バスケをしていると、色んな人がいますよね。
凄くエネルギッシュで、見るからに、
「ああ、あいつはやる気あるし、一生懸命だ!」
って思える人もいれば、その真逆の雰囲気の人もいます。
「ほんとにやる気あるの?もっと一生懸命プレーしろよ!」
と言いたくなるような選手。
僕は中学高校のとき、
「練習中に息が切れていない」=「一生懸命やっていない」
と思っていました。
だから、自分は息が切れるまで本気で走り、
それを周りのチームメイトにも求めていました。
中学の頃、走る練習をしていて、
まったく汗をかかないチームメイトがいたら、
「この練習で汗をかいていないなんて、手を抜いてる証拠だ!」
と思って、もっと一生懸命やんないと勝てないぞ!みたいに思っていました。
そう、やる気がないように見える選手、
なんとなく「一生懸命感」がない選手って、
何かと、良くないようなラベルを貼られるのです。
で、これが色んな循環を崩してしまいます。
まず、この記事の結論から話すと、
「やる気がなく見えるのも、上手さの一つになることがある」
ってことです。
それの一番わかりやすい例がヨキッチ。
ナゲッツのセンターで、
パスがめちゃくちゃ上手いヨキッチは、
一見、なんとなく「やる気がない」ように見えます。
動きにキレがあるわけではなくて、
なんとなく、たら~んとしていて、ゆった~りしています。
まさにこの「~」っていう横棒が似合うのがヨキッチです。
でも、そのことが実はメリットになっています。
タラタラしている雰囲気があると、
どんなメリットがあるのかというと、
・どんなプレーをしてくるか読めない
・リラックスしているから周りがよく見える
・相手の力を利用して相手をかわすことができる
です。
そんなヨキッチのプレーを載せておきます。
The Joker… the BEST from @JokicNikola15 for the @Nuggets during this past season! #TeamDay | #BESTofNBA pic.twitter.com/qWgJLYpH6s
— NBA (@NBA) 2018年8月20日
いつ見ても惚れ惚れするパスセンスです。
このパスが成功しているのは、
どこかにパスを出すっていう雰囲気を出さず、
どこを見ているのかわからないタラタラとした雰囲気でプレーしているからで、
「やる気がなく見える」っていうのも、技術の一つだということです。
それはプレーを見たらわかると思うので、
ここからは、そういう選手の扱い方について。
ここからは、おそらく、
バスケの情報発信をしている人の中では、
どこでも話されていない視点を話していくので、
じっくり読んでみてくださいね。
バスケに限らず、人生にも活かせる視点です。
まず、指導者の方へ。
「やる気がなく見える選手」を見たら、
なんとなく、イライラするかもしれません。
でも、そう思って、
「おい!もっとやる気出せよ!!」
と言うと、更にその選手はやる気がなくなります。
どうしてか?
というと、単純な話で、
「人は、周りから思われている自分になる」
という性質があるからです。
「一生懸命やっていない人」
と周りから思われると、本当に「一生懸命やってない人」になります。
どうしてかというと、
「一生懸命やっていない前提の場」
がそこで設定されるからです。
「一生懸命やっていない」というラベルを貼ると、
どんな行動をしても、一生懸命やっていないように思えるし、
言われた本人は「一生懸命やっているように見られるためにはどうしたらいいか?」
ってことを考えてプレーをするようになるので、
本来、自分が目指すべき目的が変わってしまっています。
「一生懸命やっている風」に振舞うしかできず、
それを「一生懸命だ」と評価するのは他人なので、
本人は、もうどうすることもできなくなります。
これは、スラムダンクの谷沢が
「デビルの想像も及ばない選手になってやる!」
と言って、安西先生に認められるためにバスケをしている状態と同じで、
本来の目的を見失っているので、バスケを楽しめなくなります。
そうしたら、バスケが楽しくないんだから、
当然、「やる気」なんてなくなるに決まっています。
結果、「一生懸命やっていない人」の完成です。
これは、本当にあるあるパターンで、
一生懸命やっていない人というラベルを貼ると、
そういう場ができて、その場の影響を受けて人は変わります。
そして、ここから、更に深い話ですが、
(これ知っているだけでで、普段の人間関係のストレスがかなりなくなるはずです)
人は、大きく分けて二種類の性質を持っています。
それが、
1.ゴール型
2.テーマ型
という二つです。
人は大きく分けると、
このどちらかの性質が強く価値観に影響していて、
