきてるはずです。逆に言えば、この場面でバックカットを選択したら相手は対応が遅れるという事。実際、この場面で「スクリーンを使うと見せかけてバックカット(リジェクト)」を選択するとディフェンスを崩すことができます。これは本当に有効なプレーです。

 

この「スクリーンを使わない(スクリーンプレーのリジェクト)」を表にすると、ディフェンスはスイッチをして守ってきたり、引いて守ってくるようになります。

 

その時、裏の選択肢として「ラインカット」が有効なります。

スイッチの瞬間、2人のディフェンスの間を走り抜ける(カット)のです。

 

これはフロントカットでも同様に使えます。

(というか、結果的にフロントカットになります)

 

この選択肢を持ちながら「スクリーンプレー」を行うと、全く違う世界が見えるようになります。

僕はプリンストンオフェンスでバックカットの価値を知り、このスクリーンプレー(ダブルパンチ)の楽しさに病みつきになりました。スクリーンプレーで「バックカットを表」にするだけで一気に駆け引きの幅が広がります。ここでどんなプレーを選択するかは、目の前のディフェンス、味方の個性次第です。

 

このような形で

・センターをパスの起点にしてオフボールスクリーンで攻める

という事を徹底していたのがPrinceton Offenseです。

 

5outというのは、エントリーの形として捉えて、

そのプレーの中ではバックドアスポットを使ったり、

エルボーやトップなどでセンターがボールを受ける形で

「4out1in」の形からチャンスを創るとスペースを広く活用できます。

 

今はピック&ロールが主流ですが、ピックだけだとボールマンの能力が問われるし、足が止まってオフェンスが重たくなることがあります。

また、日本代表がされているようにスイッチで守られた時に「スピードのミスマッチをつく(1対1)」だけになると、これもオフェンスが重たくなります。

 

そんな時代の流れを考えると、今後はよりオフボールスクリーン&バックカットの価値が高まってくるんじゃないかと個人的には思っています。

 

 

そして、最終的にはウォリアーズのコンセプトがあると、

バックカットオフェンスは究極系になると今のところ考えています。

 

 

 

ウォリアーズのオフェンス

バックカットを表にすることで

・先手を取れる
・プレッシャーをリリースできる
・ペイントアタックができる
・能力に関係なく1対0が創れる
・オフェンスの流れが生まれる

といった良さがあります。

 

ただ、バックカットに直接パスが通ってレイアップに行けるシーンは1試合の中で数回しかありません。ほとんどはパスが入りません。

なので「パスが入らなかったらバックカットをしても意味がない」という感じに思えて、バックカットが減っていくというのは自然な流れともいえると思います。

 

でも、ここで終わらないのがウォリアーズです。

 

カリーとトンプソンという世界最高のシューターが2人は厳しいマークを受けるので、バックカットを選択することが多いのですが、

「バックカットにパスが入らなかった後、逆サイドでダウンスクリーンを受けることでズレを広げる」

というプレーをもう何年もやっています。

スプリットカットと同様、これも止められていません。

 

このプレーがバックカットオフェンスの究極系だと僕は考えています。

 

このカッター(シューター)に対するスクリーンは、攻めのパターンを共有しておくことが大切です。

1.カッターのDFにスクリーンをかける
2.自分のDFにスクリーンをかける
3.ラインカット(スリップ)
4.スネークカット

 

1.カッターのDFにスクリーンをかける

これは基本的なスクリーンのかけ方です。

ディフェンスがスイッチをしていない場合はカッターのDFにスクリーン。

 

 

2.自分のDFにスクリーンをかける

このスクリーンプレーは(シューターに対してスクリーンをかけるため)スイッチされやすいです。

その際、スイッチに対してはスリップが基本になるのですが、ウォリアーズが表としてやっているのは「自分のDFにスクリーンをかけることでスイッチさせない」というかけ方です。言語化すると「screen the own man」と呼んだり「Pin in」と呼ばれたりするみたいです。※名前はあくまで分類のために必要なものなので、チームで共通意識をもてれば何でもいいと思います

 

 

3.ラインカット(スリップ)

これは先ほども紹介したスイッチに対する一般的な対応。

ただこれをウォリアーズの場合は「カッターに対する逆サイドのダウンスクリーン」の中でやることで、カッターの勢い(スピード)を利用してラインカットがより成功しやすい状況を作っていると言えます。このスピードでスクリーンを使うからスイッチが間に合わず、ラインカットが成功しています。もうとにかく美しい。

 

 

 

4.スネークカット

最後はラインカットの応用です。

賢者籠球では「スネークカット」と呼んでいるプレーで、バックカット(ダウンスクリーン)をした時にインラインにDFがいてリングまで行けない場合は、スイッチしている2人のディフェンスの間に入る形で方向転換してボールを受けます。この曲線を描く動きを蛇の動きに例えて、共通のイメージをもてるように「スネークカット」と名付けています。

