今日聞いた話。

 

 

とあるミニバスでは、指導者が常に怒鳴り続けているらしい。

 

そこでバスケをしてる子供たちは、笑顔はもちろんなく、

プレー自体もただ指導者にやらされるがままに動いているだけらしい。

 

そして、それを見ている親も苦そうにしている。

 

 

でも、そのミニバスの保護者は、

「子供がバスケをしたいと言っているし…」

「こういう厳しい環境で育つ経験も大切」と思っていたりして、

なんだかんだ言いながら、そこでのバスケを続けさせているそうです。

 

 

…なんでかわかりませんが、

僕はこういったバスケ現場を目にすることが何度もあります。

 

10回とか20回ではありません。もっともっとです。

 

 

指導者が頭ごなしに怒鳴り続けている。

指導者が自分の考えを押し付けていて選手は自分で考えてバスケをしていない。

 

選手がビクビクしながらバスケをしている。

目の前にいる相手との勝負を楽しんでいない。

自分の身体で動きを変えていく楽しさを感じ取れていない。

一緒にバスケをしているチームメイトとの時間を楽しめていない。

バスケをしているときに表情がなく険しい顔をしている。

 

 

僕が今こうして情報発信をしていこうと決心したのも、

とある高校と練習試合をしたときに、指導者が怒鳴り続けていて、

僕がマッチアップしている子が僕の方を見ることもなく、

ただただパスを回すことを考え、指導者の顔色を伺っているのを見て、

「バスケってもっと面白いのに…もったいない…」

と思ったのがきっかけでした。

 

 

今でもまだまだそういった指導があるみたいです。

 

そういった指導者ほど普通に会話をすると、

めちゃくちゃ良い人だったりするので不思議ですよね。

 

じゃあ、なんで子供に対して怒ってしまうのか。

 

「叱ること」と「怒ること」は別だ!

っていう意見もあるとは思います。

 

人として間違っていることをしているとき、

例えば、チームの負けをチームメイトのせいにしていたり、

対戦相手を侮辱するような言動をしていたり、

そういった場合は、きちんとダメだと伝える必要があります。

 

 

でも、そうではない場合、

バスケのプレーの選択に関して、ミスに関して怒鳴ったところで、

選手にとっても指導者にとっても良いことなんてほとんどありません。

 

一つもない、と言いたいですが。

 

指導者が選手に対してイライラしてしまう原因は、

・勝たせたいから

・選手よりも上に立とうとしているから

だと思います。

 

 

勝ちたい、勝たせたいから、

知識を学んで選手に還元しようとする。

 

でも、それが伝わらず、

自分が思っているように動いてくれないから、

そこに対して、イライラの感情が生まれてしまう。

 

そんな人は結構多いです。

 

結局、それらをまとめると、

「バスケットボールを自由にする方法を知らないから」

ということに尽きると思います。

 

そして、その方法が今まではありませんでした。

 

今までは、「走ってなんぼのバスケ」ばかりで、

厳しい練習をしてディフェンスを強化して速攻を出して…

というバスケが主流でした。

 

 

でも、今は違います。

 

 

 

最近運営しているコミュニティ「賢者バスケ」の中では、こんな報告をいただきました。

今日登場した子供たちと同じカテゴリー「ミニバス」を指導している方からのメッセージです。


いつも興味深く読ませていただいています。

ミニバスの指導者(アシスタント)をしていますが、私は低学年を担当し、駆け引きの楽しさ、相手の裏をつく、スペーシングの大切さ、スクリーンプレーの楽しさなど、こちらで影響を受けた考え方を低学年から染み込ませようと試行錯誤し、短い時間で練習を考え、実行しています。ミニバスでは運動能力とスピードに勝る相手はディフェンスでハードにプレッシャー、ディナイをかけてきます。それに対するバックカットというカウンターは特に役に立ちそうで、ペイント内での得点を増やしていける手ごたえを感じています。なによりやらされてる感がなく、「コーチ作戦板貸して!」と元気よく自分たちで話し合いながら作戦会議している姿はとてもうれしく感じています。

 

子供たちの元気な姿が目に浮かびますね。

 

結局、厳しさだけの指導というのは、

体力勝負のバスケや練習強度勝負のバスケから生まれるのであって、

そういった土俵で戦おうとしたら、必ず自分たちよりも強い相手が出てきて、

そこに対して限界を感じて、上手くいかないもやもやが怒りに変わっているのだと思います。

 

 

バスケットボールの自由を作るのは、「型」です。

 

