・・・
バスケットボールが楽しくなくなったのは、いつからだろう。
ああ、そうだ。
チームが2つに分裂してからだ。
「あいつはサボってる」
「いや、おれは頑張ってる」
そういう見方でチームメイトを見る空気が生まれてからだ。
あいつも悪気があるわけじゃないのになぁ。
確かに、見た目はやる気がなさそうだけどさ。
でも、あいつは負けず嫌いだし、やる時はやるやつだよ。
まぁでも「もっとやる気出せよ」「声出せよ」っていうのもわかる。
それも大事だし、
確かに、全く声出そうともしないあいつも良くないね。
ただ、あいつは
自分が納得しないことはやりたくないやつなんだ。
真っ直ぐなんだよね、見方を変えたら。
うん、でも確かに言いたくなる気持ちもわかるよ。
あああ、なんか最近バスケ楽しくないなぁ。
こんなんならバスケやめた方がいいかもしれないなぁ。
・・・
これは僕が大学4年生の時の話。
そう、僕らは自分たちの代になった時、
同じ学年が2つに分裂していたんです。
・「声出してやる気を見せろ」というチームと
・「別に声出さなくても結果残せばいいやろ」というチーム
この価値観の差でぶつかっていました。
バスケが楽しくなかった。
・・・
最近、とあるチームで「大和籠球」の指導をさせていただいたのですが、
指導後のアンケートの中に、こういったことを書いてくれた子がいました。
===ここから===
いつからか楽しんでバスケをするという事が出来なくなってしまっていて楽しもうとか声を出そうと意識してるのになぜか声が出なかったりネガティブになってしまったりとバスケを楽しむ事が出来ていなかったけど、2日間すごく楽しくて2日目の午後だったりはもっとしたいと思えるぐらい楽しめたし、声も勝手に出てきて、すごく感謝をしなきゃいけなかったなと思いました。ありがとうございました。またご指導よろしくお願いします。
===ここまで===
この感想を受けて、
「これは記事を書かないと」
と思って、今、文字を打っています。
ここからは「最近、バスケが楽しくないな」と感じる学生へ、メッセージを書きます。
・・・
そっか。
バスケが楽しくない時期って、あるよね。
僕も大学生の頃、
「あああ、こんなんならバスケやめようかな」
って思った時があったよ。
もし、本当にバスケ以外にやりたいことがあったら、
バスケが全てではないから、自分の心に従ってやめてみるのもありだよね。
もしかしたら、バスケよりも楽しいこと、
バスケ以上に自分の才能を活かせることがあるかもしれないからね。
無理に、嫌々続けるのは違うかなと思う。
でも、「いつからか」楽しくなくなったってことは、きっと楽しかった時期があるんだよね。
君が笑顔でプレーしている時のことも知っているから、バスケが嫌いじゃないことも知ってるよ。
Bリーグの応援に行くくらいだもんね!
きっと、バスケが楽しくなくなってきたのは、
最近、代替わりして、自分の立場が変わったからじゃないかな?
でもそれは成長の段階だから、必要な経験かもしれないね。
小学生の時ってさ、
ただ純粋に「楽しい」って気持ちでバスケできるよね。
「夢中」って感じだよね。
シュートを決めるのが楽しい。
試合が楽しい。
でも、中学生とか、高校生になっていくと、
だんだん、「バスケの楽しさってなんだっけ?」ってなる時がやってくる。
それは大人の階段を登っている、っていう証拠なのかもしれないね。
ただ純粋に楽しめていたバスケが、楽しめなくなってしまったのはなんでだろう。
それは、きっと、
バスケットボールの原点を思い出して、
バスケットボールをする「目的」を設定するタイミングがやってきた
ってことなのかもしれないね。
まず、話したいことがあるんだけどね。
バスケをする目的って、あると思う?
目的というのは、
「何のためにバスケットボールをするか?」
ってことだね。
例えると、今、毎日練習をしているのは「山登り」をしているのと同じようなこと。
「県大会ベスト◯」とか「全国大会出場」っていうのは、
山登りでいう「頂上」のことで、これは「目標」っていうやつだね。
その頂上に向かって、毎日、練習しているわけだよね。
目的っていうのは、「何のために山を登るか」だね。
・頂上の景色を見るため
・登った後の達成感を味わうため
・高山植物や生き物を観察したいから
・頂上で食べるカップ麺が美味しいから
・自然の中でデトックス(癒し)したいから
健康のために登る人もいるし、
好きな人との思い出のために登る人もいる。
中には、
「ただ、そこに山があるから」
っていう理由で登る人もいる。
”山に呼ばれてる”っていう人だね。
そう考えた時、
バスケをする目的って何だろうね。
健康のため?
友達を作るため?
