「NO スクリーン」というコンセプトから作るオフェンス

今回は、中高生から大学生まですべてのカテゴリーにお勧めなオフェンスコンセプトについて紹介します。

 

今回紹介するオフェンスのコンセプトは、以下の通り。

 

シンプルに、

・カッティング

・ドライブ

・パス&ラン

で攻めていくというオフェンス。

 

これがとても参考になるのです。

 

どのチームがやっているかと言うと、

アメリカのNCAA3部リーグに所属する

Saint Joseph’s College of Maine

が採用しています。

 

Saint Joseph’s College of Maineは、昨年はピック&ロールを使った現代的なバスケを採用していたそうですが、

このカッティング中心のオフェンスに今年切り替えてから、オフェンス効率(3Pの確率など)が格段に上がったのだそうです。

(そして、今この大学に留学中の日本人がいます。その方の紹介は次回させていただきます!)

 

まずは、そのオフェンスを見てみてください。

 

凄くスムーズで、ボールと人がよく動いていますよね。

 

システムのような「動き」ではなく、

チームとしてどういうバスケをするかという

「コンセプト」

で作られたオフェンスです。

 

ここがとても重要なのではないかと感じます。

 

形のあるシステムを採用して、

その中にあるコンセプトを見つけることも一つの道ですが、

多くの場合、「形だけ真似する」ことをするので、

その形の中に含まれるコンセプトを忘れがちです。

 

コンセプトを忘れて形だけを真似たオフェンスは、形以上のオフェンスになることはなく、

選手からの実感として、

「いつ1対1をしていいかわからない」

「なんか、形にこだわりすぎている気がする」

「なんとなく、言われた動きしかできない」

「個性がなくなって、みんなロボットみたいになっている」

という状態になりがちです。

 

そして、守っているディフェンスからすると、

「怖さを感じない」

というオフェンスになります。

 

言葉を変えるなら、「ズルをしても守れる」というオフェンスです。

 

そうなると、当然、

相手は楽をして守れるし、

守るところだけ守ればいいってなるので、

そもそも、バスケットボールとして根本的な部分である

「1対1でゴールを狙ってくる怖さ」

がなくなります。

 

だからこそ、大事なのは、

システムの中にあるコンセプトを見ようとすること

だと思います。

 

例えば、「トライアングルオフェンス」であれば、

三角形を作るオフェンスであることは形を見れば誰でもわかるし、名前を見ればわかりますが、

じゃあ、その三角形をどうして作るのか?(Why)

の部分を考えなければ形で終わってしまいます。

 

コンセプトとは、「なぜ?」の部分。

 

トライアングルオフェンスを考案したテックスウィンター氏は、

なにかの意味があって、三角形を作ったはずです。

 

ジョーダンがいたからこそ、

ジョーダンを活かすためにはどうしたらいいか?

を考えた結果、生まれたものかもしれないし、

逆に、トライアングルにジョーダンが溶け込んだのかもしれないし、

そこは実際に聞いてみなければわからないことですが、

 

形だけを真似するのではなく、

その奥にあるコンセプトを見ようとすること

は、とても大切なことです。

 

 

なので、例えば、

トライアングルオフェンスを真似するときも、

その形自体を取り入れるときに、

まず、コンセプト(なぜ)に注目して、

次に、目の前の選手たちに合わせてどう形を変えていくか?

という部分を考えなければいけません。

 

それがシステムを採用するときに見落とされがちな部分です。

 

 

でも、今回紹介しているSaint Joseph’s College of Maineのオフェンスは、

形から入るのではなく、「コンセプト」から入り、後から形を作るという流れです。

 

これは、前回、

ドリブルスキルのところで話した

「実践のワザ化」

に繋がる話になります。

 

つまり、コンセプトから入ると、

そこには、あらかじめ決まった「形」はないですが、

実際にプレーをしてみて、後から動画を振り返ってみると、

「この動き、使えそうだな」

「このドライブに対しては、こうやって合わせたら良さそうだな」

「ここで、こういうスクリーンをかけたらフリー作れそうだな」

「ここにいると、ディフェンスがこうやって守ってくること多いな」

「このディフェンスに守られないようにするとしたら、・・・」

という感じで、形が後から見えてきます。

 

これも「実践のワザ化」であり、

コンセプトが先のオフェンスの組み立て方です。

 

こうすると、前にも話したように、

・そもそも実用的なワザが見つかる

・そもそも自分ができている(できかけている)ワザが見つかる

ので、時間効率もいいし選手にとっても取り組みやすいです。

 

なぜなら、実際の試合でやっているから。

 

 

そういった意味でも、Saint Joseph’s College of Maineのオフェンスは、見どころたっぷりです。

 

コンセプトについては、こちらの動画をご覧ください。

コーチダニエルさんの動画で、とても分かりやすくまとめられています。

 

タイトルに、

「NBAのチームも学ぶべきだ」

という言葉があるくらい、

次の時代のコンセプトがここにあると、

ダニエルさんは考えているのだと感じますね。

 

なぜなら、今の時代は「ピック&ロール」の時代だからです。

 

NBAはもちろん、

ヨーロッパも、そして日本のBリーグ、

日本の部活動でも、ピック&ロールが主体です。

 

それだけ有効で重要だという証拠ですよね。

 

その中で、今、新しい流れとして、

NBAでは「ゾーンディフェンス」が流行りました。

 

それは何を意味しているのか?

 

そのことについては、次回、

僕なりの推測をお話ししたいと思います。

 

動画、是非観て参考にしてみてください!

 

コメント欄には、

「ヨーロッパでは育成年代でこのバスケが基本になっている」

と言ったコメントもいくつかありますね。

 

ノースクリーンオフェンス。

 

これは合わせやドライブ、カッティングを学ぶ上で、とても有効ですね。

日本の育成年代でも、こういったフリーオフェンスをつくっているチームも多くあるのかなと思います。

 

このコンセプトが一つの考え方として広まったら、面白くなりそうです。

 

ではまた、次の記事で!

 

 

 

PS.

この大学でプレーされている日本人は「酒井達晶さん」という方です。

酒井さんがこのオフェンスについて語ってくれている動画があるので、それを別の記事で紹介させていただきます。こういった発信をしてくださるのはとてもありがたいです。僕ができることで広めていきたいなと思います!


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