NBAハイライト病

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インターネットが発達している現代において、

バスケットボール界に密かに蔓延している病気。

 

NBAハイライト病

 

 

多くのバスケットマンはNBAを見てバスケを上達させていきます。そのことで、より一層バスケが好きになったり、NBAからバスケを学ぶことで上手くなったりするのでそれ自体は悪い事ではありません。今ではYoutubeやSNSで試合のハイライト動画、個人のハイライト動画、チームのハイライト動画、個別のスキルに関するハイライト動画をいくらでも見ることができます。これは素晴らしい事ですよね。

 

でも、その動画の”見方”を間違えてしまうと、
バスケットボールの幅が狭まってしまいます。

 

 

症状:プレーが断片的

  • 数字に残るプレーだけを追いかけてしまう
  • 完璧主義者になりやすく、一つのミスで絶望してしまう
  • 一つ一つのプレーが切れてしまい、プレーに流れがない

 

ハイライト動画には成功したシーンしかありません。

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Kyrieのハンドリング集を見れば、ドリブルで相手を抜き去ったシーンしかありません。試合のハイライト動画なら、素晴らしいパスから味方がシュートを決めたシーンや自ら得点を取ったシーンしかありません。だから、ハイライト病にかかってしまうと、「全てのプレーを”綺麗に”成功させないといけない・・・」と無意識に思ってしまいます。だから、完璧主義者になりやすく、綺麗に成功できなかったら「失敗した」と考えてしまいがちです。

 

自覚症状:なし

多くの場合、自分がNBAハイライト病にかかっていることに気づいていません。

プレーの一つ一つが独立してしまい、ミスをしたら大きく落ち込み、切り替えることができない。全てのシュートを入れて、全てのパスを成功させないといけないと思い込み、プレーの幅を狭めてしまう。…ハイライトを見ることでバスケットボールの可能性は広がっていくけれど、その見方を間違ってしまうとハイライト病にかかってしまいます。

 

 

でも、この病気にも治し方があります。

 

それもやっぱり治してくれるのは、
ハイライトを作っているNBA選手達なんです。

 

 

ハイライト病の治し方

 

ハイライト病を治すためには、

NBAの試合を一試合を通してみること

が大切です。

 

NBA選手は、試合の流れの中でプレーしていています。

Curryだってミスをします。でも、そのミスをターンオーバーにしない球際の強さがあったり、ミスをしてもゲーム全体で見たらそのミスを取り返していたりします。同じ人間とは思えないCurryだって全てのシュートを決めているわけではないし、一つのシュートが生まれるまでにチームメイトのスクリーンプレー、パス、駆け引き、・・・など、たくさんの「数字に表れないプレー」が関わっています。

 

 

僕が中学生の頃、監督がこう言いました。

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Michael Jordanの凄いところは、自分がミスをしたら誰よりも速くDFに戻るところだ。だから、いくらミスをしても良いけど、ミスをしたら誰よりも速くDFに戻りなさい。

 

ミスをミスのまま終わりにしない。

良いプレーを次のプレーに繋げる。

プレーを繋げて、ゲームの流れを切らない。

 

NBA選手が凄いのはハイライトだけじゃない。

 

 

 

PS.

…ということで、今回の記事は、自分自身に向けてという気持ちでも書きました。僕は数年間、ハイライト病にかかっていることに気づかずにバスケをしていました。ハイライト病はNBAが好きな人は誰もが一度はかかってしまう病気であると思います。だって、NBA選手がカッコいいですからね。笑

でも、「病は気から」という言葉の通り、「バスケットボールが上手い」という言葉の定義を広げて、大きな流れの中でNBA選手を見ることが自分のプレーの幅を広げてくれます。「ハイライト病」っていう名前は「病は気から」という意味も含めて、パッと思いついたので名づけてみました。ミスをしても良い。でも、必ずそれを取り返そうと切り替えて次に活かす。完璧を求めすぎず、ミスに対して絶望するのではなくて、一つの経験としてインプットして切り替える。1試合を通してバスケを見ることも大切に。・・・と自分に常に言い聞かせておきます。

 

PS

バスケの指導の場では、NBAハイライト病を作り出してしまう練習方法もあります。練習中に指導者が細かくプレーを分析し過ぎて、プレーの流れを止めることなどです。スポーツは科学ではないので、理屈で全てを理解させようとすると答え探しで練習が終わってしまいます。指導者の話だけを聞いて、ほとんど身体を動かしていない…という状況が練習で多くあると、ハイライト病と同じ症状が出てきます。毎日の練習の中に、試合と全く同じ状況で、指導者がゲームの流れを止めない練習も必要だと思います。

ハイライトに映らない隠れた好プレー、ハイライトを作り出す無駄に見える動きやスクリーンプレー、パスなど、そういった表面には表れないプレーの楽しさを知る事ができたらチームに良い循環が生まれます。もちろん、指導者としての楽しみも増えるし、バスケが楽しく、チームが強くなります。NBAの試合を是非、一試合通して見てみてください。

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