こんにちは、原田です。
今回はシュートに関しての重要な内容。これから数回に渡って、「シュートフォーム」という視点からシュートを上達させる方法や考え方を紹介していきたいと思います。
まずはこちらの動画をご覧ください。
◆同じフォームでは打てない
— 原田毅@NBAで凄いのはダンクだけ!? (@nbanotdankudake) February 20, 2020
人間、全く同じフォームでは打ち続けることは不可能。必ずズレる。同じフォームで打とうとするよりも、できる限り、入る軌道にボールを乗せようと軌道修正をすることの方が大切。フォームを気にしすぎると「入らない自分」から抜け出せなくなる。pic.twitter.com/7GuBRgvxoK
僕はずーっとシュートについて悩んでいました。
いや、正確にはもともとはシュートが得意だった(フリーは絶対入るって思っていたし実際かなり確率は高かったです)んですが、NBA選手との比較で常に劣等感を感じて(当たり前)、それから「シュートフォーム」っていう罠にハマって、どんどんシュートが下手になっていきました。「下手だと思い込んでいた」ともいえます。
シュートが上手かったと自分でもいえるのは高校生の初期。それからフォームについて考え出してから、泥沼にはまってシュートが文字通り崩壊して、フリーなのにエアーボールをするようにもなってしまって、自信がなくなり、シュートに対しての苦手意識が常にありました。
それはそのまま、
「バスケットボールへの自信のなさ」にもつながり、
「バスケ=人生」と言えるくらい没頭していたので、人生に対してもどこか自分の中に曇りがあったなと思います。
さて、シュートフォームについてですが、
上記のツイートで紹介している動画をよく見てみてください。
・・・
シュートフォーム、毎回違いますよね。
厳密にいえば、フォロースルーのところをよく見てみてください。シュートが入っている時、毎回同じフォームではないというのがわかるかと思います。若干違うし、なんなら「フォロースルーはリングに向かうように!」っていうのを信じていた僕からしたらビックリのフォロースルーが全くリングに向いていない時もあります。でも、入っているのです。
だからといって、
「シュートフォームなんて考える必要ない!!」
と言いたいわけではありません。
ただ、「シュートフォーム」という言葉に囚われていると、おそらくその上の段階にはいつまでも行けないのではないかと僕は今思っています。その上の段階とは、「シュートを打つ」というよりも「シュートを放る」という次元。「リングにシュートを打つ」というよりも「入る軌道にボールを乗せる」「空間にシュートを放つ」という感覚のシュートです。
このカリーを見ていると、フォームが毎回違うと感じる。レディックなんかは毎回同じようなフォーム(フォロースルー)で打つことを意識しているように見える。あくまで印象ですが、カリーは”空間にボールを放っている”ように見えます。
このカリーを見ていると、フォームが毎回違うと感じる。レディックなんかは毎回同じようなフォーム(フォロースルー)で打つことを意識しているように見える。あくまで印象ですが、カリーは”空間にボールを放っている”ように見えます。pic.twitter.com/KfOTEk5kKw
— 原田毅@NBAで凄いのはダンクだけ!? (@nbanotdankudake) March 6, 2020
僕は身近にシューターがいます。
そして、僕はインタビューが好きだし、シュートが上手くなりたいと思うから、そういう人がいたらすぐ聞くようにしています。「どうやったらシュートって軽く打てますか?」「打つとき、どういう感覚で打ってますか?」「どこ狙ってますか?」「どこ見てますか?」「どんな練習をしましたか?」など。質問をすればするほど、相手の中にある貴重な経験を聞けるのでとても有難いことです。
で、僕がいつも聞くのは身近にいる双子の弟(俊)なのですが(前の記事でも紹介したシューター)、前にこんなことを言っていたんです。これはシュートフォームについてあれこれ考えていた僕にとって、とても興味深い話でした。
「学生から『どうやったらシュート上手くなれますか?』って聞かれたんだけど、飽きるまでシュートを打ってから聞きに来て、って感じだね(笑)」
フォームがどうこうの前に、「そもそも、どのくらい練習したか?」というのが大事ということ。確かに、俊は中学生の頃からスリーを打ち続けていて(届かなくても監督のアドバイスで打ち続けていた)、「もう飽きた」ってくらいシュート練習をしています。実際、本人の感覚からすると「もうシューティングしなくてもいいでしょ、入るし」って感じらしいです。
