第1回勉強会@富山「スリーが届かなかった高校生」

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第1回の大和籠球の勉強会をやってきました。

今回は富山県開催ということで高校生の方からの連絡があり、あとは社会人バスケをしている方も参加してくれました。富山には武学籠球の慎さんがいて、僕が発信している武術の内容は師匠の慎さんの視点が軸になっているので(慎さんは慎さんで武学の師匠がいます)、今回は慎さんにメイン講師をしてもらいました。内容はシュート中心、シュートって人それぞれ違うから「とにかく打って入るようにするしかない」「人それぞれフォームは違うから教えられない」という考え方もありますが、今回は「人それぞれ違うからこそ、一人ひとりに合ったものを見つけていく必要がある」ということで、一人ひとりの身体に合ったシュートフォームというのを見つけていきました。

今回は高校の部活でプレーしている方も参加してくれたのですが、スリーポイントが届かなくて困っているという悩みがあり、足の幅からボールの持ち方、リリースの角度、膝の曲げ方、セットの位置などを、一つ一つ身体でチェックしながら「ここが良いね」というのを見つけていきました。シュートを打つ時に「型」と呼ばれるような基礎があって、まずはその型を身に付けるっていうのが一般的かなとは思います。「手首の角度は90°」「手のひらはつけない」「肘を閉めて」「フォロースルーをリングに向けて」などなど。これらは僕も教科書を読んで学んできたことです。でも、それが正しいかどうかは自分の身体に合っているかによって変わるもので、そこを見つけていく必要があります。

高校生の頃の僕は、初めて買ったバスケの教科書を読んで、シュートフォームをそこで書かれていた通り真似してやりました。肘を閉める、膝を使う、フォロースルーを必ず残すなどなど。このブログでも昔はそういう形の発信が多かったかなと思います。でも、それはその教科書に載っているプロ選手とか見本の選手の「綺麗なフォーム」と言われるフォームを解説したものであって、それが教科書通りと言っても、正解かどうかは自分の身体に聞かないとわかりません。自分の身体に聞くとは、文字だけでは伝えきれないですが、「相手に影響するかどうか(ボールに影響するかどうか)」ということです。今回はそれを身体を整えるというところから始めていき、対人で相手に対して影響する身体の状態(頸椎、胸椎、仙骨、目、墜手など)を創ることをしました。シュートの説明ですが、ボールを使わずに、まず人に対してやっていくのは、「対人で影響する身体の状態は、ボールに対しても同じように影響する(ボールに力が伝わりやすい)から」という考え方から来ています。僕も一緒に参加者とやりましたが、何度やってもやっぱりそうなるので、身体って面白いなぁと再確認しました。

 

今回は「体験しないとわからないこと」というのを参加者の皆さんは感じてくれていました。そして、時間があっという間になくなり、5時間近くやってましたが、ずっとバスケをし続けて気付いたら時間が終わってました。時間がなさすぎたのでやっぱり勉強会は1日を基本にしていきたいなと思いました。今回は少しだけ3対3もしたのですが、それはほとんど時間がなくて15分くらいで終わりました。賢者の視点(強いディフェンスが相手でもチャンスを創るバックドアとかスクリーンプレーなど)もとても面白いし伝えたいことですが、今回の参加者の方が求めていたことがシュートだったので、それに合わせた内容になりました。やっぱり大和籠球は「何でもあり」「フルオーダーメイド」の勉強会にしていくのが一番だと感じたので、引き続き、参加者の方の要望と質問に合わせて内容を決めていく形にしていきます!

 

 

今回はシュートをメインにやって最後に定番の1対1をしました。慎さんと僕がいつもYoutubeにアップしている動画を見ると「ディフェンスが手を抜いている」ように見えるくらい簡単に抜かれているシーンが多いのですが、実際に1対1をすると皆さんも僕と同じように慎さんに抜かれていたりして「あれ???」という感じでみんな笑顔になっていました。やられても笑顔になってしまう、そんなドライブです。

僕も久しぶりにいつもやっている慎さん以外の人と1対1をして新しい発見がいくつかありました。面白かったのは最初はみんなステイローで力を入れてディフェンスをしていたのに、するっと一歩で抜かれたり、ウォータードライブをされると自然と力みのない姿勢に変わってプレッシャーをかけなくなっていくというところでした(ステイローが絶対に悪いという話ではないです)。「力みをなくさないと止められない」「プレッシャーをかけたらやられる」というのを身体で体験しているので、自然とそうなっていくんだろうなぁと思いました。僕は僕で慎さんとはまた違うタイミングでドライブとかをして、力や技でズレを作るのではなくて、ズレを見つけて一瞬の隙を狙ってドライブをするというのを意識して楽しみました。その時の僕の映像はこちらです。あくまでハイライトですが、「最小限の力で最大の成果を出す」というのを目標にやっています。

