今回も「目線」について。
前回は、バスケのシュートの目線について3つのパターンを紹介しました。
1.ボールをリリースした後に、リングを見続ける
2.ボールをリリースした後に、ボールの軌道を追う
3.リリースをする直前(または、した後)に、自分の指を見る
その後、Twitterでフォロワーの皆さんから、目線についての知識や、実際にいろいろな目線の使い方を試してみての感想などをたくさんいただきました。コメントをしてくださった方、ブログの記事を読んでくださった方、シェアしていただいた方、ありがとうございました。皆さんのコメントから多くのことを僕自身学ばせていただきました。
今回は、皆さんから頂いたコメントを参考にして、
シュートを打つときの目線についてより深く考えていきたいと思います。
4.空間を見ながらシュートを打つ
皆さんからのコメントを読み、僕も身近な人と目線について話したところ、先ほど紹介した3つのパターン以外にも、もう一つのパターンがあることがわかってきました。それは、シュートを打つときに、空間を見ながらシュートを打つという目線の使い方です。前回、自分の指を見ながらシュートを打っていると紹介したノビツキーやOJメイヨなどは、空間を見ていたのかなと思います。
前回の記事で登場した、身近な友達の
「ボールってよりも、ぼんやりと自分のリリースと空間を見ているかな。」
という発言は、おそらくボールがリングに通過するまでの弧をイメージして、
その弧に従って、空間を見ているのかもしれません。
「空間を見る」という方もフォロワーさんの中にはいました。
あの記事を書いてから、地元の友達や先輩からシュートの目線について、ラインでやり取りをしたのですが、シュートが上手い人(僕の中で)たちは意識はしていないけど、ボールの軌道を追っているし、シューティングハンドとリングの間を見ていると言っていました。
バスケが好きな先輩です。
最初聞いたときは、なんことかわからず、「線ってなんだー!笑」と答えてしまいましたが(笑)、
よくよく考えてみたら、少し前にもう一人の先輩から「弧を描く」という武術の考え方を教えてもらっていることに気づきました。
○弓道から学ぶシュート
武術の世界では、「結果を創る」という考え方があります。弓道などで使われる考え方で、自分が弓を放ってから、的を射るまでの過程を全て頭の中でイメージをして、的を射たら、そのままビデオの巻き戻しのようにして、弓が自分の手の中に返ってくるまでをイメージします。そして、そのイメージ通りになるように、弓を打つという考え方です。これは、バスケットボールのシュートでも、同じようにイメージをすることができるため、より良いシュートを打つために有効な考え方だと思います。
バスケのシュートで「結果を創る」とは、以下のような考え方になります。
①頭の中で、シュートを打ち、ボールの軌道を目で追う
②そのままシュートが入ったところまでをイメージをする
③ビデオの巻き戻しのように、シュートが入った時点から、シュートを打った時点まで、イメージを巻き戻す(ボールの軌道を追いながら)
④イメージをした通りに体を動かし、イメージしたボールの軌道に沿ってシュートを打つ
「空間を何となく見ている」
というフォロワーの方や僕の友達の言葉は、この「結果を創る」というイメージからきているのかもしれません。
この練習方法をすると、イメージした弧に従ってシュートを打つことになるので、自然と、空間を見ながらシュートを打つようになります(シュートを打った後に見るのか、打つ前から見るのかは人によると思いますが、この方法を試してみると、打つ直前から空間を見ているように気がします。ノビツキーなどは、このイメージなのかもしれません)。「結果を創る」という話は、僕の発信仲間の慎さんから教えてもらったことです。慎さんは、古武術とバスケの動きについて学びながらクリニックなどで活動している方です。
○ジョーダンの名言から学ぶ
「リングが大きなバケツのように見えたよ。」
これは、ジョーダンがNBAファイナルで3Pを決めまくった試合後のインタビューでの言葉です。
(1992年NBA Finals ブレイザーズvsブルズ 第一戦で、ジョーダンは前半だけで6本の3Pに成功。また前半だけで35得点を記録。画像は、3Pが入りすぎて、自分でも驚いたような表情を見せたときのジョーダン。)
「シュートが入りすぎて、リングが大きなバケツのようなサイズに思えた。」ということですが、このことを参考にして、「空間にシュートを打つ」というイメージと繋げて練習をしていたということをフォロワーの方から教えていただきました。
NBA選手の言葉の中にも、上達のヒントは隠されていそうです。
