大学四年生の2014年11月9日。
とても面白い会話を友達4人としたので、シェアしたいと思います。
・・・
その日は、大学の講義で行う発表の準備をするために、
グループの友達4人で集まってミーティングをしていました。
メンバーは、
僕、バスケ部のチームメイトY、ハンドボール部のS君、陸上部のYさん。
ミーティング自体はすぐに終わって他愛のない会話をしていたところ、
そのなかで、僕の情報発信について、NBAのバスケについての会話になりました。
Sくん
「今年のバスケ部は、NBAからバスケを学んだって言ってたけど、何をしたの?」
Yさん
「情報発信をしてるって言ってたけど、何をやってるの?」
そんなことから始まり、メモとペンを片手に、
ハンドボールとバスケとNBAの話が始まりました。
ハンドボールの基本的な攻め方
ハンドボール部のS君は、高校時代から強豪に所属していて、
全国大会に毎年出ているチームのスタートとして活躍していました。
僕はハンドボールというスポーツを体育の授業でしかやったことがなく、
どんな特性があるスポーツなのか知らなかったのですが、バスケの会話をする中でS君が教えてくれました。
◆ハンドボールの攻めの基本
2対1を作ってアウトナンバーを攻める
これに尽きるそうです。
ハンドボールの場合は、6mラインというものがあって、
オフェンスはその線よりも外側からシュートを打たなければいけません。
なので、必然的にDFはそのラインに沿った形で隊形を作ります。
ここからゴールを狙うためには、
・1対1の状況で高さや瞬発力を駆使してDFをかわす
・DFの一人を二人で攻めてアウトナンバーを作る
という戦い方に分かれるそうです。
で、この話を聞いた瞬間、
「バスケと似てるな。」
と思いました。
S君
「ハンドボールの場合は、隣の見方同士の距離をちゃんと保たないと絶対に得点が取れないんだよ。だって、隣同士の選手が同じポジションにいたらアウトナンバーが生まれないし、コートを狭く使うことになるから攻めれなくなるから。」
参考までにハンドボールの試合動画を載せておきます。
速攻を狙うこと、2対1を作ることなどバスケと非常に似ていますね。
NBAのバスケ
NBAのバスケもハンドボールと非常に似ています。
ボールをもっていない選手は、的確な隣の選手との距離を保ち、
自分のDFが一人で二人を守れないようなポジションに移動しながらプレーしているので、
1対0が生まれた時にアウトナンバーが生まれやすい状況を作り出していると言えます。
オフボールマンが自分のDFと駆け引きをしているということです。
スペーシングの概念がないと何が起きるのか?
オフボールマンの選手が自分のDFを駆け引きをせず、
ただ何となく動き回ってしまうと、どんなことが起きるのでしょうか?
一例を紹介します。
これは、自分が所属していたチームの一場面です。
隠れていて見えないですが、ローポストにも選手がいます。
(スペーシングの概念をチームで導入する前の映像)
一例で、全ての場面について言及しているワケではありませんが、
ただ何となく動き回っていると、そこに駆け引きがなく、
隣の味方との間隔が狭くなりアウトナンバーの状況が生まれにくくなります。
時には、
味方がボールマンのDFをしている
なんていう状況も生まれてしまうこともあります。
オフボールマンの動きは、カッティングやステイなど様々な動きがあり、
自由に動きながらチャンスを待ち、スクリーンプレーなどをしながらプレーするのが基本です。
我武者羅に動き回っているとバスケの自由度が下がってしまうことがあります。
オフボールマンのポジショニングの一つの基準となるのが、
「6分割のスペーシング理論」
というマイク・マッケイが提唱したものです。
この一つの区域の中にオフェンスプレイヤーが二人以上いないようにすることで、
1対0の状況が生まれた時に、DFよりも優位な状況、アウトナンバーを作り出すことができやすくなります。
S君の反応
そんなことをメモを使いながら、
ミーティングで使った動画を見ながら話していました。
その時使っていた実際のメモはこれ。
(右下がハンドボールの攻め方の説明)
S君は率直な感想を話してくれました。
「日本のバスケの場合は、空いている空間に飛び込んで飛び込んでっていうバスケが多いんだ。たまにバスケの試合を見ていた時、なんとなく狭いなぁって思うことがあったけど、あれはコーナーに人があまりいないからだったんか。ハンドボールだったら絶対に隣の選手同士が良い感覚を最初に保っていないとオフェンスが組み立てられないよ。」
たった10分くらいメモを使って話しただけで、
ハンドボール部の友達の視点が変わって得られる情報量が変わっていました。
この経験を見たとき、漫画の『DEATH NOTE』に出てくる「死神の目」を思い出しました。
知識を学べば視点が変わる。
ちょっとの時間だけでも知識を学べば視点が変わります。
視点が変われば、死神の目のように、
同じ映像を見たとしても得られる情報量が変わり、
その分、世界を面白く見ることができるようになります。
(死神の目を通して人を見ると、その人の本名と寿命が見えるようになる)
例え、バスケットボールをほとんどやったことがなくとも、
新しいことを学べば見える世界が変わって多くのことが学べるようになる。
そんなことをS君から教えてもらったような気がしました。
ちなみに、静かでマイペースな陸上部のYさんも、
静か~~に「おお。なるほど。」と呟いていたような気がします。笑
ハンドボールも、バスケも、死神の目も、繋がっていますね。
PS.
帰る頃には、S君から言われました。
「今年の男バスは、みんな仲良くて羨ましいなぁ。」
確かに今ではとても仲が良いのですが、
スペーシングというオフボールの動きを取り入れる前までは、
めちゃくちゃ仲が悪くて、練習の雰囲気も悪く、いつも対立していました。
飲み会をしてもお互いの意見が対立しっぱなし。
そんな状況だったので、「もう部活を辞める」というチームメイトもいたり、
あからさまに反抗して練習をサボっている雰囲気を出したりで、僕も全然楽しくなかったです。
そんな時に、「NBAのオフボールマンの動き方」をシェアしたところ、
今まで「動き回ってチャンスを作ることが正しい」と信じていた人たちは固定概念が緩み、
今まで「NBAみたいなバスケがしたいんだ!」と根拠なく言っていた人たちも根拠が生まれ、
お互い対立していた意見を統合することができました。
その結果、めちゃくちゃ仲が良くなり、
今でももちろん関係が続く一生の宝物、仲間に変わりました。
動き回ることも大切。
的確にステイすることも大切。
どちらの価値観も、どちら側の人も、
結局「バスケが好き」「勝ちたい」
というところは同じなので分かり合える筈です。
NBAからスペーシングを学ぶということは、
バスケットボールの自由度を広げてバスケを上達させてくれるだけではなく、
人間関係も豊かにしてくれる可能性があると自分の体験から強く思います。
そんなバスケが、この場から広がって行けば、それほど嬉しいことはありません。
ミーティングはあっという間に終わり、
自分の学びにもなるとても楽しい時間でした!
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