僕は今、武学籠球の慎さんからバスケを学んでいます。
もともと大学の先輩だったこともあって、
大学三年生の時に初めて体育館で1対1をしてからの仲なんですが、
それから慎さんも情報発信を始めて、今は通信講座を運営したりしています。
その中で、この前、慎さんの1対1を体感したいという講座参加者の方が
慎さんの元に来たので、僕も一緒にバスケをさせてもらうことになりました。
最近はブログでも自分のプレーを載せています。
今まで基本的に自分のプレーも実績とか肩書き(ほぼないです)も載せていなかったのは、
自分のプレーというよりも、文章で自分の理念を伝えていきたいという気持ちがあったからです。
あとは、過去の実績とかではなくて、
今発信していることで価値があるかないか
というのを感じてもらえたらなと思っていたからです。
それで、最近プレー動画を載せているのは、慎さんから武術の世界を本格的に学ぶようになって一年経って、
最近はようやく、自分のプレーが変わってきたという実感を得られてきて、多くの人に伝えたいと思っているからです。
この発信では「NBAの凄さ」ということで、
アメリカでバスケをしたこともないただのバスケ好きがNBAについて語っているというサイトですが、
紹介していることは空想の理論とかではなくて、全部、実際に自分でプレーしてみて指導をしている視点です。
それは文字で伝わると思っていたんですが、
武術の世界は実際のプレーを載せないと伝わらないので、最近は載せるようにしています。
一人でも多くの人に知ってほしいと思っています。
そんなこんなで、慎さんの元に関東から1対1をしにきた方と一緒にバスケをしました。
慎さんのディフェンス講座に入っている方だったので、
講座の中で伝えていることを慎さんが実際にボールと身体を使って伝えていて、
その日のうちに、「体験しないとわからない不思議な感覚」というのを体験されていました。
武術の世界というのは本当に面白いです。
慎さんがディフェンス講座で伝えているのは、
「踏ん張りをなくして自分の姿勢を乱さず、相手に攻めさせるディフェンス」
です。
ディフェンスって普通は相手に合わせてつくか、相手のボールを取ろうとするか、相手を止めようとしますよね。
「いや、相手を止めることがディフェンスでしょ。何を言ってるんですか(笑)」
って言いたくなると思うんですが、ほんと、そう思いますよね。笑
僕も最初はそう思っていたんですが、
慎さんから本格的にここ一年学んでいると、
この謎の言葉の意味が腑に落ちてきたんです。
自分が相手を止めようとすればするほど、相手は「止められたくない」という意識が生まれるので、
結果として、相手はドリブルで揺さぶったりして様々なフェイクをかけて「抜いてやる」となります。
その結果、相手に攻められてしまうわけです。
相手に攻められているということは、主導権が相手にある状態。
その状態だと、相手が好き勝手コントロールできるので、相手に合わせるしかなくなります。
そうすると、左右に振られるし、相手に気持ちのいいシュートを打たれるしで、能力勝負になります。
そして、もう一つ、
自分が守ろうという意識を出していると、
相手の能力を高めることに繋がります。
これまた面白い発想で、
「止めよう」とするから、「止められたくない」が生まれて、
相手のドリブルスキルとかフェイクとか攻める意識を引き出します。
結果、相手が持っている能力を引き出すか、もしくは相手を強くしてしまうことに繋がります。
だから、自分から相手を止めようとせず、
相手に「攻める」という意識を引き出さないようにすると、
相手は何でもできるがゆえに迷って、考えるようになります。
人は思考が介入すると身体が固まるため、
「考えている」という状態はプレー中はあまり良くないです。
(試合前の戦術、試合後の振り返り、練習で知識を学ぶ時や練習の合間などで考えることは必要です)
その結果、相手の「無」の状態に対して、何かしらの「攻め」を選択するのですが、
この時、すでに主導権はディフェンス側にあるので、ディフェンスは「攻めさせている」状態です。
つまり、ガンガン攻められるのではなく、
自分の間合いで相手をコントロールして、
自分が打たせたいシュートを打たせたり、
行かせたい方向を行かせることができるようになるというわけです。
これは先ほどとは逆で、
何もしないことで相手の能力を引き出さない
という武術的な考え方です。
