ドレイモンド グリーンから学ぶスクリーンのかけ方

今回はウォリアーズのDraymond Greenの動画を紹介します。

Pick&Rollは現代バスケットボールでは主流のオフェンスです。特にボールハンドリングとシューと力が優れた選手がいれば有効になるプレーで、NBAでも世界のバスケでも毎回のオフェンスで取り入れられているといえるほどのプレーです。今ではミニバスでも学んでいる子供たちがいると聞きます。それくらい誰もが学んでいるのがPick&Rollだと思います。

 

今回紹介する動画は、

・Greenのスクリーンの上手さ

・周りの選手のスペーシングと合わせ

を学ぶことができる動画です。

 

Greenのスクリーン

ピック&ロールでスクリーンをかける場合、ターンの方向が二つあります。一つ目はフロントターン、二つ目はバックターンです。どの場面でどちらのターンが有効になるかは人それぞれ場面によって変わると思いますが、ある程度の型はあるのではないかと思います。まずは、フロントターンのパターンを見ていきます。

○フロントターン

フロントターンの場合、ユーザーのディフェンスをスクリーンに引っ掛けることができます。この場面でバックターンをしていたら、スクリーンがなくなってしまい、Greenの右肩の方向からディフェンスにファイトオーバーをされてしまいます。フロントターンをすると一瞬ボールを見失うので、その後のパスはとりにくくなることがあります。ただ、ディフェンスをしっかりと引っ掛けることができるといメリットがあります。

フロントターンのタイミングとしては、「ボールマンがゴール方向にドライブができていること」が一つの基準になると思います。「ボールマンがゴール方向にドライブができている=ボールマンに余裕がある+スクリナーのディフェンスが下がっている」と考えられるからです。

 

○バックターン

バックターンの場合は、フロントターンとは違ってユーザーのディフェンスにファイトオーバーをされます。でも、その分、ボールマンの状況を常に把握することができるのでパスに対応しやすくなります。

バックターンのタイミングとしては、フロントターンとは逆で「ボールマンがゴール方向にドライブができていないこと」が一つの基準になると思います。「ボールマンがゴール方向にドライブができていない=ボールマンに余裕がない+スクリナーのディフェンスが上がっている」と考えられるからです。ボールマンがパスを出したい状況にあることが多いので、それを察知して予測して、バックターンをするのが良いと思います。

 

これらはあくまで一つの選択肢です。実際は、試合の状況に合わせて、その場の感覚に従ってどちらのターンがその場に合っているかを判断していくことが大切になると思います。Greenは二つのターンを絶妙に使い分けているように見えます。

 

 

周りの選手のスペーシングと合わせ

ピック&ロール(その他全てのプレー)の質を高めるためには、周りの選手の良いスペーシングが必要不可欠です。ピック&ロールをすると必ずディフェンスはスクリナー(もしくはボールマン)に寄ってくるので、その時に周りの選手がどの位置でポジショニング取り、どういった準備をしているかがポイントになります。

単純に、ピック&ロールをしているときにスペーシングが悪いと、スクリナーがゴールに向かうスペースがなくなり、アウトナンバーが生まれなくなります。この部分を見落としてしまうと、いくら2対2が上手くても良いシュートに繋がらなくなります。

 

○良いスペーシングを保つ

NBA選手がピック&ロールを華麗に決めることができているのは、ボールマンの技術力はもちろん、それに加えて周りの選手の良いスペーシングが関わっています。良いスペーシングがあるからボールマンに余裕が生まれ、ボールマンは味方の位置がわかり、駆け引きが生まれてきます。常にアウトナンバーの状態を作り出すNBA選手。

この状況になったら、後は駆け引き次第。Greenがその駆け引きの素晴らしいプレーを見せてくれています。周りの選手もただ止まっているのではなくて、常にシュートが打てる準備をしながらディフェンスの状況に合わせて合わせています。

 

基本のスペーシングは以下のような形です。

 

これらはあくまで型の一つです。

場面や選手の個性によってスペーシングや合わせ方は変わります。バリエーションについてはNBAを見ていれば様々な形からのピック&ロールが見られるので、正解不正解という二元論ではなくて、一つの型から派生している形をインプットして選択肢を増やしていくのが良いのではないかと思います。他のご意見があれば是非教えてください。ブログを通してシェアさせていただきます。

 

 

動画はこちらから。

ボールマンの駆け引き、パスのタイミング、スクリーンのかけ方、ターンの方向、周りの選手のスペーシングと合わせ、Greenのパスを受けてからの駆け引き、ピック&ロールが行われるまでのチームとしての動き、…あらゆる事が学びになる素晴らしい動画。まさしく、世界最高峰のバスケットボールリーグ!

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PS.

スペーシングの関しては、

4.型から自由な動きを作り出す

3.型に囚われて動きがなくなってしまう

2.無駄な動きが減って止れるようになる

1.動きすぎて味方の邪魔をしてしまう

という段階があると思います。

 

最初は下から始まり、成長に従って上に上がっていきます。

 

今回解説したことは、1と2です。これだけをしていると、必ず「良いスペーシングは保っているけど、止まりすぎてしまって流れが生まれない」という壁が出てきます。スペーシングは「創造すること」と「壊すこと」が大切だと感じています。スペーシングの視点がないバスケは無法地帯になりやすく、味方が味方の邪魔をしてしまいます。NBA選手からスペーシングを学ぶことでバスケの世界はまったく変わることを体験したことで、この情報発信が生まれました。ただ、「動き回ること=間違っている」「止まること=正しい」という二元論に陥ってしまうと逆に自由がなくなるので、本質を見抜く事が大事だと最近は感じています。3と4のステージについては、また別で記事を書いていこうかなと思います。



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