最近、シュートについて大きな発見をして感動しています。
目線についてなのですが、一年ほど前にも目線についての記事は書いていました。その時は、空間を見て打つのが良い感覚で続けていたのですが、今はリングを見続けるシュートを打っていました。ですが、昨日、また空間を見ながら打つことの良さを再認識したので、これからは空間を見ながらシュートを打ちたいと思います。
その変化が起きたのは、チームメイトの話を聞いてからでした。
僕のチームメイトには、39歳でも毎日自分史上最高を更新しようと自分の身体と対話をしているバスケットマンがいます。マッちゃんという方です。マッちゃんは、39歳ですが、シュートがとても安定しています。ポストからのフェーダ―ウェイも得意です。
昨日、シューティングを一緒にしました。
マッちゃんは、シュートを打つ時に、目線が上の方向に向かいます。マッちゃんがそうなっていることは知っていたのですが、改めて理由を聞いて見ると、面白いことがわかりました。その話を聞いていると、もう一人のチームメイトs.kさんも話に入ってきました。s.kさんはリングを見続ける派のバスケットマン。議論が始まります。※マッちゃんの目線の使い方は、Nowitzkiと同じような使い方です。
マッちゃん
「どこを見ているとか、あまり考えないけど、リングは見ていないことは確かだね。空間をぼんやりと見ている感じかな。」
s.kさん
「え?意味がわからないんですけど。笑」
僕
「とりあえず、試してみたら何かわかるかも!」
(s.kさん、試す)
「いやいや、意味がわからないですよ!笑 そもそも、狙うべきゴールはリングなのに、空間を見てたら狙いが定められないんじゃないですか?」
マッちゃん
「なるほどね。僕の感覚からしたら、”狙いを定めるからこそ、空間を見る”って感じかな。だって、シュートが入るかどうかは、ボールの軌道の良し悪しで決まるわけで、リングの大きさが変わるわけでも、動くわけでも無いからね。過程を重視するか、結果を重視するかって感じかな。」
s.kさん
「な、なるほど…!」
マッちゃん
「もちろん、これは僕の感覚だから万人に合っているかはわからないよ!ただ、もしも、遊びのシュート勝負として、できるだけ高いアーチでシュートを入れる勝負をしたら、どこを見る?たぶん、ボールの軌道を追うことになると思うんだけど…。」
(s.kさんと僕が、その場で高いアーチでシュートを打つ)
マッちゃんに言われたからなのか、それとも自然と見ていたのかわからないけど、その時はボールの軌道を追って今した。空中にボールがある時間が長いからとも考えられるのですが、イメージとして、スポッとボールがリングに吸い込まれるまでの軌道を思い描いていたように感じます。
(「確かに、そうかもしれないな。」)
マッちゃん
「僕の感覚としたら、リングを見た瞬間に『理想の軌道(シュートが入る軌道)』が線として見えるから、そこに”ボールを乗せる”感覚なんだよね。」
s.kさん&僕
「…え!?笑 リングに対して打つって感じじゃないんですか?」
マッちゃん
「僕の感覚としては、リングに打つっていう感じはないかな。リングよりも前に、自分の目の前の空間に、小さなリングが見える感じだね。だから、シュートを打った瞬間に、その小さなリングにボールが入るかどうかで、実際のシュートが入るかどうかがすぐにわかるよ。」
…といって、マッちゃんはテクテクとコートを歩き始めました。
そして、こう言うのです。
マッちゃん
「僕の場合は、どこを歩いていても、理想の軌道が線として見えるよ。だって、ほらあるじゃんここに!(『いや、僕らは見えないです。笑』)バスケのテレビゲームであるような線かな。だから、どこにいたとしても、リングを見た瞬間に線が見えて、その線にボールを乗せるように打つようにしている。」
昔のNBA LIVEでは、フリースローの時に「線」が出てきます。光る線が左右に動いているので、その線をリングに対して真っ直ぐになるようなタイミングでボタンを押すことで、シュートが真っ直ぐ飛びました。
マッちゃんが言っている
「理想の軌道」が線として見える
というのは、このようなイメージです。
このような線がどこにいても見えるらしいです。
僕
「じゃあ、シュートを打った時は、どんなことが見えるんですか?リングだけを見ていると、シュートが入ったかどうかくらいしか見えないんですが。」
マッちゃん
「意識したことはなかったけど、ちょっと今打ってみる。」
(シュートを打ち終わり)
「ボールがどのラインを通っているか、あとは、自分のフォロースルーの手の位置がわかるかな。その指を見ているわけではないけど、いつも同じ位置にフォロースルーの手が残るように自然となるかな。僕の感覚としては、だからわからないよ!笑」
・・・
