RONDOとは?
RONDOとはバスケットボールの基礎を身に付ける上でとても有効でお勧めのドリルです。特にU15以下の育成年代のチームは是非取り入れてほしいです。(もちろん、U18〜U22でも効果的で大切な練習なのですが、できれば早い段階からこの練習を取り入れて「駆け引き」を身につけてU18以降のカテゴリーに活かしてほしいと思っています)
まず、RONDOとは何か。
RONDOはサッカーの練習です。アウトナンバーの状態をディフェンスに取られないようにボールを回す、所謂「鳥かご」と呼ばれる練習です。この練習はサッカー界ではトッププロも行っている練習で(そういう意味ではバスケットボールのトップレベルでも取り入れる価値があると僕は思っています)トップの選手たちも重要視していることが分かります。
サッカーのトップレベルのRONDOを紹介します。
「楽しむことが目的の準備運動?とんでもない」
バルサの名手であったシャビ(現バルセロナHC)は、現役時代にインタビューで「クリエティビティーはどうしたら高めることができるのか」と聞かれたら、「ロンドだ」と即答したそうです。
「よくロンドって楽しむことだけが目的の準備練習のように言われるけど、とんでもない。常に周囲を見渡す力、左右両足を遜色なく使いこなすテクニック、守備者を十分に引き付けてパスを出すタイミングにその精度と、無数の能力を養うことができる。本当に奥が深くてね。それを繰り返し練習することによって、1列目、2列目など自分と異なったラインに位置する選手とパス交換ができるようになるんだ。7対2、5対2と人数を変えることで難易度を調整することもできるしね」
ここで語られていることはとても重要です。
RONDOは人によっては「楽しむが目的の準備練習」と捉えられますが、プロ選手(シャビ)は全く違う解釈をしています。「同じ練習でもその練習の”取り組み方(意識)”によって全く違う練習になる」と言えます。
「ロンドに始まりロンドに終わる」
シャビも言っているようにRONDOの中には様々な技術が含まれています。常に周囲を見渡す力、左右両足(バスケットボールでは左右両手)を遜色なく使いこなすテクニック、守備者を十分引きつけてパスを出すタイミング、パスの精度など、本当に様々な要素が含まれています。
僕は実際にRONDOの練習を何度もしているのですが、バスケットボールにおけるシュートやオールコートの走り以外の場面で必要になる重要な基礎がRONDOの中には詰まっていると感じます。日によっては1日の練習を「RONDOで始まり、RONDOで終える」としてもいいのではないかと思うほど、奥が深く、学びが多いです。
「RONDOの中にはバスケットボールで必要な基礎が詰まっている」と捉えて練習をすると、ディフェンスとの駆け引き、ミート、パス、ピボット、パスフェイク、ボールを失わないための技術など、様々な基礎が身に付きます。
サッカーのRONDO(動画集)
まずは、サッカーのRONDOの映像をいくつか紹介します。
試合中も練習のRONDOのようにディフェンスを崩している場面があることが分かります。
RONDOの守破離(重要)
発信仲間の鶴(賢者籠球講座の運営者)が創ってくれたRONDOのまとめを紹介します。
ここでは「守破離」という日本の考え方を元に、ロンドの基礎から応用までをまとめています。練習ドリルはチームに合わせて様々な方法がありますので、チームの課題、選手の個性に合わせてご活用ください。
練習ドリル
それでは、RONDOの練習ドリルを紹介します。
元々はサッカーの練習ですが、同じゴール型のスポーツであるバスケットボールはサッカーから学べることが多く、「バスケ版RONDO」を大和籠球では創っています。サッカーのRONDOにはシュートはありませんが、大和籠球のRONDOではシュートありのRONDOも実践しています。
取り組み方が全て
まず始めに、とても大切なことを改めてお伝えします。
RONDOは先ほどシャビの言葉を紹介した通り、人によっては「単なる遊び」や「単なるアップ(準備運動)」という風に捉えられるものですが、バルセロナのトップ選手も行っているもので、とても重要な基礎が身に付く練習だとも言えます。つまり、「取り組み方(意識)」によって全く違う意味合いの練習になるということです。これはどの練習にも言えることです。