こう書くとめちゃくちゃ生意気に聞こえますが(笑)、実際めちゃくちゃ練習をしているし(努力を努力と思わないくらいシューティングは楽しいみたい)、自分なりにシュートフォームに関しては学んではないけど試行錯誤してきているみたいです。イメージは小学生の頃に見た「Mike Bibby」のシュートらしく、土台を安定させるために足を広げることを意識したくらいで、あとはひたすら何万本も打ち続けるのみ。しかも、スリーを99%以上打ってます。近くから徐々に遠く、とかではなく、スリーを打ち続けて、結果的にミドルも入るようになってます。
そんな身近にいるシューターの話もとても興味深く、学びになるのですが、それはまた別記事でテーマを分けて話すという事で、
今回の記事のテーマである「同じフォームでは打てない」ということを理解することがなぜ重要なのかを次に話したいと思います。
理由はシンプルに、
・「シュートを入れること」に100%意識を向けることが最終ゴールであるから
です。
フォームを考え出すと泥沼にハマることがあります。
それはフォームを気にするあまり、シュートを決めるという意識や気持ちが薄くなってしまう事。そして、シュートに対する自信がなくなることです。そもそも「シュートが入る」「シュートが入らない」という基準は明確なものがあるようでありません。誰と比較するのか、何パーセント以上なのか、「〇〇パーセント以上だとシュートが上手い」というデータあったとしても状況によってそれは変わります。
もちろん、本当にめちゃくちゃなシュートフォームであれば改善することは必要だし、より良いシュートを打つためのコツというのが存在するのも事実です。ただ、最終的にはそれも無意識に落とし込むまで練習をひたすらすること、当たり前ですけどここが本当に大事。そして、最終段階は「フォームを気にしない」なのだと現時点の僕は考えています。
具体的には、ツイートでも書いているように、
「シュートが入る軌道にボールを乗せる(空間にボールを放る)」
というのがシュートを上手くするために、とても大事な意識だと感じています。
シュートを打つときの目線や意識です。
今回の記事はこの辺で。
「じゃあシュートフォームって何なんだ??」と思った方もいるかもしれませんが、まずそこに立つことが大事なんじゃないかと思います。これはシュートについて悩み続け、研究して、泥沼にハマって下手になった後、シュートが上手くなった僕自身の経験談を踏まえた話です。
PS.
シュートフォームを意識していた時、僕は「フォロースルーはリングに向かってまっすぐ伸ばす」「入るシュートフォームを見つけることができれば、それと同じように毎回打てば全部入るはずだ」と思っていました。毎回のフォロースルーを意識して、リリースも、セットの位置も、すべてロボットのように一緒にしたら上手くなると信じていました。
でも、そんなことはないんですよね。それを意識しすぎることで見失ってしまう重要なことがある、というのは先ほど話した通りです。そして、もっと言えば、毎回”全く同じ動き”をすることは不可能です。人間の身体は数ミリ単位で日々変化しているし、試合の状況、ディフェンスの状況、パス、キャッチの仕方などが変われば、”全く同じ”というのは不可能だと言えます。
「シュートには、その人の生き方が表れる」
これは武学籠球の慎さんが言っていることですが、これは本当にそうだなって思いますね。
PS.
フルツ(僕はあの独特なリズムが好きで応援している選手の一人です)はNBAに入った後にシュートが崩壊してしまいましたが、あれは(詳しくはわからないけど)シュートフォームについての指導を受けたことが原因だったのではないかと思いますね。今まで無意識に、考えずにできていたことを、言語化して細分化したことで、頭で考えすぎてしまって、シュートを打つときに志向が邪魔して身体が固まってしまった。
フルツにとっての「自然な動き」と、シュートを指導した人にとっての「正しい動き」というのがズレていたのではないかと思うのです。シュートフォームの罠というのはこういうところにもあります(フルツが実際にそうだったかは絶対とは言えませんが)。言語化や分析、理論というのは、良い面もあれば良くない面もあります。
重要なことは「その人にとっての自然な状態とは何か?」を対人のチェック法を通して見つけられるかどうか、だと思います。それをなしに、誰かが言う「良い動き」とか、データから生まれる「正しい動き」の理論を押し付けてしまうと崩壊します。これに関してもまた別の記事で。
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