・・・というのを講座の中で話されていて、
言葉だけだと何だかポカーンとしてしまうと思うんですが、
それを実際に参加者の方は体験されていて楽しそうでした。
ここまで僕も言語化できるのは、僕が毎回やられているからです。
そして、自分でもそういうディフェンスを実践して身に付けている途中だからです。
そんな武術の世界はまた別の記事で書くとして、
今回は、その参加者とバスケをしている隣に、
新中学一年生のなる子がお父さんとシュートを打ちに来ていました。
たまたま慎さんの稽古仲間が教えている中学に進学する子で、
慎さんの稽古仲間もたまたま僕らと一緒にバスケをしていたので、
その新中学一年生(ソラ君)にバスケをちょっと教えることになりました。
お父さんは野球が専門だったので、「何かアドバイスがあればお願いします」と言われて、
ソラ君にいろいろと質問をしながら、スリーポイントシュートに関して少しアドバイスをしました。
ソラ君はミニバスをやっていたので、
中学になれば、ボールも大きくなるし、リングも高くなります。
だから、シュートの飛距離が伸びずに苦戦していました。
フリースローからシュートを打ってもショート。
力いっぱいシュートを打ってもボールに回転がかからず力が伝わらない。
そこで、まずソラ君に質問してみました。
「今、どんなことを意識してシュートを打ってる?」
そしたら、ソラ君は、
「肘を真っ直ぐにすること、
手のひらにボールをちゃんと乗せること、
シュートを打った後にちょっと前に飛ぶこと」
と答えてくれました。
それらはコーチの方から教わってきたことだと言っていました。
それを聞いて僕は、
「なるほどね。とりあえず、今は、
意識してたことを一回忘れて、ちょっとパスしようか」
と伝えました。
対面で10回くらいワンハンドプッシュパスをしました。
すると、ボールには回転がかかっているわけです。
シュートならかからないけど、パスならかかっていました。
それを見て、
「今、パスだと回転もかかっていて力が伝わっているよね。
その感覚で、リングにパスをする感覚で、そこからシュート打ってみて。
シュートっていうよりはパスね(笑)」
と伝えたら、
今まで届かなかった場所からでもボールが届きました。
それもボールにちゃんと回転もかかっていて力みも少ない。
ということで、
「リングにワンハンドプッシュパスをすればいいよ」
という風に伝えたら、すぐにシュートが向上しました。
最初は前傾姿勢になったり、膝を大きく曲げすぎたりして、
アーチが低くなったり距離を調整できなかったりもしていましたが、
とりあえず、
「シュートはパスみたいにすればいいんだ」
という感覚の部分を最初に伝えたのは、
全体像としての感覚が先にあった方が後から細かい知識が身に付きやすいからです。
近くからシュートフォームを創っていくことも大切で、それは絶対に必要というくらい重要だと感じています。
ただ、その時に確認することも結局は「全体の連動性」なので、その感覚をつかむには「パス」が一番いい方法です。
「シュートが楽しい」という感覚と、
「パスみたいに打てばボールに力が伝わるんだ」という感覚があれば、
あとから細かい腕の位置とか膝の曲げ方とかは調整しやすくなります。
もちろん、小さい頃に変な癖を付けないことは大事なので、
ソラ君くらいの年齢では一つ一つ丁寧に教える必要があると思います。
ただ、近くから細かいことを意識して打っていても、
なかなか回転もかからず、「頭の上にセットしてからシュートを打たないといけない」という考え方に縛られている感じだったので、
とりあえず、全体像として「パスの感覚でシュートを打つ」ということを今回は伝えたという話です。
最近、NBA選手のシューティング動画を見ていても、
1モーションシュート(セットをしないシュート)の選手が増えていますし、
「シュートを打つ」というよりは「ワンハンドプッシュパスで空間にボールを放っている」
という感じに近いように思います。
リンのシュートフォームが変わった気がする⁉︎ワンハンドプッシュパスの延長線で打っているように見えますね。実際、これがシュートの飛距離を伸ばす効率が良く効果的な方法で、力感を調整すれば距離感も掴めることを最近知りました。pic.twitter.com/YEyXDQAzvV
— NBAで凄いのはダンクだけ⁉︎ (@nbanotdankudake) 2019年3月15日
セットポジションとは…?