ただ、その型を取り入れたら良い訳ではありません。

 

その型を自分たちに合った形に変えて、

型を守り、型を破り、型から離れることが大切です。

 

つまり、「守破離」のことです。

 

 

この考え方があれば、

指導者が常に指示を出す必要がなくなるし、

むしろ、指示を出したら面白さがなくなります。

 

選手たちが自由にプレーを選択して、新しい型を創り出すのを見守っていれば、

それが一番、選手たちにとって良いプレーに繋がるし、人としても成長していけます。

 

 

今日のミニバスの話をしてくれた人からこう言われたからです。

 

「もっともっと発信をしていってほしい。おれ自身もヨシ(そう呼ばれています)と会ってから10年ぶりにバスケを再開して今超楽しいし、大人になってから何かに熱中できるって本当に最高だわ。やればやるほど新しい発見があるし、仕事がどうこうとかあるけどバスケがあるから仕事だって頑張れる。シュート面白すぎるわ(笑)で、おれも思わず言ったんだよ、そのミニバスの話をしてくれたお母さんに。『そんな環境で子供にバスケをさせるなんてもったいない』って。もっとバスケの楽しみ方はあるし、そんなところで人格を否定されたりして、その後、バスケを嫌いになっちゃうとか、何か自分から動けないとか、そんなもったいないことないよ。今の指導現場は本当にひどい場所がたくさんあるね。これってバスケに限らないんじゃないかな。なんでこうなるんだろうね。言われたことをただやるとか、頭が固くなっていくとか、スポーツをすることがただの耐える時間とか、早く過ぎてほしい嫌な時間とかありえないよ。そんなのスポーツじゃないって。そんな勿体ないことないよ。あのブログを読んで少しずつ変わってくれたら良いよね。発信これからもしていってほしい!いや、しなきゃダメだよ先生。笑」

 

 

こうやって言ってくれる方がいて感謝です。

だから、これからも発信し続けようと思います。

 

この場から良い影響が色々な人間関係や場に広がり、

今の子供たちが大人になる5年後、10年後にも、

良い影響が生まれていくことを想像しながら発信していきます。

 

今日の話は、バスケに限らないことだと思うので、

何か感じることがあればシェアしてもらえると有り難いです。

 

今日もありがとうございました。

 

 

 

PS.

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現時点での集大成となる講座です。

投稿者 原田毅

33歳。大学一年生の冬にNBA選手のスペーシングの凄さに気づいてから、NBAから戦術やバスケの本質を学ぶようになりました。その後、NBAの凄さを学ぶ中で「日本」について知らない自分がいることに気づき、武術の世界を学ぶようになり、今は武術をバスケに応用する考え方を学んでいます。現在もプレイヤーとしてプレーを続けながら、ネット上では通信講座などを運営しています。

「「もったいないよ、そんなの…」というミニバス」に4件のコメントがあります
  1. 今すごくつらいです。
    今日ミニバスの県大会で優勝しました。
    息子は6年
    ベストメンバーとして頑張ってるはずの小さなチーム
    今、素直に優勝を喜べない理由は、
    息子はコーチに怒られ過ぎて、チームメイトにいじめられて、自家中毒という精神病にかかりました。
    今、吐きながら毎日練習に向かいます。
    今日、コーチにフォローをお願いした所、
    ボランティアでやってる事、
    教師じゃないので、そんなこと見れませんといわれました