RONDOを練習する際は、まず指導者自身がRONDOの価値を実感することが大切だと僕は思います。できれば指導者の方も選手に混ざって一緒にRONDOをやってみてください。RONDOは特に実際にやらないとその難しさや価値が分からないからです。
RONDOが試合で使えるものになるか、自分自身の課題克服の練習になるかは、取り組み方次第です。取り組み方が甘かったら何も身に付かず、取り組み方が素晴らしかったら素晴らしい練習になります。もちろん、だからといって、遊び心がなく(駆け引きがなく)固い表情でやればいいという話ではないのですが、この練習にどういう意味があって、どういう場面で活用できるのか?ということを指導者自身が体感した上で選手に伝えることをお勧めします。
指導者へのアドバイス
選手たちには「これはサッカーのバルセロナなど世界一のチームが練習で取り組んでいるドリル。ディフェンスとの駆け引きを純粋に楽しんでやってほしいけれど、単なる遊びで終わるか、試合で使える技術を身に付けられるかは、みんなの”取り組み方”次第だよ」という風に伝えるといいかなと思います。
言葉にするのなら「真剣に遊ぶ」とか「本氣で遊ぶ」とか、そういう言葉が良いかもしれません。「遊び」という言葉が選手たちに合っているとは一概には言えないので、選手たちの課題が克服され、RONDOへの取り組みがより良くなるような言葉を選んでください。
RONDOの指導で難しいところは「遊びの中で技術が身に付く」ということです。パスフェイクや駆け引きといった事は「遊び」の中から生まれます。硬い表情で真面目にプレーしているだけでは生まれない駆け引きというものがスポーツにはあります。スポーツの語源は「気晴らし(遊び)」だとされています。自分自身の感情をプレーで表現したり、自分だけのリズムをプレーで表現したり、目の前の相手との駆け引きを楽しむ、そういった感性を生かしてプレーできる選手は個性的でクリエイティブなプレーを見せてくれます。
ただ、その「遊び」というのを勘違いしてしまうと、本当に身に付けてほしい技術が身に付きません。RONDOの中にある「遊び」というのは「ふざけて遊ぶ」という意味の遊びではなく、「心の余裕(余白)をもった状態で目の前の相手との駆け引きを楽しむ」という意味での遊びです。
RONDOの導入の目的はチームによって様々です。その中でも、今回はよくあるチームの課題に合わせて2つの目的(導入の意図)をお伝えします。
・選手たちにバスケの楽しさ・駆け引きの楽しさを伝える
・狭いスペースの中で基礎スキルを身に付けさせる
これら2つは分けることができない要素であり、1の中に2もあり、2の中に1もある、という両面を含んだものになるのですが、一例として紹介させていただきます。
まず、1つ目の「選手たちにバスケの楽しさ・駆け引きの楽しさを伝える」という導入方法(目的)について。
これは選手たちバスケの楽しさを忘れている状態(作業や義務のようにバスケをしている状態)に指導者が意識してほしい目的です。RONDOを通して純粋にバスケを楽しむ、ということです。これをする時は指導者の声掛けも重要で、一つのミスに対して細かく指導をするというよりも「ミスをしたとしても切り替えを早くする」といった雰囲気や声掛けで楽しむことを目的に指導します。RONDOに楽しさがないと「駆け引きがない」とも言えます。RONDOを通して、選手たちがバスケットボール本来の楽しさを思い出し、駆け引き(フェイクなど)をする楽しさを身に付けてほしいと願っています。僕が勉強会でRONDOを指導する時はこの目的で行うことが多く、あえて積極的にポジティブな声や楽しむ声をかけるようにしています。その辺りは実際に指導動画を参考にしていただけたらなと思います。
次に、2つ目の「基礎スキルを身に付けさせる」という導入方法(目的)について。
これは特にある程度の技術力があるチームにRONDOを導入する際に意識的に指導した方がいいことです。チームとして成熟していて個人技術も身に付いていて、対人練習をメインにしているようなチームにRONDOを遊びの要素メインで伝えるとチームの雰囲気が良くない意味で軽くなってしまうことがあります。その場合は遊びの要素というよりも「狭いスペースで駆け引きの判断を身に付ける」というような意図で導入することがお勧めです。