 

1対1を30分くらいやった後は、僕や慎さんが普段やっている武術的なドライブやディフェンスの”からくり”というものをお伝えしました。

どうして手を抜いているように見えるのか?どうして力を入れれば入れるほど抜かれてしまうのか?どうしてステイローをしていないのか?どうしてハンズアップをしていないのか?何を考えてドライブをしているのか?どうしてドライブが「速い」と感じるのか?どうして反応ができないのか?どうして抜かれても「やり返してやる!!」という感情が生まれず笑ってしまうのか?何をしていけばそういう動きが身に付くのか?その視点をどうやって自分の動きに活かしていけばいいのか?

といったことを伝えました。こういう動きは「何となくやっている」というものではなくて、全て言語化して伝えていけるというのが僕らが今学んでいる武術の視点です。それを僕らも伝えることで新しい発見があるので、伝えていくことは僕らにとっても勉強になります。

僕らがやっていることは本当に「誰でもできる」ことで、筋力がないとできないとか、身体能力がないとできない、ドリブルが上手くないとできないってものではありません。動画の中で僕もやっていますが、ピボットができたら抜けるというものです。だから誰でもできます。でも、誰でもできることでも「簡単にできるか?」というと、そういう話でもありません。誰でもできることをどれくらいの熱量で取り組むか。よく受験とかで「どこの学校に行くかが重要なんじゃない。何をするかだ」って言われますが、それと似ていることですね。

 

そして、これらは全員が同じ動きをするというものではなくて、それぞれの個性が伸びる視点です。僕は慎さんから武術を学んでいるので同じようなドライブとかディフェンスの考え方の元やっているので似ていますが、そこに慎さんにはないタイミングのドライブとかドリブルとかシュートを組み合わせているので、慎さんとはまた違った動きになっています。今回の勉強会には慎さんの講座に参加されている方で前にも一度会ったことがある方がまた来てくれたのですが、その方も武術の視点と自分の個性を掛け合わせていました。前よりも更に進化されていて、僕らよりも年齢は10歳くらい上の方なんですが、まったく年齢を感じさせないプレーで、年齢関係なく切磋琢磨していけるというのが僕は本当に楽しかったです。

 

 

今回の一日で、スリーポイントが届かなかったという高校生は届くようになりました。でも、まだ当然ですが安定はしていないし、身に付いているところまではいっていません。でも、「あ、こんな感じでやればいいんだ」っていう”感覚”が身に付いていたので、それさえあれば後は自分で「これは違う」「今の良い感じだ」って思考錯誤していけばいいだけです。感覚が先にあれば後か技術は身に付いていくので、今回の体験がその後のバスケ人生、数年後、人生に役立つ時間になったらいいなぁと思います。きっと、そんな今後の時間密度を変える体験になったはずです。見違えるようにシュートが変わっていて、入った後の喜んでいるところを見れて、僕らも拍手拍手でした。

シュートについては前の記事でも書いたように「シュートを打とうとするのではなくて、パスをする感覚でゴールにボールを届ける」っていうのを実践していたんですが、前のシュート(セットをして振りかぶる形のシュート)になってしまう時は「あ、シュートになっちゃった!笑」と言っていて、その言葉がそもそも面白いなぁ(笑)とみんな笑っていました。パスの感覚からシュートへの移行。これも実際に僕も同じようにやって試行錯誤していますが、とても効果的な視点だなぁと感じてます。

 

…書いても書いても文字だけだとなかなか伝わらないところもあるかと思うので、この辺で!僕にとっても今回の第1回目の勉強会をしたことで、実際にお会いして話をして質問と要望に応えていくというのが一番だなということを感じたので、一つひとつの勉強会をしっかりと準備して開催していきたいと思います。参加者の皆さん、ありがとうございました。また会いましょう!

 

 

PS.

動画も撮影したのですが、「これは体験しないと伝わらないことばかりだなぁ」と思ったので公開していくのはあまり考えていません。もしかしたらダイジェストみたいなものを作るかもしれませんが、内容とか雰囲気は案内文にある動画や参加者の方の感想を見てもらえたらなと思います。

 

PS.

大和籠球(勉強会)への参加はこちらから。

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