    罵声に耐えれなくなったんです
    なら休ませて、病気が治ったら来てくださいと

    僕の罵声に耐えて強くなったのが〇〇で、耐えれなかって弱いままなのが、うちの息子ただそれだけの話といわれました。

    ボランティアの指導者には、
    折れた心のフォローはお願いしてはいけないんでしょうか

    1. 僕は自分の目で現場を見ていないので提案くらいしかできないのですが、そのような状況の中、上手くなっている選手もいたり満足している保護者もいるのではないかと思います。指導者の方もボランティアだからという理由から指導に対する気持ちが揺らぐこともあるのかもしれません。「ボランティアの指導者には折れた心のフォローはお願いしてはいけないのか?」というのは、その折れた心というのを指導者が作っているような状況であるのなら、そこを指導者に期待することは難しいことだと思います。そういったことを踏まえて、お子さん自身がその場でバスケをしたくないと思うのでしたら、息子の元気のない姿を見たくないのでしたら、別の場所でバスケットボールをさせてあげたらいいのではないでしょうか。現場を見ていないので無責任な提案はできないのですが、バスケットボールをする場所というのはたくさんあります。今もしも近くになかったとしても、将来、大人になっても社会人バスケという場でバスケはできます。公園などでもゴールがある場所があるかもしれませんし、指導者という立場でバスケにかかわることもあると思います。今、その状況で無理にでも通わせる理由があるのでしょうか。僕は高校からバスケを始めた人も知っていますし、中学でバスケをやめたけど地元のクラブチームでバスケをしている人も知っていますし、中学でやめたけど24歳になってから再開した人も知っています。バスケットボールはミニバスだけがすべてではありませんし、人生の一部で、人生の価値観が今いる場所だけで作られてしまうのはとてももったいないことだと思います。大人になれば済む場所も変わるかもしれませんし、環境や人間関係は変わります。その中で、小さい頃に好きになったバスケットボールが交流関係や日常の充実に少しでも関わることの方が、今その場所で無理をしてバスケを続けることよりも大切なことだと僕は思います。なにかやめられない理由があるのかもしれませんが、文面だけを見て勝手なご意見になりますが、お応えさせていただきました。息子さんがバスケットボールを楽しんでいけることを応援しています。

  2. はじめまして。ヒデと言います。2年ほど前からブログを拝見させて頂いています。
    初めてコメントさせていただきますが、私は2年前にこのブログを見つけて感動したと同時に衝撃を受けました。と言うの、私が長年感じていた日本的なバスケへの違和感や、NBAは日本のバスケとは別物と考える風潮やスタイルの相違(アメリカスタイルのスペーシング重視の戦術や、指導論など)を私と全く同じ考えでその意見を述べている方がいらっしゃる事を発見出来たからです。
    正直作者さんが述べられていることはバスケ経験者の多くはなかなか理解してくれないようなことが多いと思います。私もバスケ経験20年になりますがNBA的な視点での理論をバスケ仲間に話してもさっぱり理解してはくれません。しかし私のような数少ない人の心にこのブログの記事が響いていることも事実ですのでこれからもヨシさんなりのバスケ愛のある記事を楽しみにしていますし、私としてはほとんど全部の記事が共感できるものなので毎回の更新をとても楽しみにしています。 これからもどんどん同じ考えを持った仲間と共感のできる記事を楽しみに待っていますので長めの記事でもバンバン更新するのを期待しています。よろしくお願いします。初コメ失礼いたしました。

    1. こんにちは。心温まるメッセージをありがとうございます。
      僕も同じような理念を持ったヒデさんとブログを通して知り合えて嬉しく思います。「日本的なバスケ」という今の現状でのバスケは、根性論がよくない方向に使われていたり、アメリカのスタイルを間違った風に捉えていたり、誰かとの比較に価値をおいていたり、強豪校など環境の違うチームのバスケを正解として無理やり自分たちのチームに当てはめようとしていたりと、本当に問題を挙げたら色々とあると感じています。特に指導者の闇は深いです。学校教育も関わっていると思うんですけどね。だから、バスケの垣根を越えた教育などについても発信していくつもりです。もっともっと面白い世界は学び続ければ見えてきます。僕も学び続けます。
      僕が今学んでいる武術の中には、細かいスキルやフォーメーションよりも先に大切になる「根本的なスポーツや勝ちに対する考え方」が詰まっていて、そこが改善されたら日本のバスケはもっと面白くなるし、スポーツをすることでストレスをためたり、スポーツをすることで自分の価値を下げてしまうことがなくなります。もちろん、その土台の上にスペーシングや駆け引き、フォーメーションなどを加えることで、そういったスポーツの価値が本当の意味で高まると思っています。そういった考え方の基で作られる、それぞれの個性が活かされるバスケこそが「日本的なバスケ」であると思っているし、そこには様々な分野を掛け合わせる必要がありますね。今ちょうどそういった企画を練っているところです。
      話すことが多すぎるので、今でも長文になってしまいましたが、少しずつ頭の中のものを形にしていきます。ヒデさんのような方からのメッセージは本当に励みになります。自分がやらなくて誰がやるんだと最近は本当に思うようになってきたので、日本の部活動を変える、日本のバスケを変えるつもりで、これからも発信を続けていきます。一人から10人に、10人から100人に、将来バスケを始める子供たちへ広がっていけば、必ず日本のバスケや部活動はもっと豊かになるはずです。指導者の価値観も変わるはずですし、より良い形になるような道を示していきます。今後ともよろしくお願いします。また何かあれば気軽にメッセージしてください。ありがとうございました。

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