RONDOを真剣に取り組むと「形」では教えることができない「間の技術」や「駆け引き」といった技術を身に付けることができます(詳しくは後述)。そういう試合で必要なスキルを狭いスペースで身に付けることができるというのもRONDOの意味なのでそこを強調すると選手たちがよりRONDOに対して意欲が高まると思います。
以上の2つの目的については、それぞれ分離させることはできないのですが、あえて分けて文章化してみました。実際は目の前の選手を見て、取り組み方が良さそうであれば時間を延長してもいいと思いますし、逆に「今日はちょっとRONDOは短めの方が良さそうだな」と感じる雰囲気や取り組み方であれば時間を短くしてもいいと思います。あくまでRONDOは「主体的にやらなければ何も身に付かない」と言えるもので、導入方法が難しいものともいえるので、選手の様子を見ながら取り組んでみてください。
そして、最後にお伝えしたいのは「継続しなければ成果は見えてこない」ということです。
これはどんな練習でもいえることですが、RONDOは特に2~3回やっただけでは成果が見えません。試合のどういう場面でこれが活きるのかなども分からないことが多いです。でも、実際に何度も練習してきた僕自身はRONDOは「基礎を身に付ける上で最高の練習ドリル」と思っているくらい練習する価値があるドリルだと感じています。指導者が教えたくても教えにくい技術(間の技術や駆け引き)を身に付けることができるからです。
どのようなスキルが身に付くのか?
RONDOを継続的に行うことでどのような技術が身に付くのか?をお伝えします。
・ディフェンスとの駆け引き
・瞬間的な判断
・ボールを簡単に失わない技術
・ノールックパス
・スペーシング
・間の技術
ディフェンスとの駆け引き
RONDOには攻め方の形はありません。目の前のディフェンスの守り方に合わせて(反射的に)身体を動かしてプレーを選択していく必要があります。これはバスケットボールの基礎なのですが、ハーフコートオフェンスの形を練習する時間が多かったり、様々なことを学ぶ過程で、このバスケットボールの本質を忘れてしまうことがあります。
あくまでバスケットボールは目の前のディフェンスとの駆け引きであり、オフェンスの目的はシュートを決めることです。そのためにスクリーンプレーなどのシステムがあることを忘れてはいけません。RONDOをすると自然とディフェンスとの駆け引きが身に付きます。
RONDOをする過程で、よく相手にボールを取られてしまう選手は普段からディフェンスにボールを取られやすいパスをしてしまっている可能性が高いです。RONDOで起きるミスは試合でも起きるミスであり、自分自身の課題です。RONDOをそのように捉えると、より質の高い練習になります。
瞬間的な判断
RONDOをする際、ルールとして時間制限を設けたり、狭いスペースで行ったりします。これは瞬時の判断を促すためです。「判断を速く」と言葉にしなくても自然と判断が速くなる、という”仕組み(ルール)”を設定することが練習ドリル作成では大切になります。
人は思考が優位になりすぎる(考えすぎる)と動きが遅くなります。そうなると判断が遅くなりミスを引き起こしてしまいます。RONDOの中では、限られた狭いスペース、限られた時間内など、ルールの中で目の前のディフェンスと駆け引きすることで、自分の中にある感性が引き出されます。RONDOをする時はあまり考えすぎず、目の間のディフェンスとの駆け引きを楽しむことを目標に取り組むといいです。
ボールを簡単に失わない技術
バスケットボール選手として大切な技術は「簡単にボールを失わない」ということです。ターンオーバー(TO)をゼロにすることは難しいですし、ミスを恐れてプレーすることは良くない結果を引き起こしますが、できる限り簡単なミスを減らすことが勝利に近づきます。選手としてもミスが少ない選手は指導者からしても試合に出しやすく信頼を得られやすいです。