・・・わからなくなってきたかもしれないね。
でも、そう、
目的って、実は、ないんだよね。
元々あるものじゃない。
誰かが教えてくれるものじゃない。
目的は、自分でつくるもの。
なんでもいいんだ。
ただ、目的を設定しないと、
「あれ?なんでこんな時間かけてバスケをしてるんだろう??」
「なんでこんなにキツイことしてまでバスケしなきゃいけないんだろう・・・」
って気持ちになっちゃうよね。
目的なく、山を登っているのをイメージしたらわかると思う。
そんな感じになっちゃう。
どんな目的でもいいから、自分でつくることが大事だよ。
自分で目的を設定すれば、
毎日の練習、バスケに意味が生まれる。
より充実した時間になるよ。
「楽しむこと、って目的になりますか?」
おおお、いい質問だね。
うん、目的になるよ。
でも「楽しむだけ」だと曖昧だね。
どう楽しみたい?
どういう時が楽しい?
バスケは”ツール”だから、ゴールじゃないよね。
だから、楽しむためっていうのもいいよね。
楽しむための道具だよね。
僕もそんな感じだよ。
バスケの楽しさにも色々あるよね。
じゃあ、ここで大切な質問を3つするね。
「目的」を設定するための、大切な3つの質問ね。
もしバスケノートがあれば、そこに書いてね。
なかったら、何かしら、自分で見返せるようなメモに書いてね。
一つ目の質問。
1. バスケットボールを始めたキッカケは?
いつからバスケを始めた?
バスケの何が一番楽しかった?
その時のチームメイトはどんな子たちだった?
初めてのコーチは?
大きくなると、原点って忘れちゃうよね。
僕もそうだった。
勝つことや上手くなること、
そこを目指すからバスケは面白いんだけど、
でも、「原点」を忘れると迷子になるよね。
僕は小学5年生でバスケを始めたんだけど、最高のチームメイトとコーチとバスケをしたよ。
遠征は毎回楽しみだったし、試合もただただ楽しかった。
憧れの先輩の真似をしたりしてね。
では、2つ目の質問。
2. どんな時、バスケがつまらない?
こんなバスケは嫌だ
こんな選手にはなりたくない
こんなバスケするなら辞めたい
そういうのは何?
書いてみてね。
思いつくのでいいから、考えすぎずに。
制限時間は1分〜1分半くらいにしよう。
深く考えて出てくるものよりも、
パッと思いつくものの方が自分の身体の声だったりするからね。
じゃあ、最後の質問。
3. どんな時、バスケが楽しい?
こんなバスケがしたい。
こんな選手になりたい。
これならずっとバスケしてたい。
多分、さっき「嫌なこと」を出したから、すぐ出てくるんじゃないかな。
どういうプレーが好き?
どういう選手になりたい?
今までバスケしてて、
「ああ、楽しいなぁ!」とか、
思わず笑顔になるのはどんな瞬間?
そこには誰がいる?
もし、余裕があれば、次の2つにも答えてみて。
4. バスケをする目的は何?
5. 「理想の選手像」は?(一文で)
はい、これが「目的」を言語化するワーク。
どんなのが出てきたかな?
大切なことだから、もう一度言うと、
目的は、最初からあるものじゃないよ。
誰かが教えてくれるものでもない。
だから、自分でつくることが大事。
自分で目的を設定すれば、毎日の練習が濃くなるよ。
楽しくなると思う。
「楽しさ」っていうのは、誰かに作ってもらうものじゃなくて、自分でつくるもの。
バスケットボールを楽しむか、楽しまないか。
どっちがいい?
って聞かれたら、
きっと、楽しみたいよね。
楽しむためにやってるもんね。
バスケ、楽しんでね!
・・・・
ここまでが、学生へのメッセージです。
この文章が届いたらいいなぁと願っていますが、
きっと、もう自分で楽しいバスケをつくっている頃だと思います。
なぜなら、
この感想を書いてくれた子、
大和籠球のチームセッション最終日には、
とても楽しそうにバスケをしていたからです。
指導後のアンケートで、
「面白かったところ」として、こう書いてくれていました。
===ここから===
1日目から2日目にかけて練習を重ねていく事に繋がっていっていて、2対2や3対3とかでした部分練習を4対4や5対5の中ですることができたり、理解できたのが面白かったです。
===ここまで===
他にも、学生からはこういった感想をもらいました。
===ここから===
今まで型にハマったようなバスケだったけど、正解は絶対ある訳ではなく、上手くシュートへの持って行き方を教えてくれてありがとうございます!
〜〜〜
新しい考え方や技術に触れることができ、自分の技術面の引き出しが増えたので練習や試合でどんどん使っていきたいです!
〜〜〜
最近バスケ楽しくないなーって思ってたけどやっぱりチームでするバスケは楽しいなと思いました。
〜〜〜
色んな知識が増えれば増えるほど頭はパンクしそうだけど、その分仲間と協力することが増えて、プレーが成功した時はさらに喜びを感じれました。仲間とコミュニケーションをとってチームプレーを増やしたいと思います。2日間考えることが沢山あって難しかったけど、この経験が無駄にならないように、これからの練習でもプレーの幅を増やして強いチームでも戦えるようになりたいです。2日間ありがとうございました!