ということで、自分自身色々試してみました。今まではリングを見続けてシュートを打っていて、一年ほど前に一度空間を見るようにしましたが、結局リングを見続けていました。その二つを体験したので、両方の感覚がわかるようになってきました。(僕の身体にとっては、)リングを見続けるよりも、空間を見た方が良さそうです。
箇条書きで現時点の感覚を言葉にしてみます。
○空間を見る(理想の軌道を線として思い描く)
- シュートの結果ではなくて、過程に意識を向けられる
- リリースする指先まで丁寧に打つことができる
- フォロースルーの手の位置を毎回確認できる
- シュートのアーチの高さ、回転数などを確認できる
リングを見続けている時と、空間を見ている時の一番の差は、シュートの過程に意識が向いているかどうか、ということです。実際に意識化に上ってこない場合がありますが、空間を見て打っている人に質問をしたら、「そう聞かれると、フォロースルーの手の位置とかボールのアーチが見れているな。」という答えが返ってきます。意識をしているかどうかはともかく、空間を見ている人は、シュートの過程をより丁寧に打てているのだと思います。
リングを見続けて打つ場合は、精神論でシュートを打つやすくなるのではないかなと思います。
要するに、リングだけを見続けて打っていると、「シュートが入ったか、外れたか」しかわかりません。見えている情報量が少ないので、シュートを外した時に「シュートフォームがいつもと違う」という感覚があっても、それを正しく認識できない感じがあります。だから、シュートを打つ時、「自分なら入るはずだ!」「これだけ練習してきたんだから!」というような精神論に頼ってしまっていたように思います。
マッちゃんが言っているように、
- 過程さえしっかりしていれば、結果は後からついてくる
というのは、確かにそうだなぁと思わされました。
マッちゃんは39歳ですが、常に自分の身体と対話をして、より良いシュートを探っています。自分の身体を理解しているからこそ、これだけ言葉として説明できるということで、どんな緊迫している場面であっても、技術力が左右されることはなく、スランプに陥ることもありません。自分のそんな生き生きとした39歳になりたいなと思います。マッちゃんに感謝です!
PS.
最後にマッちゃんが言っていたのは、「ただ、目線を変えたとしても、そのボールを飛ばす前の身体の使い方が悪かったら良いシュートが打てないから、結局は身体を思い通りに動かす、より良いシュートフォームを身につけることが一番大事なんだろうね。」ということでした。
目線が全てではないし、全ての人に今回の話が当てはまるわけではありません。それは身近な指導者や参考書、クリニックでも同じことです。「こんな実績がある人がいっているんだから、正しいはずだ!」と思いがちですが、本当に正しいかどうかを決めるのは、自分自身の身体です。自分の身体に合っているかどうかを試行錯誤することがスポーツの上達に繋がります。鵜呑みは良くないし、一つの選択肢を絶対的な答えとして指導することは良くないです。身体と対話をして…。
「物は試し」ということで、とりあえず試してみていかがでしょうか。
試合前とかそういう状況ではシュートフォームを変えると良くないと思うので、その辺は臨機応変に。空間やボールの軌道を見るようにすると最初は気持ち悪い感覚になりますが(笑)、もしかしたら自分の身体に合っているかもしれません。また、身近にいるバスケ仲間のシュートを観察して、時には質問をしてみてください。
昔の僕なら、目線について空間を見ているシュートが上手いバスケットマンがいたとしても「へぇ、天性の感覚で打ってるんだな。やっぱセンスがある人は違うな!笑」と思って、じゃあ自分は練習量で勝負だ!となっていたと思います。でも、それじゃあ面白くないなと最近は思います。もしそれが天性の才能だけで片付けられたら、生まれた瞬間に勝負が決まっちゃいます。天性の才能や育った環境の差など色々な不平等があるのが当然ですが、それを踏まえて、如何に同じルールの元「勝利」を勝ち取れるか、自分史上最高を更新していけるかがスポーツの面白いところだと思います!上手い人には上手いなりの理由があって、真似できることはあるはず。
変化させていく楽しさは格別です。
また経過報告していきます!
PS.
最後に、NBA選手の参考画像を載せておきます。
○リングを見続けているNBA選手
- Kobe Bryant
- Kevin Durant
- Chris Paul
- Kyrie Irving
- JJ Redick
- Carmelo Anthony
- …
○空間・ボールの軌道を見ているNBA選手
- Stephen Curry
- Micheal Jordan
- Ray Allen
- Klay Thompson
- Dirk Nowitzki
- LeBron James
- James Harden
- …
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