RONDOをする際、「簡単にボールを失わない」という意識をもって選手たちにプレーさせることが大切です。”やり方”は色々ありますが、目的としては「ディフェンスに取られないこと」なので、そこをまずは意識させるような声掛けをしてみてください。そうすると、ディフェンスからボールを守るためにボールの位置を移動させたり、ピボットを踏んだり、パスを遠くに出したり、ミートしたり、そういった技術がRONDOの中で自然と出てくるようになります。
サッカーのプロの世界では簡単にボールを失うと「そのボールはお前にとって何円の価値があるんだ?」と言われることがあるという話を聞いたことがあります。プロにとっての価値はお金なのでそういう言い方になると思うのですが、学生バスケにおいては「自分自身のプライド(簡単にボールを取られないバスケットボールが上手い選手)」をかけてRONDOを真剣に楽しめるようになると質の高い練習になります。
ノールックパス
RONDOの中では積極的にノールックパスにチャレンジすることをお勧めします。「ノールックパスというのは才能がある選手だけが出来るもの」と捉えている選手もいますが、実際は「やればできるようになる技術」です。
ただし、練習の対人や試合中にノールックパスにチャレンジすることは勇気が必要です。なぜならTOになるリスクがあるからです。だからこそ、こういう「遊び(心の余裕をもった状態で目の前の相手との駆け引きを楽しむ)」があるRONDOの中でチャレンジして身に付けることをお勧めします。ディフェンスは目線や身体の向きに反応するため、RONDOでディフェンスにボールを取られないようにするためにはノールックパスは効果的です。
スペーシング
RONDOをする上でスペーシングが重要になります。スペーシングとは、隣の味方との適切な距離のことです。一般的にハーフコートオフェンスにおける適切な距離感とは3m~5mとされていますが、RONDOにおいては狭いスペースの中で練習することで瞬時の判断力を養うといった目的があるため、3m~5mよりも狭いスペースで行う方が質の高い練習になります。
ただし、その狭いスペースの中でもスペーシングの技術を身に付けることができます。後述するRONDOの練習ドリルの中に「動きあり」でのRONDOがあります。その際、隣の味方が動いたら自分も同様に動き、適切なスペーシングを保ちます。この1~2歩の動き、適切なスペーシングを保つための動きが試合中もとても重要になってきます。
試合中、「ディフェンスがいない場所に動く」というのはミートの基礎であり、ダブルチームを回避する際にサポートでボールを受ける選手の基礎でもあります。この1~2歩の小さな移動ができるかどうかがとても重要で、そういった細かい氣遣いや地味なプレーが勝敗を分けます。
間の技術
最後に、「間の技術」について。これは何かというと「ディフェンスにボールを取られない位置に動く技術」や「スイッチした瞬間を見逃さない技術」のことです。バスケットボールにおいては基本的なポジショニングが決まっていますが、実際の試合中はそのポジション通りにプレーするというよりもディフェンスの位置によって適切なポジショニングは変わります。
例えば、先ほども例に出した「ダブルチームを受けた時」というのもその一つ。ボールマンがボール運びの際にダブルチームをされる時があります。その時、味方はボールマンを助ける必要があるのですが、その時のポジショニングというのは決まったポジションではなくディフェンスの位置によって「ここ」というポジションがあります。そういったポジショニングを取るためにRONDOはとても役立ちます。
また、スクリーンプレーでスイッチされた際もRONDOで身に付く「間の技術」が役立ちます。RONDOを3対3で行う(後述)練習を行っている時などによくあるのですが、ディフェンスがスイッチディフェンスで対応した瞬間、一瞬の隙が生まれます。その隙をつくうえでRONDOのような狭いスペースの中でプレーすることは役立ちます。RONDOをしていると、そういった「一瞬のチャンス」というものに氣付き、その「ディフェンスとディフェンスの間にできるスペース(間)」を的確につくことができるようになります。
