こんばんは、バスケのヨシです。
ラグビー日本代表が南アフリカに歴史に残る勝利を上げました。僕はラグビーのことはほとんど知らず、日本代表がどれくらい強いのかも、世界の現状がどのようなものかも知りませんでしたが、テレビで勝利の瞬間を見たらもの凄く感動して鳥肌が立ちました。
▼日本の勝利に歓喜するイギリス人 ▼ロイター通信「大きな衝撃だ!ラグビー史上最大の番狂わせだ!」 ▼ハリポタ作者「私にだってこんな素敵なストーリー書けないわ!」 #RugbyWorldCup #JapanWay #rugbyjp pic.twitter.com/gyCHYNlXy3
— ゆる系速報・ぽん太くん (@JPNG5) 2015, 9月 19
南アフリカに勝利!メンバー、応援の人、大喜び! @rugbyworldcup: Japan will go down in Rugby World Cup history after that victory over… http://t.co/y5s0EprOHh
— 流経大柏高校ラグビー部 (@ryukeirugby) 2015, 9月 19
終盤に同点を狙わずに勝ちを目指す選択をした瞬間、そして勝利をした後の選手の喜び、嬉し涙を見たときはジーーーンとこみあげてくるものがありました。スポーツって本当に最高だなあ!と改めて思い、バスケットボールばかりしている僕でも、ラグビーからパワーをもらいました。競技の枠を超えて、スポーツの楽しさ素晴らしさをプレーで教えてくれました。
ジャパン・ウェイ(Japan Way)
ラグビー日本代表のキーワードに「ジャパン・ウェイ」というものがあります。これは、ラグビー日本代表がチームをスタートさせるときに、監督のエディー・ジョーンズHCがチームに向かって話した方針です。
具体的には、以下のような内容です。
- 「日本代表はスローでセットピースを重視するラグビーでは勝てないということ」
- 「アップテンポでスキルを使うラグビーJapan Wayは日本のラグビーの文化を変えつつある」
- 「日々の生活の中で『勝つ』という姿勢を持つことは必須条件です」
- 「自分自身が鬼になることの大切さ、個人とチームの強みに焦点を当てること。これがまさしくJapan Wayです」
- 「Japan Way」とは勇気を持って、相手へアタックし、国の代表としての誇りを持ってプレーすることです。
スキルフルなラグビーをプレーし、シェイプを用いた意図的な攻撃をしかけ、モーションとリンケージを遂行、国際舞台で戦うためのマインドセットを持つこと。そして、何よりも勝利を愛して止まないチーム―それが「Japan Way」です。- ラグビーは世界で最もフィジカルなスポーツです。しかし、私たちは勝てない言い訳を探し出すよりも、「Winning Advantage(勝利につながる長所)」を見つけるべきなのです。
- 「日本人の強みは、真面目で忍耐力があることです。それは間違いなく世界一です。他の国の選手なら、とっくに逃げ出しているでしょう。」
- 「全選手が忍者のような身体を持ち、狭いスペースの中で素早く動けるようにならなければなりません。」
- 最高のチームになるには勇気が必要です。新しい事に挑戦をする勇気です。勇気とスキル、タフネス(強靱な心)があれば、どんなことでも可能です。私たちには多くの勇気が必要です。私たちはスキルもタフさもあります。ですから、思考と行動の両面で勇気を持つことが、私たちのプライオリティーとなります。
- 「Japan Way」を実践するには、最初の1分からメンタル的にもフィジカル的にも勇気が必要です。
簡単にまとめると、こういうことです。
「世界と同じ路線で戦っていては勝てない。日本だけの道(Japan Way)を作り、世界とは違う路線で戦う必要がある。具体的には、スローテンポではなくてアップテンポで試合を展開して、スキルを使い、日本人の体型や忍耐力を活かして戦う。そして、日々の生活の中から『勝つこと』を意識し、Japan Wayを勇気をもって実践することが大切だ」
このような考えの元、日本代表はチームを指導し、南アフリカのような強豪に勝つことを想定して「世界一厳しい練習」と言われるほど過酷なトレーニング(朝の5時から一日4部練をしていたそうです)を乗り越えて、今ワールドカップで戦っているそうです。この「Japan Way」というのはバスケットボールに当てはめて考えていきましょう。
違う路線で戦う意味
まず、ジャパン・ウェイは、世界とは違う路線で戦うということです。
これは世界と同じ路線の上(同一直線上)で戦うと、体格差があり厳しい戦いになるため、世界とは違った戦い方(速いテンポで忍者のように狭いスペースの中で動く)ということだと思います。違う路線で戦うことで、競争から外れて自分たちだけのユニークな戦い方ができます。
違う路線で戦うというのは、日常でも行われていることです。