これは練習が必要ですが(解説動画も撮ってありますがまだ編集できていません)、練習したら身に付けられます。ここでパスを受けた後、どのように崩すかについても解説動画の中でまとめているので、それもできたらアップします。

 

 

 

・・・と、ここまでの駆け引きのパターンを共有したら、後はそれを繋げていくのみです。

 

そうすると、プリンストンになります。

 

結果的にプリンストン(バックカットオフェンス・賢者籠球)になる、という事です。

(もちろん、あくまで僕の視点で見ると、という話です)

 

 

 

日本代表とプリンストン

セットやモーションの中でバックカットをすると形が崩れます。普通、ここで形が崩れたらまた立て直すのに時間がかかったり、バックカットの後を考えていないと仕方なくの1対1やピックでオフェンスが終わってしまうことがあります。そうすると流れが創りにくく、オフェンスが重たくなり、相手に対する圧がなくなってしまいます。

 

ウォリアーズのオフェンスは、本当にプリンストンっぽいです。

 

言語化するなら

「スリーポイントを常に狙いながら、バックカットでのペイントアタックも同時に狙う(ダブルパンチ)。バックカットでオフェンスの形が崩れたとしても、逆サイドでダウンスクリーンをかける(screen the cutter)ことでオフェンスの流れを切らずに次のチャンスを創る。その中で、ローポスト(playmakerspot)にボールが落ちたらスプリットカットからズレを創り、そこでチャンスが生まれなければ次のズレを創るために立て直す」

という感じです。

 

まさにこれはプリンストン。

 

ダブルパンチ(バックカット+スリー)を常に狙いながら、誰がどんな動きをしても形を創り出すことができる。

 

そして、「基本的な形で攻める(Flow)「ズレからアウトナンバー攻める(Domino)を円環しながら行っています。

 

まさにバスケットボールの本質であり、バックカットオフェンスの究極系をウォリアーズは僕らに見せてくれているように感じます。もう最高に面白いですし、このオフェンスはこれから先どんなにスカウティングの技術が発展したとしても「頭の中(作戦ボード上)だけでは対応することができないオフェンス」だと思います。究極の駆け引き、最高のエンターテイメントです。

 

最後に、最高のウォリアーズオフェンスをご覧ください。

(今はひたすらウォリアーズの試合を見て分析しています)

 

 

 

 

 

ふう、ひとまずこれで完成(仮)としておきます!!

 

「男子日本代表のオフェンスをバックカットを軸に解説」

最終的にはウォリアーズ、バックカットオフェンスの究極系に辿り着きました。

 

もうほんと、最高に面白いんです。

プリンストンもバックカットもウォリアーズも。

 

それが伝わったら何よりです。

 

 

そして、僕は今、

「バックカットは表」からスタートするバスケットボール、

プリンストンであり、バックカットオフェンスであり、賢者籠球を体系化させることを目標に活動しています。

 

日々、ウォリアーズの試合を見てクリップを作成しています。

プリンストンの動きやキャリルさんの言葉を研究してまとめています。

 

そして、そこに「武学」を加えた「大和籠球」の体系化を目指しています。

 

やることが無限にありますが、

でもこれは死ぬまでにやり切ると決めている

僕の中では「世界遺産」くらい後世に残していきたい事なので、

毎日コツコツ、やれることを進めていきます。

 

 

今はPrinceton Offenseを軸に、

ウォリアーズのコンセプトを地元の社会人チームが実践しています。

 

これもとっても面白いです。

 

ウォリアーズはNBAを制覇したチームで、自分たちとかけ離れた世界にいることは間違いないですが、

でもコンセプトを取り入れて、自分たちのチームをより面白く、より強く、より自由に進化させることはできます。

 

 

「誰でもやればできる」

 

そんな状況を創れるように、

内容や過程、練習ドリルを体系化しています。

 

こういう風に実践していくチームをもっと増やしていきたいです。

 

 

日本代表のバスケが世界を驚かすような面白いバスケになることを楽しみに、

僕は僕で「バックカット(プリンストン)」を軸にした「大和籠球」を創っていきます。

 

 

 

 

最後に

最初にも書いた通り、

この記事で伝えたいことは、

 

「一緒に大和籠球を創りませんか?」

 

という提案です。

 

 

今、Facebookグループで

「世界に通じるバスケットボールの雛形を体系化させる」

という目標に向かって、日々の学びを共有しています。

 

バスケの学校をネット上で創るイメージで、日々の学びの共有と体系化をしています。

 

 

Zoomでお話をしたり、勉強会を開催して直接伝えに行ったりしています。

 

これから先、人生を通して

一緒により面白いバスケを創っていけたら嬉しいです。

 

 

詳細はこちらから↓

大和籠球(案内文)

※現在は募集停止中ですが近々また再募集をします

 

 

それではまた!!

 

 

 

PS.

【日本代表】オフェンスシステム解説

JBAが掲げる「Japan’s Way」を見て、正直に思ったことを書いてみました。

篠山竜青選手「日本のバスケットを世界に発信していく」



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