こういった「間の技術」というのは教えるのがとても難しいです。ダブルチームを受けてミスになったシーンというのは、試合後にビデオで振り返って客観的に見れば、「ここに動いたらミスにならなかった」ということに気付けるものです。でも実際の試合中にそこに動けるかどうかは普段から「間の技術」を練習しているかによります。これらは場面によって適切なポジショニングが変わるため教えることがとても難しいのですが、RONDOをやれば自然とそういった技術が身に付きます。
ロンドのコツ
次にRONDOのコツを紹介します。
・正対
・ピボット
・ミート
・ノールックパス
・待つ(ディフェンスを引き付ける)
正対

正対とは意識と身体を目の前の相手に向けることです。正対は「ディフェンスに対する正対」と「味方に対する正対」の2つがありますが、ここでは後者の正対(味方に対する正対)が必要になります。
例えば、基本のRONDO「3on2」を行う際、パスの移動に合わせて味方に正対する必要があります。これはパスを繋ぐためのとても重要な基礎です。パスが空中にある間に身体の向きを変え、味方がボールを受けた時には正対してパスを受ける準備をする必要があります。これは試合中の様々な場面で必要になる基礎であり、この意識がないと(もしくは正対するのが遅いと)ディフェンスにポジショニングを取られたりディナイされてボールを奪われてしまいます。
ピボット

次にピボットです。ピボットはこちらのページでも解説しているように、もっとも過小評価された技術の一つだと考えています。ピボットがきちんと出来ればプレッシャーをリリースすることもできますし、ダブルチームを受けた際などもミスをせずパスを繋ぐことができるようにもなります。
RONDOにおいては、パスを出す時、パスを受ける時にピボットを意識することが大切です。パスを出す時はディフェンスを動かすために行います。大きくピボットを踏むことでディフェンスを大きく動かすことができるのでパスコースができるようになります。ディフェンスはボールマンの身体の向きを見てパスコースを読んでくるのでノールックパスをする際もピボットを大きく踏むことが効果的です。また、パスを受ける際もピボットは重要になります。ピボットがない状態でパスを受けようとすると、パスコースがなかなか作れず、ボールマンはディフェンスに取られるかもしれないという心理的不安が生まれてパスが出せなくなります。受け手も大きくピボットを踏むことでパスコースを作り、味方にターゲットハンドを見せて「パス出してもいいよ」という安心感を与えることがパスを安全に繋ぐためにとても大切です。
ミート
簡単にミスをしないためにボールに対してミートすることが大切です。これもバスケットボールの基礎中の基礎で初心者指導で教わることかと思いますが、ミスをしないためにはとても大切な技術でありながら、忘れられがちです。ミスになりそうになったらミートしてディフェンスに取られないようにする。ただこれだけの事なのですが、このミート(ルーズボールへの執着心)が勝敗を分けるのがバスケットボールです。
「ロンドはアップ(準備運動)だから軽くやればいい」という意識で取り組むか、「ロンドをちゃんとやれば自分の課題を克服できる」「試合中のミスを減らすことができる」と取り組むかによってミートの意識も変わります。
待つ(ディフェンスを引き付ける)
最後に、ディフェンスを引き付ける技術について。RONDOをする際、ルールとして「ワンタッチでパス」など瞬時の判断を促すためのルールを設定する場合がありますが、そういったパスを出すまでの時間制限を設けない場合は「ディフェンスが来るまで待つ(ボールを保持しておく)」という技術を練習することができます。
試合中、ディフェンスに囲まれて焦ってボールを早く離してしまい、TOになることがあります。これは「待つ」ということができていないために起きるミスです。RONDOは「ボールマンに必ず一人ディフェンスする」というのが基本ルールですが、ディフェンスが間に合っていない場合や駆け引きで引いている場合は「ディフェンスがボールを取りに来るまで待つ」ということをすると、この「ディフェンスを引きつけてパスを出す」を身につけることができます。これはダブルチームをあえて引きつけてからパスを出す、といった少し高度な技術ですが試合中にも必要になることです。
基礎練習:ロンド(守)「定歩」
それでは具体的に、RONDOの練習ドリルを紹介します。
