NBAのセットプレー解説 Horns

今回は、NBAのセットプレー、Hornsを紹介します。

 

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目次

1、ホーンズの概要

2、NBAでの実例

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1、ホーンズの概要

ホーンズとは、以下のような形から開始されるフォーメーションです。

Horns

トップ、左右のエルボー、左右のコーナーの一人ずつポジションを取ります。

 

『Horn』という英語は、『角』という意味があります。

それぞれの選手を繋げると、角のような形になるため、ホーンズと呼ばれています。

また、アルファベッドのAと同じ形をしているため、『Aセット』と呼ばれることもあります。

Horns  Aset

 

ホーンズには以下の特長があります。

  1. スペーシングが良い
  2. バリエーションが豊富

 

1.スペーシングが良い

ホーンズは、良いスペーシングでオフェンスを組み立てることができます。

そのため、オフェンスの選択肢が増え、簡単にオフェンスを行うことができます。

 

 

左右のコーナーに一人ずつオフェンスプレイヤーがいるため、コートを広く使うことができます。

普段バスケをしている時に、コーナーにオフェンスプレイヤーがいない状況が多くあるチームもあるかと思います。コーナーは、コートを広く使い、オフェンスの選択肢を増やし、DFに簡単に守られないようにするために、とても有効なポジションです。そのため、コーナーにオフェンスプレイヤーがいる、ホーンズは、オフェンスをシンプルにさせてくれます。

Horns space

 

 

②バリエーションが豊富

ホーンズは、一つの形から様々パターンのオフェンスを組み立てることができます。

後程、動画で紹介しますが、ホーンズの形(アルファベッドのA)から、ガードが動く位置、ガードがパスを出す位置によって、何十パターンにも変化します。そのため、DFからすると、形を一つに絞ることが難しくなり、先読みをしてDFをすることが難しくなります。

 

 

 

2、NBAでの実練

ここで、NBA選手がどのようにしてホーンズを行っているかを紹介します。

 

まずは、こちらの動画をご覧ください。

コチラの動画では、昨年のヒート対ブルズの試合の中で行われたホーンズからのオフェンスが集まられています。1試合を通して、何回かホーンズが行われていますが、ホーンズの形から様々なオフェンスが行われていることが分かります。

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=aSm-RJ_YzN0″ /]

 

 

お勧めのホーンズ・セット

【Horn Flex】

horns flec

ガード(赤丸)が、コーナーの選手にスクリーンをかけるセットです。コーナーにいる選手は、ガードのクロススクリーンを使うか、エルボーにいるダウンスクリーンを使うかの、2つの選択肢から選ぶことができます。

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=yp7eXaHrU7Q” /]

 

【Horns Pick&Roll】

horns pick

Hornsの形から、Pick&Rollをすると、スペーシングが良いため、効率よく攻めることができます。また、両サイドからスクリーンが始まるため、ボールマンは左右のサイドを攻めることができるため、自由度が高くなります。NBAでは、Hornsの形からPick&Rollをする形が良く見られますが、スペーシングが良いため、守るのがかなり難しくなっています。

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=erA6cW6F4-I” /]

 

『Rockets Horns Clear Twist』

これは、Pick&Rollの形から攻めるセットですが、上の二つの動画との違いは、コーナーの選手がいなくなるということです。コーナーの選手が逆サイドにクリアすることで、オンボールスクリーンをしたときに、2対2が成功しやすくなります。また、この動画では、最初にスクリーンをかけに行った二人のスクリナーが、別々の動き(一人がロールしてゴールに向かった場合は、もう一人は3Pラインに広がる)をすることで、DFが一人で二人を守れないようなスペーシングを作っています。

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=7gMxGTNw3UU” /]

 

【その他】

『Raptors Horns Pick&Roll/Dive Counter』

ラプターズのセットプレー。

コーナーでスリーを打つためのセットプレー。コーナーに移動する選手が、フレックスのようにして、ダウンスクリーンとクロススクリーンの二つのスクリーンを使っています。ダウンスクリーンがあるからこそ、DFはダウンスクリーンに気を取られ、もう一つのスクリーンに引っかかっています。

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=2FZuSdu_Qnk” /]

 

『Elevator door』

これは、ウォリアーズが、S・カリーとK・トンプソンに3Pを打たせるためのセットプレーです。

二人のスクリナーが、エレベーターの扉を閉めるようにしてスクリーンをセットします。これは、完全に予測をしていないと止めるのは難しそうです。予測していたとしても、二人のスクリナーが扉を閉めるようにスクリーンをかけるため、スクリーンを抜けることは困難です。(※形を見ればわかる通り、このプレーは、一見「Flex」と同じような形から始まっています。このようにして、同じ形から、様々なバリエーションがあるのがホーンズの特徴であり、相手はなかなか次のプレーを予測することができません。)

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=U0iRYOJn-O8″ /]

 

『Heat High Pick&Roll Chest Clear』

Heat horns

これは、ホーンズの形から派生したセットプレーです。

レイ・アレンにスクリーンをかけることで、レイ・アレンを『ズレ(OFが有利な状態。1対0.5のような形)』を作り、そのままレイ・アレンがスクリナーになることで、ボールマンと2対1を作り、そして、そのままレイ・アレンがフレアースクリーンをもらう…という最強のセットプレーです。これは、止められませんね…(笑)

[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=l9a5excLt7g” /]

 

他にも調べればいくらでも出てきます。

セットプレーは、あくまでゲームの流れが悪いときとかに使うべきだと思うので、バスケをより面白くするために是非参考にしてみてください。セットプレーをすることで、チームプレーやスペーシングの重要性に気づけるようにもなります。逆に、駆け引きがないと型に囚われた動きになってしまいます。そのバランスが大切ですね。NBA選手は凄い…!



Comments

“NBAのセットプレー解説 Horns” への2件のフィードバック

  1. […] まず、スパーズのオフェンスシステムは「Motion Offense」を中心に行われています。モーションオフェンスとはフリーランスのオフェンスではあるのですが、スクリーンプレーなどの約束事が決められているオフェンスのことです。モーションオフェンスは、フリーランスオフェンスよりも約束事が決まっていますが、セットオフェンス(Hornsなど)よりも自由度が高く、DFの対応に従って自由にプレーをすることができます。「ある程度の約束事は決まっているけれど、選手の動きは自由である」ということを前提にして動画を見ていきましょう。具体的なオフェンスシステムを紹介します。 […]

  2. […] スパーズのオフェンスシステムの一つです。トレーラー(ボール出しをした選手。一番最後にオフェンスに加わる選手)にパスを出し、逆サイドにボールを展開してから、ダブルスクリーンをウィングプレイヤーにかけるシステムです。そこからHornsに移行することもできるため、流れを止めることなく、効果的にオフェンスを組み立てることができます。※セットオフェンス Horns についてはコチラの記事をお読みください […]

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