例えば、違う路線で戦っているのは「高級〇〇」という名前の付くお店とかです。例えば、「高級寿司屋」で考えみます(この場合、「かっぱ寿司」「スシロー」「くら寿司」などは、同じ路線で戦っている寿司屋ということになります)。高級寿司屋では、一貫1500円の寿司があるなど、二貫で100円近くの回転寿司を食べている人からは想像もできないような値段がつけられています。このような値段に設定しているのは、「100円寿司よりも美味しいネタ・貴重なネタを使っている」「100円寿司とは違う雰囲気の店内にしている」など、100円寿司とは違う路線で戦っているからです。なので、100円寿司を食べている人(僕もそうですが)からは想像もできないような値段でも、お客さんが絶えず来店しています。
これと同じことは「同じ料理やサービスで値段の差がある場合」で考えると、日常にもいろいろなものがありますよね。普通のビジネスホテルと高級ホテルの差など日常的に違う路線で戦っているものと、そうではないものがあります。スポーツでも日常でも「違う路線で戦う」というテーマで見ていけば、何かしら学びになることがあるということです。
日本のバスケットボールの「Japan Way」とは?
それでは、これを日本のバスケに当てはめるとどうなるのか?
この答えは一つではなくて一人一人違う意見があると思います。そのことを踏まえて、自分の体験から思うことを話していこうと思います。そもそも、この問いについて考えるうえで必要なことは「日本ってどんな国?」ってことだと思います。Japanというけど僕らはあまり日本という国について学ぶことはありません。世界と戦おうということを考えたら、世界はない日本らしさを活かしたバスケットボールを考えるなら、日本について考えることは必ず必要なことですよね。そうしないと、いつまでも世界の真似をしているだけでは世界以上にはなれないし、自分たちのアイデンティティがなかったら何者でもない存在になってしまいます。…と言っても、そんな「日本」なんてこと考えなくてもバスケは十分楽しめるんですけどね(笑)ここでは、Japan Wayについて考えるということで「日本」という国について考えてみようと思います。
さて、エディージョーンズHCは日本の良さについて、「真面目で忍耐力があること」と言っています。確かに、このことはよく言われますよね。でも、これは向かう方向性によっては良くない方向に進んでしまいます。いわゆる、ブラック部活動的な「とにかく勝つためには厳しくすればいいんだああ!」みたいになってしまうと、部活が楽しくないし何のためにバスケをしているのかわからなくなります。ラグビー日本代表の場合は、世界で勝つということが目標であったからそういう風にしていたのであって、そういう方針に選手たちが付いていけたのであって、部活の場とかでは選手の意思を尊重して必要な練習を考えていく必要があります。時間も限られている部活動の場合、厳しさだけを追求していくよりもまず先に「どこを目指して、どんなバスケがしたいか」ということを考えないといけません。そこから厳しい練習が必要ならやればいいし、もし厳しい練習よりももっと効率の良い道があるならそっちを探求していけばいいという話です。このブログでは、そういった厳しさではない道を示しています。
「日本の良さ」とは何か?
このことは海外に出てこそわかるものだと思います。僕も海外に行ったことはありますが、日本のおもてなし精神とかそういうところから始まり、色んな日本の良いところを見つけられました。学校で何かを習ったとしても、結局は自分で体験しないとそれは価値にならないので一番大事なことは体験から学びを得ていくことなのだと思います。
で、Japan Wayに繋がる日本の良さとは何か。それに対する僕なりの答えというものは、いくつかあります。僕の中でそれはエディージョーンズ監督が言うような「忍耐力があること」ではないと思います。それは「精神性」の部分で、忍耐力ではなく、和の精神だったり物事の本質を見抜けるところにあると思います。これは実際に知識としても学んでいるし、体験としても学んでいることです。
日本人は「空気を読む」ということが得意だと言われます。悪い言えば、空気を読みすぎて個性をなくしてしまう、良く言えば、数字とか知識では捉えられない物事の本質を見抜くことができるということです。和の精神というのもそういうのが関係していて、学校では和の精神について学んでも「みんな仲良くやりましょうね」みたいに考えてしまうけど、これは間違いです。和の精神とはみんなが平均化することではなくて、それぞれの個性を活かして、全てを一つにまとめるということです。平均化ではただ誰かに合わせて個性がなくなります。和の精神とは、日本の料理に表れているように、世界の良さをどんどん取り込んでいって一つの大きな輪を創るようなものです。肉じゃが、カレー、ラーメンなどなど、世界からアイディアを借りて日本独自の形に発展させていくことが日本人は得意です。それをスポーツ界もしていくべきですね。
今の日本のバスケットボールも、世界からたくさんの祭典端の知識と技術を学んでいます。それらをただ全て正しいんだと取り込んでいくだけでは、ミニ世界になるだけで日本らしさというものはなくなってしまいます。それだと、同じ路線で戦い続けることになって、すき家と吉野屋の隣に、同じクオリティーの牛丼屋を創るようなものです。お客さんが自分のお店を選ぶ理由は、自分の人間性以外ないことになりますよね。もし、同じクオリティーのものを提供していたら。だからこそ、独自の路線を創る必要があります。それがJapan Wayなんだと思います。
「忍者」ってどんな人のこと?