○リリース時に指先(または空間)を見ることのメリット
ノビツキーのようなシュートは、「自分のリリースを確認することができるため、より丁寧で、より正確なシュートが打てるようになる可能性がある」ということを前回紹介しました。それ以外に、シュートをリリースするときに指先(または空間)を見ることには、違ったメリットもあると考えられます。フォロワーの方からのコメントを紹介させていただきます。
コメントをまとめると、以下のようになります。
・シュートを打つときにリリースを見ると、ブロックが気にならなくなる
・DFを置いてのシューティングが有効である
・ブロックをされる距離感をつかむことができる
リリースを見ることで、結果よりも過程を重視して、より丁寧なシュートに繋がるということを話しましたが、
DFがシュートチェックに飛んで来る練習方法を行うと、自然と自分の指先(または空間)を見ることになり、より丁寧で、シュートチェックを気にしないシュートに繋がるそうです。確かに、DFが目の前にいるときは、自然とリングが見えなくなることがあり(僕は身長が低いので)その時はリングを見てもシュートが打てないので、空間に対してシュートを打つようになることがあります。高度な技術かもしれませんが、リリースを見るという目線に繋がる支店だと思います。
ターゲットを狙うスポーツでの目線の使い方
バスケットボールのシュートのように、一つのターゲットを狙うスポーツは、様々なものがあります。 ボーリング、弓道、ゴルフ、アーチェリー、ダーツなど…。それらのスポーツにおける目線の使い方は、バスケにも繋がるものがあり、十分真似できることだと考えられます。フォロワーの方の視点をシェアさせていただきます。
「的に狙う」という共通の目的があるため、バスケットボールのシュート、ゴルフ、弓道、ボーリング、ダーツなどは繋がっている部分があるはずです。
調べてみると、確かに、ボーリングのコツは、ピンを見て狙うのではなく、スパット(ボウリングで、投球するときの目標とするためにレーンにつけられたくさび形の印)を見ることだそうです。また、ダーツでも、遠くにある的を狙う時に、的よりも近い自分の近くに目標を作って、そこを狙って投げるそうです(画像元は、コチラから)。
このように、ターゲットを狙うスポーツでの目線の使い方は、共通しているところがあります。
遠くの的を狙おうとすると、それまでの「過程」に意識がなくなり、結果しか見ることができなくなります。結果を求めることがスポーツでもありますが、的を狙う時に良い結果が出ない理由のほとんどは、結果までの過程に何かしら問題があるからです(それ以外の理由は、練習量やメンタルなど)。
アメリカのとあるバスケコーチがYoutubeで
「ゴールの位置は変わらない。変わるのは、シュートまでの過程だ」
と話していて、ボールの軌道を追うことを勧めていました。
ボーリングでも、ダーツでも、弓道でも、的の位置は変わりません。
だからこそ、ボーリングでも、ダーツでも、遠くの的を狙う時に、的よりも近い位置にある印や「自分が想像した的」に向かって体を動かすのではないでしょうか。これは、バスケットボールでも同じことで、変わるのはフォロースルーやボールの高さなどであり、ゴールの位置や高さは変わりません。
「ボールの軌道を見てシュートを打つこと」
は、様々なスポーツから考えても、より良いシュートに繋がるヒントになりうると考えられます。
これまでの記事をまとめます。
○シュートを打つときの目線
1.ボールをリリースした後に、リングを見続ける
2.ボールをリリースした後に、ボールの軌道を追う
3.リリースをする直前に、自分のリリースをする指を見て、フォロースルーを確認する
4.結果を創り、シュートの弧をイメージしながら、イメージをした弧・空間を見る
・2、3、4の方法は、シュートの結果ではなく「過程」を知ることができ、より丁寧なシュートに繋がる可能性がある
※1の方法でもシュートが入る人はたくさんいる。ただ、2,3,4の方法でシュートをもともと打っている人はシュートが上手い傾向にある
その他にも、人それぞれ目線の使い方は、様々なパターンがあると思います。
4つの方法以外のものも紹介させていただきます。
指先とリングを重ねて見ることで、毎回フォロースルーが真っ直ぐリングに向かうようになると考えられます。
どの選択肢が自分に合っているか。
それを探るのがスポーツの面白さですね。
PS
Twitterやブログで、コメントをしていただいた皆さん、ありがとうございました!
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