今回はシリーズものとして「ディナイディフェンス」について扱っていきます。
まずはじめにタイトルについてですが、「不要」という言葉を使っていますが、これは「絶対に不要である」ということを主張するためのものではありません。あくまでも一つの選択肢として「不要」というディフェンスを提示するためのものであり、また、一般的な常識として「二線はディナイをしなければいけない」ということを盲目的に信じている指導者の方に対して違った視点を示すためでもあります。今回は第一弾として、「ディナイディフェンスの良さ」を考えていこうと思います。
◆そもそも「ディナイディフェンス」とは?
図のように、ボールマンとマークマンを結んだ直線状に手もしくは体を入れて、マークマンに簡単にパスを渡さないようにするためのディフェンスです。「deny」という英単語は「否定する」という意味があるため、パスが通らないように、通ったとしてももらいたい場所でもらわせないようにする守り方です。一般的にボールを持っていない選手の守り方として最初に教わるのがディナイだと思います。
◆ディナイのメリット
メリットとしては「簡単にボールを持たせないことで、相手のリズムを狂わせて、シュート率を落とすことができる」といったことや「スティールをしてイージーシュート(速攻)に繋げられる」というものもあります。どんなに1対1が強い選手でもボールを持てなければ、その力を発揮することはできません。だから、ディナイをすればするほど相手のリズムを崩すことができて、個人としてもチームとしても気持ち良くプレーできなくなります。そして、勝ちにも繋がりやすい。
止まった状態でボールを受けたらシュートの確率は高くなります。でも、少しでももらいたい場所でもらわせなければ、動きながらのシュートになるためシュート率は落ちます。「ボールを取ること」を目的にするのか、「もらいたい場所でもらわせないこと」を目的にするかによって守り方は変わりそうです。「ディナイをすること」が目的にならないようにすれば、ディナイをすることで勝ちに繋がり、良いバスケに繋がると考えられます。
「強いチームはディナイが厳しい」
これは事実ではあります。特に中学生や高校生だと、厳しいディナイディフェンスから速攻を狙って勝つというチームがあります。それも一つの戦い方であり、バスケットボールの一部です。強いチームほどディフェンス力が高く、一番簡単なレイアップシュートに繋げるという展開で勝っているチームはあります。強いチームの真似をしようとして、ディナイを取り入れるというチームもあるはずです。
「じゃあ、ディナイをしたら勝てるし、良いことだからけじゃないの?」という感じですが、このシリーズのタイトルは「ディナイ不要論」です。あくまでこれは最初に話したとおり、「ディナイをしなくても勝ちに繋がる守り方がある」という選択肢を提示するためであり、ディナイを盲目的に信じている指導者に違う道を提示するためのものですが、どうしてディナイは必要ではないか?何かを高めようと思ったら、それと真逆の視点を取り入れることが重要です。なぜなら、真逆の視点を取り入れれば、自分が高めたいことを客観視できて特徴が浮き彫りになるからです。そして、真逆の視点にも必ず良さがあるので、そこから良いところ取りをすることで更に高い次元の考え方が生まれます。
どうしてディナイは必要ではないのか?
その視点を一度採用してみて、どういった理由があるのか考えてみましょう。このシリーズを読み終える頃には、ディナイについての考え方だけではなく、練習に対する向き合い方、時間効率を高める方法、ディフェンスをしながらオフェンスが上手くなる不思議な感覚、部活動の問題を解決するための道筋、日本のバスケットボールが向かう未来が見えるようになるはずです。そんな視点が身につくような記事を書いていこうと思います。いつもと違って、論理的にまとめていきます。違った意見などあれば、いつでもコメントしてください。それらを活かして、「ディナイ不要論」を創り上げていきます。
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