===ここまで===
大和籠球のチームセッションでは、「3つの間」を大切にしています。
空間 時間 仲間
この3つが揃う時、
チームスポーツの醍醐味である「和」
を感じられます。
これまでとは違うバスケ、一人相撲のバスケとは違う楽しさを感じられます。
すぐにできることではありません。
でも、仲間とコミュニケーションをとり、
一つひとつの基礎を身につけていけば、できます。
メッセージの中に「すごく感謝をしなきゃいけなかったなと思いました。」と書いてくれましたが(とても有難く受け取ります)、
僕の気持ちとしては、僕への感謝よりもチームメイトたちに感謝してねと伝えたいです。
個性豊かなチームメイトがいるから、バスケは楽しい。
バスケって、本当によくできたスポーツだなぁって思うんですよね。
あのちょうどいい大きさで、絶妙な高さにあるリング。
1歩、2歩のポジショニングでプレーの質が大きく変わる緻密さ。
5人の個性が調和した時のなんとも言えない快感だったり楽しさ。
一つの意識、一つの基礎、一つの戦術で、
チーム全体が全く変わることだってあります。
常に攻守の切り替えがあって、無数の駆け引きがある。
一つとして同じプレーがありません。
「大和籠球」とは、一人ひとりの個性を一つに調和させるバスケットボール。
そして、選手たちが「目的」を持ち、
自分たちで自分たちを楽しませることができる。
大和籠球は、
プレーしている選手も、
指導している指導者も、
見ている人も楽しめます。
僕はいつも、指導のたびに選手たちの成長とプレーを見るのが本当に楽しいです。
全ての学生が自らの「目的」を持って
バスケットボールを楽しめることを願っています。
そうだ、僕の大学時代の話を最後にしますね。
僕ら、チームが2つに分断されたように仲悪かったのですが、みんないいやつだったんです。
僕はいつも思ってました。
「考え方は違うけど、みんなバスケは好きなんだよなぁ」
って。
そこを信頼したら、きっと、うまくいきます。
僕らは話し合いをして、方向性を一つに合わせることができました。
結果、最高のチームになって、
一生の仲間と思い出をつくれました。
あの時、僕は「こいつとは一緒にもっとバスケしたい」という思えるチームメイトがいました。
「チーム」のことを考えられない段階だったら、一人でいいんです。
一人から「チーム」に広がっていくから。
それではまた!
PS.
今回、学生へメッセージを書きましたが、
指導者の皆さんにも伝えたいことがあります。
指導者の皆さん、指導する目的を持っていますか?
聞かれて即答できますか?
僕自身、かつては目的を持っていませんでした。
「主体的に考えて〜」と思っていたけれど、とても曖昧でした。
目的が曖昧だと、曖昧な結果しか出てきません。
まずは、指導者の皆さんに「目的」を明確に持っていただきたいです。
そうしたら、選手に「目的」を持たせるための”問い”を与えることができます。
今回の記事で書いたこと、【和導】で詳しく話しています。
目的を明確に持たずに指導していると、
勝利といった手段が目的化され、無自覚な「支配と依存の関係性」を生んでしまうことがあります。
僕も、そういう経験があったから、今、この活動をしています。
「目的を自分で設定する」というのは、人生においてもとても重要です。
特に、AIとSNSが発展する今の時代、
自分の意思で、自分の目的を設定することは本当に重要になっています。
答えを自分の外側の誰かに委ねるか。
AIが答えた回答に従った人生を歩むのか。
それとも、自分で自分の人生をつくっていくか。
人生もまた、初めから目的があるわけではないし、
目的がどこかに落ちていたり、誰かが教えてくれるものでもない。
自分でつくらなければいけません。
もしかしたら、それが難しいと思えるかもしれませんが、
でも、それは本来とても楽しいことです。
僕ら人間にしかできないことだし、全て自分次第で自由自在だからです。
バスケットボール、楽しんでいますか?
バスケットボールの指導、楽しめていますか?
楽しんでいきましょう。
目的を設定して。
※【和導】への参加は、こちらから。
(7日間の無料メール講座)
PS.
僕は実際に「山登り」をすることがあります。長野県出身なので山に囲まれていて、中学校くらいからたくさん山に登ってきました。
山登りをするたびに思うのです、「目的がなかったら山なんて登らないだろうなぁ」って。
想像してみてください。
時間がかかる。
出かけてから家に帰るまで、半日以上かかります。
その間、何もできません。
疲れる。
結構疲れるんですよね登るの。
登ったら降りないといけないし。
なのに、なぜ、わざわざ僕は山に登るんだろう?
・・・目的がなかったら、途方に暮れて疲れるだけでしょう。
だから本当に「目的って大事だよなぁ」って思うわけです。
この記事で紹介している写真は、実際に僕が登ったときに撮ったものです。
僕には山登りをする明確な目的があります。
だから、時間がかかっても、疲れても、登ります。
大和籠球は、旗を見ればわかるように「水」をテーマにしています。
水のように滑らかで、
止まらない、止められないオフェンス。
水のように、
常に下に流れ、人の上に立たず謙虚な在り方、
形を固定させず場や人に合わせられる生き方を。
そして、水のように全ての人に恵みを与えられるような人になってほしい。
そんな願いを込めています。
山に登ると、本当に純粋で透き通った「水」と出逢います。
水のように滑らかに。
水のように謙虚に。
水のような人に。
自然はいろんなことを教えてくれますね。








