相手と一体となるドライブ

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ドライブ編第四弾。

相手の腕を払うドライブ抜こうとしないドライブ歩くドライブを紹介してきました。言葉だけ並べていくと意味不明で矛盾しているような世界が武術の世界です。それくらい過去の概念とは違った世界があるということなのですが、今までの価値観だけで考えてると「そんなのありえない」「ディフェンスが弱いだけだ」「何が言いたいのかよくわからない」となってしまうのもまた武術の世界です。普通に部活をしていて武術という世界を知らなかったら、なかなか馴染めないのはそのため。全ての人が学ぶべきだ!と押し付ける気は一切ありませんが、お勧めはしたいものです。なぜなら、本当に面白いから。

 

 

それでは今回は腕払いの次の話をしたいと思います。

 

これはこの前、1対1をした時に、

自然とそういう状態になっていたので、

そのことを後から振り返って言語化してみます。

 

まず今回の記事で話すのはこちらのプレー。

これはちょっと見にくいんですが、

腕を払おうとしたけど払えなかったドライブです。

でも、結果として、そのことでフリーができました。

 

 

腕を払えなかったのは相手の方が腕に力を入れていたからです。

あとは、僕の「払おう」という意識が相手に伝わったからかなとも思います。

 

この時、

ディフェンスの方が左腕で抑えようとしていることを感じたので、

腕を払おうと僕は右手をひっかける形で動かしているのですが、実際は払えていません。

でも、「払えないならそのままくっついておけばいいか」という感じで、そのままドライブをしました。

 

なので、ちょっと見にくいのがあれですが、

この時は僕の右腕と相手の左腕が静止した状態になりました。

 

腕を払うこともせず、腕を払われることもない。

 

この状態を何とか言葉で表現するなら、

「相手と手を繋いでいる状態」

という風になるかなと思います。

 

仲良く手を繋いでいる感じです。
(これもまた言葉にするとなんか変ですが。笑)

 

 

腕払いをするときのポイントは、

手のひらの使い方、相手のどこを狙って腕を払うかなど細かい動作もあるのですが、

最も重要なことは「払ってやる!」という意識、相手に対する敵対心を持たないことです。

 

ここがないと、どんなに技術があっても効果がありません。

 

「払ってやる!」という意識が先にあると、

それが相手に伝わって、相手の「払われたくない」という意識を引き出します。

結果、相手は腕払いに対抗する形になるので、そこでぶつかりが生まれてしまいます。

 

ぶつかりが生まれている状態とは、喧嘩をしている状態。

 

当然、喧嘩をしていたら、

力が強い方が勝つことになるし、

お互いに敵対心むき出しで戦うことになるので、

なんというか、気持ちいい勝負にはならないわけです。

 

 

だから、表現としては「仲良く手を繋ぐ」感じです。

 

そうすると、腕を払われそうになった相手も、

「ちょっと腕が絡んでいるけど、まぁいっか」

っていう感じで身体が反応するので、そのまま払い返すこともなく、

僕の腕と一体となる感じでドライブの道を空けてくれるような状態になります。

 

なので、動画を見ると何となく、

あっさりしたドライブに見えると思います。

 

あたかも、ディフェンスがドライブコースを空けているような。

 

 

これは対戦相手の方を悪く言っているわけではなくて、

武術的に表現すると、そういう言葉になるという話です。

僕も慎さんと1対1をすると、同じような状態になります。

 

 

そんな状態になるので、ドライブを見ても、

「大したことがない」とか「ディフェンスが弱いだけ」とか、

そういう達成感のない変な感覚を感じると思います。

 

凄いドリブルスキルがあるわけでもないので、

動画を見て、凄い学びを得られた!みたいにもなりません。

 

そして、やられた方も達成感がないので、

「あれ?なんであんなに簡単に抜かれたんだろう?」

みたいによくわからない状況になります。

 

”相手に抜かせてあげた”ような自分がそこにいるので、「あれ?」となるわけです。

 

 

腕払いをするにしても、歩くドライブをするにしても、

武術的な視点で最小限の動きで最大の成果を出そうとしたら、

何はともあれ、自分の心の状態を整えていく必要があります。

 

じゃないと、今回話したように、

相手の能力を引き出してしまうからです。

 

抜いてやる!!

腕を払ってやる!!

というギラギラ感があればあるほど、

相手はそれを無意識に(身体で)感じるので、

それをさせないようなディフェンスをしていきます。

 

だから、まずは相手を倒そうと思わない。

 

自分の心の状態を整えて自然な状態を維持する。

 

 

それが武術の基本になります。

 

そのために、礼をきちんとしたり、

稽古と呼ばれるものがあるんですよね。

 

稽古とかいうと、馴染みがないから、

嫌悪感を感じることがあるかもしれませんが、

別に難しいことでもオカルト的なことでも全然なくて、

ただ、ボールを使わずに身体動作を対人で磨いていくものです。

 

楽しいし、自分の身体のことが一番よくわかりますよ。

 

「ボールを使わずにできない動きはボールを使ったらできない」

という当たり前のことを踏まえて、

ボールなしで身体動作を磨くというものです。

 

詳しくはさすがに文字だけでは何も伝えられないので、

実際に体育館などでお伝えする場を創っていきたいと思っています。

 

 

・・・

 

こんな話をまさか自分がすることになるなんて、

高校生の頃の自分からしたら驚きなんですが、今とても面白いです。

 

記事を書けるようになるまで、

自分の中で体験したことを腑に落として、

自分の身体で少しでも体現できるようにと、

ここ一年間、本格的に武の世界を学んできました。

 

近々、そのことを物語としてまとめて新しい活動をしていきたいなと考えています。

 

 

武の世界は広くて面白い。

バスケットボールの世界も終わりがないですね。

 

 

 

PS.

これはもはや体験しないとわからないことで、文字と動画だけでは全然伝わらないことでもあります。だから、慎さんからしたら「文字でなんて伝えようとしてもほとんど意味ないから自分の身体で体現していくしかない。体験してもらうことでしか価値は伝えられない」という風に言われてしまうんですが、本当にその通りなんですよね。

まぁ昔の僕からしたら「もっと具体的に教えてよ慎さん!笑」ってよく思っていたので、これらの記事を読んでもそう感じる方もいるかなと思うんですが、僕なりの言葉でできるだけ言語化してもなかなか伝わらないという部分を伝えていきたいと思います。慎さんや鶴を発掘したように、価値を情報発信で伝えていくのが自分の役目だと思っているので!

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