まず始めに「定歩」でのRONDOです。「定歩」とはポジション移動なしでピボットのみで行うRONDOです。移動ができない分、ピボットやノールックパスを上手く活用しないとディフェンスに取られてしまいます。
サークル3on1
まず最も簡単なRONDOを紹介します。U12にお勧めです。
サークルを使って3対1の状況を作り、その中で様々なルールを加えて行います。
ルール(一例)
- ボールマンには必ずディフェンスがつく
- ワンタッチでパス(1秒以内)
- バウンドパスのみ
- タップパスのみ
※制限時間:「24秒~1分」
※交代制:ディフェンスがボールを取ったら交代、オフェンスがサークル外に出たら交代など
サークル3on2
次に同様のことをディフェンス2人で行います。
ペイント4on2(4on3)

次にペイントを使って4対2(もしくは4対3)を行います。
サークルよりも広いスペースになるのですが、逆にパスコースが長くなる分、サークルよりも難しいです。より強いパスが必要になります。ディフェンスに取られないような位置にターゲットハンドを出したり、ピボットをして足を出すなどの技術が必要になります。
ルール(一例)
- ボールマンには必ずディフェンスがつく
- パスの制限なし
※制限時間:「24秒~1分」
※交代制:ディフェンスがボールを取ったら交代、オフェンスがサークル外に出たら交代など
基礎練習:ロンド(破)「移動あり」
次に移動ありでロンドを行います。
サークル上を動いていい、というルールで行うことで、スペーシングの感覚を身に付けることができます。定歩よりも自由度が高いのでオフェンスはやりやすいと思いますが、はじめに定歩(動きありよりも少し難易度が高い)をすることで「動く大切さ」というのに氣付けるようになります。
※U12であれば最初から動きありで行った方がいいと思います
ルール(一例)
- ボールマンには必ずディフェンスがつく
- ワンタッチでパス(1秒以内)
- バウンドパスのみ
- タップパスのみ
※制限時間:「24秒~1分」
※交代制:ディフェンスがボールを取ったら交代、オフェンスがペイント外に出たら交代など
また、「ドリブルあり」というのも効果的です。ボールマンがドリブルを行ったらそれに対して周りの味方はサークルムーブをして合わせます。サークルムーブはオフボールの基礎としてとても重要なので、味方とのスペースを意識してドライブに対して合わせる習慣をRONDOでも養っておくと良いです。
参考:サークルムーブ

ルール(一例)
- ボールマンには必ずディフェンスがつく
※時間制限:「24秒~1分」
※交代制:ディフェンスがボールを取ったら交代など
基礎練習:ロンド(離)「シュートあり」
ある程度、定歩や移動ありのRONDOができるようになったら、次はシュートありでRONDOを行います。サッカーのRONDOはシュートなしで行うことが一般的ですが、大和籠球ではシュートありのRONDOを創りました。よりゲームに近い状況になるので、とてもお勧めの練習です。
なぜシュートありを行うかというと、まず一つは選手のRONDOへの取り組み方をより質の高いものにするためです。シュートなしのRONDOだけをしていると「早く対人の練習がしたい(シュートありの練習がしたい)」という氣持ちになる選手が多いです。また中には「これが試合のどこで活きるんだろう」と思いながらやっている選手もいるかもしれません。そういった選手たちに「RONDOで身に付く技術は試合でも活かせる」ということを体感してもらうためにも、シュートありで行うことが効果的です。
また、もう一つの理由としては「上の空間にあるフリー」を認識させるためです。サッカーとバスケットボールは同じゴール型ですが、バスケットボールは「ゴールが高いところにある」というのが大きな違いの一つです。サッカーはバスケと比べた時、比較的平面にゴールがあるため、RONDOの延長線上にシュートがあります。でも、バスケットボールの場合はいくら目の前にディフェンスがいたとしても上の空間が空いていればシュートが打てます。なので、RONDOで目の前のディフェンスとのズレを作ることも大切ですが、それだけではなく、目の前のディフェンスとリングとの空間を認識してシュートを打つ判断も試合では求められます。それをRONDOの中に取り入れるためにシュートありの練習ドリルを作成しています。