自分とは逆の性質をもった人と一緒にいると、
ストレスを感じることがあります。
簡単に説明するとこんな感じ。
◆ゴール型=スラムダンクの赤木
◆テーマ型=スラムダンクの仙道
ゴール型というのは、
目指すべきゴールに向かって直線的に進み、
計画を重視して、一歩ずつ前に進むような価値観で、
テーマ型というのは、
その場で出てきたテーマに臨機応変に対応して、
計画を立てず、三歩進んで二歩下がるような価値観です。
要するに、赤木と仙道だと思ってもらえたらと思います。
それで、重要なことは、
どちらかが正しい間違っているではなくて、どちらも必要な価値観
という事です。
この二つの視点はどこから来ているのかというと、
僕が情報発信をする上で学んでいる経営コンサルタントの方の視点です。
経営コンサルタントという仕事は、
会社の売り上げとか人間関係を改善することで、
その場にいる人の人生を良くしていくというもの。
そんな経営コンサルタントの方が数百社以上の会社をコンサルしてきて、
数千人以上の人の人生相談に乗ってやっと見えてきたのが、ゴール型とテーマ型です。
(これは半年間で五万円の講座の中で話されているものです。)
この性質があると知らないと、
だいたい、喧嘩になるわけです。
ゴール型の人からしたらテーマ型の人がのんきで計画性がいないから、「もっとちゃんとしてよ!」って言いたくなるし、
テーマ型の人からしたらゴール型の人が細かいことを決めたがるから、「いやいや、そんなことまで気にする?」って言いたくなります。
こういう喧嘩って、たぶんかなりあるはずです(笑)
で、この二つの性質があることを知って、
「どちらの性質も自分には必要な視点だ」
という重要なことを知っておけば、
自分とは違う性質の人と関わる時間でストレスを感じることなく、
むしろ、「自分を成長させるチャンスだ」と思えるようになります。
先ほどの例で考えていきますね。
「一生懸命感がない人」って、
テーマ型の傾向がだいたい強いです。
(もちろん、全ての人がそうではないですが)
・・・という事は、
そういう人を見て、ストレスを感じたとしたら、
それは「テーマ型の良さを学ぶチャンス」ってことですね。
自分と違う性質の人を見たときに、
「自分とは違う価値観だから合わない!」
って考えてしまうと、自分の成長はそこでストップです。
今の時代って、嫌いな人はブロックとかできるので、
「自分と価値観の合う人とだけ付き合おう!」
みたいなことを発信している人がネット上にはいますが、
それって、凄くつまらないなぁと僕は思います。
それはそれで楽しいのかもしれないけど、
自分と同じ価値観の人だけいたとしたら、
それって、自分の成長も「自分」の枠組みで止まります。
それは、これだけインターネットが発達しているのに、
自分で自分の世界を狭めているだけで、面白くないですよね。
一生懸命感を感じない人にも良さがあります。
もちろん、
一生懸命感を感じる人にも良さがあります。
そうやって、
別々の価値観の良いところを見つけて、
お互いの足りないところを補っていく関係、
そういう視点を持てたら、どんどん視野が広がりますよね。
図で表したら、
価値観C
/ \
価値観A 価値観B
(ゴール型) (テーマ型)
っていうことです。
別々の価値観の良さを繋げたら、
更に高い次元の価値観Cが生まれるということ。
本来、人の成長というのは、
何か一つの価値観を絶対視するよりも、
こうやって、別々の価値観の良さを見つけて、
その良さを統合していくことで成長するものです。
そういう成長の仕方がいいですよね。
ゴール型かテーマ型かっていうのは、
だいたい割合で「ゴール型8割:テーマ型2割」みたいに、
自分なりの比率がある程度あると考えると良いかなと思います。
本当は、健在意識と潜在意識とか、
そういう分け方でいくつか基準もあるんですが、
(たとえば、「手帳を買ってスケジュールを管理しようと思ったけど3日も続かない人はテーマ型が強い」など)
ここでは話しきれないので、赤木と仙道だと考えてもらえたらと思います。
そんなこんなで、今日のテーマは、
「ヨキッチから学ぶ、ノールックパスの秘訣」
についてでした。
まぁ実際はぜんぜん違う話をいくつかしていますが、
わかりやすくすると、そうなるかなと思います。笑
今日の話、
・言葉で場が創られる
・場の影響を無意識に受けている
・ゴール型とテーマ型を統合する
など、人によっては人生変わるくらいの視点が含まれているので、
バスケの指導とか普段の生活とかで活かしてもらえたらと思います。
それでは、今回はこの辺で。
ありがとうございました。
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