最近、こんな言葉を聞きました。
とある大学生が引退後に言っていた言葉です。
「NBAってさ、ほとんど戦術なわけじゃん。なのに、なんであんなに1対1ができるのかわからなかったけど、その理由がわかったよね。あれも結局は型があるから1対1が自由にできるしスクリーンプレーが決まるわけだよね」
「今までは戦術って何?って思ってました。ハイライト病じゃないですけど、僕、大好きなんですよ。カッコいいじゃないですかダンクとかクロスオーバーとかって。だから暇さえあればハイライト見てるんですよ僕(笑)でも、初めて『バスケットボールが奥が深い』っていう理由がわかりました。今まで1対1が強い選手だけが試合に出る環境だったので、それがバスケだと思ってたんですけど、一つの戦術でここまで広がるのかって本当に驚きました。本当にいい経験をさせてもらったなと思っています」
引退した後に選手がこう話していました。
まさに僕が感じたことと同じ、
僕がこの情報発信を始めようと思えたときの感覚と同じことを
身近にいた学生が感じてくれていたことがとても嬉しい気持ちになりました。
そうそう、その感覚ね。
最高だよね、その感覚。
わかるわかる。
そう思える温かさがありました。
試合に勝って、「よっしゃー!!」っていう感じではなくて、
心が落ちついていて心が温まるような、そんな感覚がありました。
NBAを見ている人は数え切らないくらいの人がいます。
どれくらいの人が見ているのかはわかりませんが、
NBA選手のプレーを「自分たちとは違う世界の話」として考えている人と、
「NBA選手たちは凄い。自分たちのバスケの参考になる」と思えている人がいます。
NBA選手たちが異次元なのは言うまでもありません。
でも、異次元だけど、
自分たちのバスケと同じだ
と実感できることがあるのです。
僕はこれが本当に感動的でした。
NBAを見始めた小学生の頃、
真似したいと思っていた中学生の頃は、
自分の頭の中だけで1対1のシーンをイメージして、
それになりきっている自分でプレーをしていました。
それはそれで楽しい時間でした。
毎回試合を見返すときは、
自分の1対1のシーンを繰り返し見て、
友達や兄弟とは1対1ばかり練習しました。
今でも1対1なら何時間でもできるくらいです。
バスケットボールの楽しさを教えてくれたのは1対1でした。
でも、今思い返せば、
試合中は一人相撲をしているだけ。
味方との連携とか、パスの楽しさとか、
そういうことは一切考えずに、
今時分で振り返っても驚くほど、
「マークマンとの1対1」以外頭にありませんでした。
それは、僕の中では、
「NBA選手=1対1(アイソレーション)」
という印象しかなかったからです。
でも、違いました。
スペーシングやスクリーンプレー、
チームとしての「型」を取り入れたら、
NBA選手がどうして1対1が試合中にできるのか、
ダンクなどのハイライトプレーがどうして生まれるのか、
どうしてあれだけの戦術があるのに自由にプレーできるのか、
といったことを”実感”できたのです。
これが本当に衝撃的で、そして楽しいことでした。
NBA選手と同じプレーをすることは不可能です。
でも、
NBA選手のようなプレーをすること、
NBA選手のようなチームプレーをすること、
NBA選手のように戦術の中で1対1をすること、
それらを体感することはできます。
最近関わっていた選手たちは引退後、こう言っていました。
「今まではドライブをしたら自分のシュートしか選択肢になかった。でも、今ではパスコースが4つある。ベンチから声を変えたら試合に出ている5人が少し自分の声がけで変わっていく。自分がベンチから出てもやるべきことがわかっていたし、自分が交代しても代わりのやつがやってくれると期待できる。練習でやってきことが試合に出せる。こんな感覚は初めて。今までやってきたのはバスケットボールだったのかって思えるくらい違った」
「練習でやってきたことをやろう!」
という言葉がけはあるけれど、
実際に、練習通りのプレーってどれくらいの選手ができるでしょうか。
選手というよりもチーム。
「チームとして練習をしてきたことをやろう」
という声がけで、全員がそれが何かがわかり、
それに向かってチームがまとまって動いていける。
この感覚は口では簡単に思えるけど、
実際に、試合中に体験した人は少ないと思います。
少なくとも、最近関わっていた大学生たちは、
初めて練習と試合が本当の意味で繋がった
ということを話していました。
バスケ歴はもう10年以上です。
NBA選手のプレーに憧れる人は多いはず。
でも、そのNBA選手たちを
ただのハイライトを作るアイソレーションのバスケットマン
という風に捉えるか、
チームの一員としてチームプレーの中で活躍しているバスケットマン
という風に捉えることができるか。
それは大きな違いだなと思います。
僕が今、NBAの凄さを発信しているのは、
ただ単に戦術とかスキルを広めたいだけではありません。
「NBA選手って凄いんだ」
と思えるようなバスケットマンを増やすこと、
それはつまり、自分がやっているバスケとNBAのバスケが繋がっていることを実感できて、
NBA選手のような見ていて楽しい、ただハイライトが楽しいというだけではなくて、
バスケットボール的な駆け引き、スペーシングやスクリーンプレーやパスやチームプレーなど、
そういったことの凄さを、NBA選手の本当の凄さを”体感できる”人を増やしたいと思って発信しています。