エディージョーンズ監督は「忍者」という言葉を使っています。エディージョーンズ監督なりに日本について学んだんだと思いますが、僕らは忍者について学ぶことなんてありません。学校でそんな授業ないですからね。でも、エディージョーンズ監督が言うように「忍者」というところにも、日本古来の良さが隠されていると思います。それは「武術」というところにあって、その分野を深めているのが発信仲間の武学籠球の慎さんということになります。
えーっと、忍者にどんなイメージがありますか?ちょっと僕も調べてみたんですが、忍者って使えている君主に相手の情報を届けることがメインの仕事だったみたいで、そのためには色んな知識を持っていないといけないし、相手の攻撃にも対抗できないといけないし、相手に気づかれず相手の元に近づかなければいけません。それをバスケで活かすとか意味不明だと思いますが、具体的に言えば「相手に動きを読まれない」っていうところが忍者みたいだなって慎さんと1対1をしていて思うことはあります。あの「しれ~~~っと」動いていく感じですかね。忍者のイメージって、そろりそろりと動いて相手に自分の存在を察知されないっていうのがある人が多いと思いますが、そんな感じです。・・・と、これも抽象的になるので文字での説明はこの辺にしておきます。
今回の歴史的勝利から、
「Japan Way」について考える人もいれば、
「日本の良さを部活に活かすにはどうしたらいいんだろう?」って考える人もいれば、
「いやいや、そんな日本とか考えないで、ただこの勝ちからおれはスポーツを楽しむエネルギーをもらったぜ!!」っていう人もいると思います。
このブログを書けているのも、僕が日本について学ぶようになったのも、あの歴史的勝利からエネルギーをもらったからです。スポーツって大きな枠組みで言えば「エネルギーをもらえるもの」だし、そうあるべきですよね。スポーツをすることでストレスが溜まるとか友達が減るとか不健康になるとか、それってスポーツからエネルギーを奪われているってことです。そんなのスポーツじゃありません。エネルギーっていうのは、活力、ご縁、健康、幸福、時間、自分らしさ、学び、価値、・・・とかそういったものを抽象化させたものだと考えてみてください。
そういう風に捉えると、スポーツ指導をするということも抽象度を上げたら「エネルギーを与えること」になります。選手たちからエネルギーを奪わず、エネルギーを与えることで、今度は選手たちが「成長」「上達」「楽しそうな表情」とかそういったエネルギーを返してくれます。そうやってエネルギーが循環している場が良い指導現場だと思います。そういう場が増えていくと良いですね。
なんか話が飛びまりましたが、
この発信を通して「日本」という国についても深めていきたいと思います。
ラグビー日本代表の勝利、おめでとう!!
PS.
今回は深くは取り上げませんでしたが、エディー・ジョーンズHCの言葉の
・最高のチームになるには勇気が必要です。新しい事に挑戦をする勇気です。勇気とスキル、タフネス(強靱な心)があれば、どんなことでも可能です。私たちには多くの勇気が必要です。私たちはスキルもタフさもあります。ですから、思考と行動の両面で勇気を持つことが、私たちのプライオリティーとなります。
というものはとても深いし、素晴らしい言葉だなぁと思います。
PS.
半年くらい前に、エディージョーンズ監督の自伝を購入しました。まだ読めていないのですが、考えを知るうえできちんと読み進めて学びを共有していきたいなと思います!
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