シュートありで行うと、より試合と似た状況でRONDOができるので、選手たちの取り組み方もかなり熱量をもってできるようになります。シュート在りの場合は得点制で行うと良いです。
ペイント内3対2
ペイント内のアウトナンバーゲーム。アウトナンバー&ペイント内なのでシュートを打とうと思ったら簡単にシュートが打ててしまうので、ルールとして「パスを3回以上回してからシュート」「パスをしたら必ず移動する」などを加えるとよりゲームライクな練習になります。この時もサークルやペイントで行ったRONDOの技術を活かして、ノールックパスなどを積極的に使っていくと良いです。
ルール(一例)
- ボールマンには必ずディフェンスがつく
- パス3回以上でシュート
※交代制:ディフェンスがボールを取ったら交代、オフェンスがペイント外に出たら交代
※得点制:チームを分けて行う場合は3本先取など
ペイント内3対3
アウトナンバーができるようになったら(ペイント内3対2は比較的短い時間でいいと思います)今度は3対3にします。この練習はかなり選手たちもやりがいを感じられる練習で、より試合に近い状況で練習できるのでお勧めです。
ハーフコートで3対3をすると、どうしてもスペースが広い分、試合では使えないプレーが生まれてしまうことがあります。ディフェンスもコートが広い分、守るのが容易ではありません。でもペイント内の3対3だとちょうどいいスペースなのでオフェンスもディフェンスもより対等に勝負ができると感じています。
また、3対3をする際はスクリーンプレーありで行うのですが、そうすると「スイッチ」「ファイトオーバー」「スライドスルー」などディフェンスが様々な対応をします。それに対して瞬時に判断してプレーを起こす必要があるため、スクリーンプレーに対する判断力も良くなります。先ほど話した「間の技術」というのもペイント内3対3だと身に付きやすいです。
ルール(一例)
- ドリブルあり
- パス3回以上でシュートなど
※交代制:ディフェンスがボールを取ったら交代、オフェンスがペイント外に出たら交代
※得点制:チームを分けて行う場合は3本先取など
その他(練習ドリルの紹介)
上記のRONDOが基本です。後はアイディア次第で様々なルールを加えて、チームの課題に合わせたRONDOを行ってみてください。ここではいくつかのRONDOを紹介します。
※もし新しいルールで行ったものがあれば是非教えてください!
3on1(連続パス4回)
3対1のRONDOを行うのですが、ルールとして「一人の味方と4回連続でパス交換できたらクリア」という制限を加えます。これをクリアするためには、パスフェイクや移動が必要になります。特にこの移動する技術はダブルチームを受けた際の回避などに使えたり、ゾーンアタックでも使える技術です。詳しい解説は動画をご覧ください。
ルール(一例)
- 一人の味方と4回連続パス交換できたらクリア
- タップパス(できる限り)
※交代制:ディフェンスがボールを取ったら交代、オフェンスがペイント外に出たら交代
※制限時間:10秒~12秒
サークル2on2
サークル内で行う2対2です。これはかなり狭いので難易度が高いです。ただ、きちんとボールをキープする力が身に付きます。この中でPick&Rollをするのもありです。より強度の高いディフェンスに対応するためのドリブル、スクリナーはスリップの練習になったりします。
ペイント2on2
サークルよりも広いスペース&シュートありで行えるので、よりゲームライクなRONDOになります。シールをきちんとする、ピボットをしてパスを出すなど、パスを確実に繋ぐために必要な技術が身に付きます。
ダブルチームあり
RONDOをダブルチームありで行うことも効果的です。試合中にダブルチームを受けた時に冷静に判断できるように、この狭いスペースの中でミスなくパスを繋ぐことを意識して行いましょう。この時のポイントは「ディフェンスを引き付けてパスを散らす」「空いている空間にパスを通す」です。ディフェンスを見るとパスコースが見えなくなります。空いている空間を認識すると適切なパスが通せるようになります。是非意識してみてください。