「NBA選手たちも自分たちと同じバスケットボールをしているんだ」
そのことを頭ではなくて、身体で体感してほしい。
そう思って発信をしています。
本当にこれは体験して初めてわかりますが、
NBA選手のようなパス回しや戦術の中の駆け引きを
NBAと比べたら凄く凄く低い次元での話かもしれないけれど、
実際に、自分たちがやっているバスケのレベルで体験できたら、
一言でいえば、バスケの世界が変わります。
「今までやっていたのはバスケットボールだったんだろうか?」
と引退後の選手たちは口にしていましたが、
それくらい、バスケットボールが変わります。
特に、ただ1対1をしているだけだったり、
ただただ走り回っているだけのバスケしか経験していなかったら、
「違う競技をやっているんじゃないか?」と思えるくらいの変化を感じられます。
あの感覚を感じられる学生と接することができて、とても幸せに思います。
僕がそうであったように、
そういう感覚を体験できた人は、
必ず、これを誰かに伝えたいと思えます。
結局、良いものと悪いものを分けるのは、
「終わった後に、それを誰かに伝えたいと思えるかどうか」
だと思います。
引退した後に、「あんな練習もやりたくない」「やっと引退できる」と思えるバスケは、
たとえ、どんなに勝ち進んでいたとしても、広がっていくことがないわけなので価値がありません。
それって進化論的に考えると、生き残っていかないので最終的には滅んでいく種だということです。
逆に、引退した後に、
「このバスケを誰かに伝えたい」
「もっともっと練習や試合がしたい」
と思えるバスケは広まっていきます。
そして、それが将来のスタンダードになります。
そう思える良いものはスタンダードになるべきなのだと思います。
「NBA選手みたいなバスケがしたい」
そう思うバスケットマンは本当にたくさんいるはずです。
でも、多くの場合は、
そういう風に思っていても、
試合中に、練習中に、その意味を勘違いして、
ただの独りよがりなアイソレーションバスケになり、
自分もチームメイトも楽しめないということになります。
もしくは、試合中に1対1がしたくても、
選手と指導者の間に信頼関係がなくて自由がなかったり、
戦術をしていても一つの形に囚われて駆け引きの余地がなかったりして、
NBA選手たちが「チームスポーツ」としてのバスケットボールをしているという意味を
実感できないまま、試合を終えてしまうことがほとんどです。
じゃあ、NBA選手のようなバスケを体感するにはどうしたらいいのか?
それは、
・指導者と選手の信頼関係を築くこと
・チームにオフェンスの「型」を取り入れること
です。
ここで言う「NBA選手のようなバスケ」とは、
「オフェンスに型があり、その型が選手の個性と相手の対応の仕方によって無数の形に変わり、
その中で、選手たちが自由に判断してプレーを選択していける自由が与えられているバスケットボール」
ということに、実際に体験したバスケの範囲だとなります。
型って何?
なんで型があると自由になるの?
指導者と選手が信頼関係を築くってどうしたらいいの?
その答えは、Princeton Offenseという型にあります。
型を通して自由を見つけることができたら、
きっとNBAを見ていて、こう言いたくなるはずです。
「NBAって凄い」
NBAは自分たちとは違う世界でプレーする宇宙人だ
という感覚ではなくて、
自分たちと同じバスケットボールをしているんだ。
ああやって駆け引きをするんだ。なるほど、ああすれば型を活かせるのか。
スペーシングがいいから今の得点が入ったんだな。自分たちも真似してみよう。
という感覚でNBAを見れるようになります。
「チームでバスケットボールをするとはどういうことなのか?」
その意味を実感できることは、
本当に幸せなことだと思います。
NBAって異世界すぎるので、普通は、
真似したらダメだって言われたりするわけです。
たぶん、それはハイライトだけを真似してしまうからだと思います。
確かにハイライトだけを見てリスクのあるプレーを基礎がない段階で真似するのはチームを壊すし、
その選手にとっても、バスケットボールマンとしての成長を止めてしまう可能性があるとは思います。
でも、チームとしての型を理解して、
その上にある個の技術を見ることができたら、
「NBA」というのは最高の教科書になります。
これも体験して初めてわかることです。
こんなに楽しいことはありません。
そのための「型」です。
「型」という言葉を聞くと、
なんだか堅苦しいイメージかもしれませんし、
型にハマってしまうというイメージがあるかもしれません。
でも、型は選手の個性に合わせて形を変えます。
型とは自由を作るための土台であり、
「守破離」の考え方に従って活かすべきもの。
守破離とは日本の価値観。
型を守り、型を破り、型から離れる。
そのことで独自の形を創り出す考え方です。
バスケットボールを更に自由に。
NBA選手の凄さを実感できるバスケを。
賢者バスケ、賢者籠球では、
徹底的に「型」について深めています。
「NBAの発信をしているのに、なんでPrinceton Offenseなの?」
という風に思うかもしれませんが、
NBAのようなバスケを体験できる世界が
賢者バスケというコミュニティの中にはあります。
是非”体感”してみてください。
賢者バスケへの参加はコチラから。
コメントを残す