こんばんは、原田です。
先週の土日、高知県で大和籠球の勉強会を行ってきました。
大和籠球オンラインのコミュニティメンバーで、
以前から僕の発信を見てくださっていたU15の指導者の方が連絡をしてくださり、
二日間、チームの「得たい成果」に合わせた内容をお伝えしてきました。
指導内容はこんな感じです。
・お辞儀のチカラ、姿勢の要点
・1対1のディフェンス(接触の使い方)
・スクリーンプレーのディフェンス(chase)
・ローテーションの基礎「Xout」
・サークルムーブ(コーナーカット)
・ダブルパンチ
・フェーズの繋ぎ方
・Chin
・ボール運び(shadow×Chin)
など
基本的に僕の勉強会は数年前から、コアとなる部分は変わっていません。
「お辞儀のチカラ」はこちらから強制的に伝えていることはありませんが、
殆どの指導者の方から「ぜひやってほしいです」と言われるので、ほとんど毎回伝えています。
あくまで「講義」ではなく「体験会」なので、
学生も指導者の方も、体感を通して学べるので、
腑に落ちやすく、今後も続けようと思えるワークショップだと思います。
お辞儀のチカラは「姿勢の重要性」でもあるんですよね。
ちゃんとした礼ができると、姿勢が正されてパフォーマンスが上がります。
もちろん、礼には「感謝を示す」という意味合いもあるので、
学生たちには今好きなことを好きなだけ出来ていることへの感謝を礼に表して、
コートでプレー出来ることへの感謝、相手がいることで試合ができることへの感謝などを示してほしいと思っています。
でも、そこをこちらから強制するのは違う(主体的にそう思えるタイミングで示せる人になってくれたらいい)と思っているので、
そこに関してもこちらから道徳の授業のような話をすることはなく、あくまで「バスケが上手くなりたい」という学生の気持ちに合わせて伝えています。
姿勢を変えるとパフォーマンスは変わります。
具体的に言えば、
出力されるエネルギーが変わるので、
シュートであれば飛距離が伸びやすくなったり、
押し合いであれば押されにくくなったりします。
筋トレとかフィジカルトレーニングも、勝つためには、スポーツでは必要なのでそこを否定しているわけではありませんが、
それらをする前に、姿勢を変えるだけで身体の状態は良くなるので、本気で上達したいのであればそこをやらない理由はありません。
そして、身体を整えることで「メンタル」も整います。
身体と精神は一つなので繋がっています。
もっと言えば、
「姿勢が精神を創っている」
とも言えます。
前向きな人は前向きなメンタルだし、
うつむいている人は気持ちも下がっています。
目に見えない精神を変えようとするのは難しいし、
メンタルトレーニングとか、そういう「言葉」や「意識」で変えようとする方法もありますが、
それもまた難しい。
なぜかというと、実体がない非物質的なものだからです。
でも、「身体」というのは実体があります。
姿勢の良い悪いというのを物理的に評価できるし、
自分の意識で具体的に改善していくことができます。
ここがとても重要です。
身体を整えることで精神が整う。
精神を整えたかったら、身体から整える。
これが確実です。
それを最短かつとてもパワフルにできるのが「礼」なんですよね。
僕が伝えている「お辞儀のチカラ」は、
武術の酔拳で世界チャンピオンになった師匠から学んでいることで、
「礼に始まり、礼に終わる」という文化をスポーツに応用したものです。
あくまで「パフォーマンスを上げるためのツール」として。
まずは自分のため、バスケを上達させるために「礼」の習慣を身に付け、
そこに自分の中で自然と「感謝」の想いが生まれたら、想いを追加していったらいい。
そういう風に僕は思っています。
今回の高知での勉強会は、1日目はミニバスチームも参加してくれたので30名以上の子どもたちとバスケをしました。
午後からはバスケをしたのですが、
今回、これまでやってきた勉強会とは違うアプローチで、
「大和籠球」、バックカットやプリンストンの要素を伝えました。
それは何かというと、
・ディフェンスを先に教える
ということです。
僕はこれまで、プリンストンをベースにバックカットを指導してきたのですが、
2日間の勉強会で課題だと感じていたことがあります。
それは、
・2日間で伝えられることは限界がある
・ディフェンスの強度を高めないと普段の練習が練習のための練習になってしまう
ということです。
いつもはバックカットの指導から入るので、
・Dribble at→バックカット
・ダブルパンチ
を先に教えていくのですが、
そうすると、ディフェンスの強度がどうしても高くなりません。
ディフェンスの強度が低いままだと、
強度の低い相手には通用するけど強度が高くなると通用しなくなる
という問題が起きてしまいます。
なので、今回は「chase(後追い)」のディフェンスを先に教えました。
Pick&RollやDHOに対して、underやslide through、switchで守らずに、
fight overもしくはchaseで守る習慣を先に付ける。
そうすることで、ディフェンスの強度が高くなり、
その後にバックカットの指導をするとゲームライクになります。
今回はそういう順番でやりました。
スクリーンに対して、アンダーやスライド、スイッチで守ることも戦術の一つなので、
それらも必要なのは間違いないですが、「楽をした結果そういう守り方をしている」ということがよくあります。
楽をしてスイッチする、のと、
戦術的にスイッチをする、のは全くの別物です。
chaseをすることで後追いになるのでアウトナンバーは生まれますが、
underやswitchとは違って、積極的な守りであり、相手にプレッシャーをかけられます。