— NBAで凄いのはダンクだけ⁉︎ (@nbanotdankudake) 2019年3月19日
pic.twitter.com/QfI5uHha4k
シュートフォームは人それぞれなので、自分に一番合った形を日々模索していくものなんだろうなと思いますが、
今回ソラ君に伝えた「シュートはパス」という考え方、本当にパスをするつもりでやると結構、感覚が変わります。
これは武学籠球の慎さんも賢者籠球の鶴も言っていることで、
僕はそんな発想を今まで一度も持ったことがなかったので、とても面白いなと思いました。
実際、自分でもソラ君に教えながら自分でもパスだと思ってシュートを打ってみると良い感じでした。
後は、ここから細かいところ、
・ボールの持ち方
・シュートを打つ時の目線
・身体の軸やスタンスの幅
・膝の曲げ具合
・全体の連動
…
などを試行錯誤していくと、
全体の感覚から部分が繋がってくる感覚があります。
ソラ君に伝えた後にシュートを打ったらこんな感じでした。
これでもいちおう自分の過去と比べたらだいぶ良くなってきたのですが、
まだまだ改善したいところはたくさんあるので、毎日試行錯誤したいと思います。
このフォームを慎さんに見せたら、
「まだリフト(腕を上げる)のタイミングが遅い」
というアドバイスをもらいましたが、
「やっぱりそうですよね(笑)」という感じでした。
動きを変え続けてもなかなか変わらないのは、自分の素直さが足りないから。
これは自論ですが、そうだなぁといつも思います。
課題がわかっているのに改善されないのは、情報の受け取り方が素直ではないから。
あとは、結局最後は何を学ぶかとかじゃなくて、「どう取り組むか」なんだろうなと思います。
そんな素直さをバスケが教えてくれてる気がいつもします。
バスケに対して素直に向き合えば、普段の自分も素直になれる。
ソラ君は僕の話を素直に聞いてくれました。
「シュートはパス」
という言葉を僕は前から慎さんや鶴が言っているのを聞いていましたが、
「面白い発想だなぁ(笑)」と思いはするものの、それで止めていました。
素直に、言葉を受け取って、
素直に、とりあえずやってみる
ってことをしていませんでした。
情報を鵜呑みにして、それが全てになるのは違いますが、
まずは自分の偏見をなくして素直に人の話を聞くのが大事だなと、ソラ君から教わりました。
子供たちの素直さを僕ら大人たちはなくさないようにしないとですね。
そして、動きを変えることに終わりがないので、本当に面白いですねバスケットボール。
そういえば、イチロー選手が引退会見の中で、
バッティングフォームについてこう言っていました。
最終的な形はない。これがまた残酷なところなんですよ、打つということの。打撃の技術として最終形がないというところが。だから、前に進もうとする意欲が出てくるともいえる。後退することも、もちろんある。本当は後退したくない。そのままずっと上がっていきたいけど、なかなかそうはいかない。
ハッキリしているのは、「近道はない」ということ。後から考えると遠回りだと思うことは確かにあるけど、でもそれは一番近い。あるぼんやりとした自分の理想に近づく一番の方法は「遠回りをすることだ」と今はハッキリと言える。
この言葉は、前に紹介した漫画
『からくりサーカス』のセリフにも通じますね。
”進化の反対は「退化」じゃなくて、「無変化」だ。”
武学を学んでいる慎さんも同じようなことをいつも言っているし、
慎さんが紹介している動画を見ると、硬い知識が柔らかくなりますね。
「フォームを固める」
— 武学籠球 (@TTKRCJ) 2019年3月2日
とよく言うが、フォームに縛られてはいけない
固めながらも柔軟な身体を持って、常に進化していかなければいけない
という僕はフォームを固めようと思ったことがない…
日々身体も変化するのだからフォームも変化するのは当たり前
その変化に臨機応変に瞬時にフォームを創る
この選手を観れば一目瞭然
— 武学籠球 (@TTKRCJ) 2019年3月4日
シュートには体格、筋力も必要なのかもしれないが一番は身体の連動が重要だということが
自分の外ばかりに答えを求めるのではなく試行錯誤してさっさとやるべし https://t.co/9ydzOq2eTH
大人は生きてきた中で余計な知識、思考をつけすぎて囚われすぎている面もある
— 武学籠球 (@TTKRCJ) 2019年3月5日
一方、子供は素直で自然でなんの囚われもない
ということがわかる動画
まずは子供から学ぶ必要が大人にはありそうですな https://t.co/z4p4YQBKRv
僕もシュートフォームは毎日変わってます。
昔は本当に苦手意識が強くて飛距離を伸ばしたいとトレーニングとシューティングをひたすらやってましたが、
シュートフォームを見直すようになってからは毎回のシューティングで最低一つは何かしらを変化させています。
シュートフォームを変え始めてからは、
何度も退化して下手になってシュートが入らなくなって、たまに入るようになって、
「これで固めていけばいけるぞ!」とテンションを上げたら、またすぐに改善点が見えて、結局またフォームは変わっていく
・・・というのを永遠と繰り返しています。
それが面白いところですね。
数年前から動画を撮っているので、
いつか時系列に並べてみたいなぁなんて思いながら、
まだまだ今のフォームを見直したいので、いつも後回しにしています。笑
日々進化を!
PS.
「シュートはパス」に関する武学籠球の慎さんの記事はコチラから。
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