何よりも、簡単にスリーを打たれることが減り、
相手にドライブをさせる守り方になるので、その後の判断を強いることができます。
詳細は全体の指導を見ないと伝わらないことがあると思いますが、
中学生たちに伝えたことは、
・普段のディフェンス強度を高めることが勝利に繋がる
・勝ちたい気持ちがあればディフェンスの意識を高める必要がある
・楽をするunderやswitchをしていると相手に簡単に打たれてしまう
・chaseやfight overはチームディフェンスのスタートとなる守り方
といったことです。
その結果、選手たちは足を使うので疲れていましたが、練習の対人の質は高くなりました。
その後はいつもの大和籠球の流れで、
・ドライブへの合わせ「サークルムーブ」
・ダブルパンチ
を指導しました。
ダブルパンチは、細かく言うと、たくさんの選択肢があって「ディフェンスがこういう守り方をしていたらこれが効果的」というのがあるのですが、
2日間の勉強会でその他のことも伝えないといけないこともあり、また、選手たちの雰囲気や大会までの時間(あと1ヶ月後に試合)を考慮して、かなりシンプルに伝えました。
そういう伝え方も、目の前の選手を見て、指導者の理念や普段の指導法を見ながら変えていっています。
今回のチームは、ガードの子がとてもうまく、Pick&Rollが得意なチームだったので、こういう伝え方をしました。
「今は〇〇のPick&Rollがチームの武器で強いと思うけど、相手もそれは分かっているから対応してくる。
今は『一つのパンチ(攻撃)』という感じになっているけど、それを「2つのパンチ(攻撃)を同時に起こす』というのをやると、相手はもっと守れなくなる。
ダブルパンチの後にDHOから今まで通りのPick&Rollに入れば、ドリブルから入るPick&Rollとは違って守りにくい」
中学生年代は、このくらいの言葉とシンプルな動きでダブルパンチを理解してもいいかなと思っています。
高校生や大学レベルで、戦術遂行力が高いチームであれば、
もっと細かく、スクリーンの位置、動き出しのタイミング、フレアーカット、その後の選択肢なども伝えます。
その他、ディフェンスについては、
NBAを含めて現代バスケの基礎になっている「Xout」についても実践しました。
ディフェンスの視点を伝えたのは、
先ほども言ったように、普段の紅白戦の強度を高めることで自分たちが目指す目標に近づけるようにするためと、
あとは、次のカテゴリー(今回の選手たちであれば次はU18)に上がった時に、チームディフェンスの基礎を身に付けておいてほしいという想いからです。
Xoutについてはこちらの動画を参考にどうぞ。
また映像については編集でき次第、共有していければと思います。
今回、声をかけてくださった指導者の今西さんは僕の発信をずっと前から見てくださっていて、
振り返ると最初にメールをいただいたのは2021年でした。
それ以降も、僕のYoutubeを見てくださって、
大和籠球の教材も買ってくださり、オンラインコミュニティに入っています。
4月は東京で勉強会を開催したタイミングで僕が大和籠球のメルマガを書いたところ、
メルマガに反応してくれて、たまたま今西さんも東京にいたので一緒にご飯をして、
その時、新田高校(愛媛)の玉井先生と繋いでくださいました。
※新田高校の話は別のメルマガで書きます
高知県初めて指導で訪れましたが、
今日さんがとても親切におもてなしをしてくださり、
学生たちも暑い中、一生懸命学んでくれて、とても楽しい2日間になりました。
大和籠球という活動がこうやってご縁で広がっていることがとても有難いです。
僕の発信、Youtubeはマニアックで長い文章や動画が多い中、
皆さん、時間を取って受け取ってくださること、とても有難く思っています。
ありがとうございます。
「バックカット」
という誰でもできるシンプルな動きを
長く深めてきて良かったなぁと思えるのは、
勉強会で直接、指導者の皆さんと選手の皆さんに会える瞬間です。
今回の出会いも時間も、とても有難かったです。
今西さん、いずみさん、富部さん、ありがとうございます!
来月は大阪でU18のチームを2日間指導します。
勉強会(直接指導)の依頼、相談はいつでもご連絡ください。
今後とも大和籠球をよろしくお願い致します。
それではまたメルマガ書きます!
PS.
Twitterで告知したのですが、「指導者合宿」を東京で開催します!
詳細は今週中にまとめてお送りしますが、
今のところ、日程と場所が決まっているので連絡します。
◆大和籠球「指導者合宿」
日にち:8/9(土)10(日)
場所:東京都杉並区
指導者向けの合宿です。
普段僕が発信している大和籠球の内容を、指導者の方と実践しながら、
その場で質問に答えたり、新しいアイディアをみんなで出し合って創造していく場にしていきます。
バックカットの指導法など、大和籠球の指導法を指導者の皆さんにお伝えします。
土曜日の夜は懇親会もするので、皆さんとリアルで交流できると嬉しいです!
興味がありましたら日程空けておいてください!
PS.
大和籠球の直接指導の依頼は、こちらから。
https://forms.gle/wKHPD3aNFPqSqmpW8
PS.
新田高校(愛媛)の玉井先生からバスケを学ばせていただきました。
2日間、密着取材という形で練習や練習試合の様子を撮影させていただき、
今、Youtubeに公開できるように動画を編集しているところです。
「日本一のパスバスケ」、玉井先生の指導、お楽しみに!
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