【SJCME】Vol.2「なぜ、ピック&ロールをやめたのか?」

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こんばんは、原田です。

 

酒井さんたちのオフェンス(以下:SJCME Offense)について、

今回は「ピック&ロールをするorしない」というテーマで話していきたいと思います。

 

酒井さんも動画の最初で言っていましたが、

「ピック&ロールをしないオフェンスが正解だ」と言いたいわけではなくて、

ただ、酒井さんたちのチームはそうしている、という話です。

 

ここは勘違いしないようにしてほしいなぁと思うところでもあり、

僕も、きちんと伝えていかないといけないと思うので今日はまずそれについて書きます。

 

 

酒井さんたちは、確かに、

「ピック&ロールをしない」

というオフェンスをしているのは事実で、

発信者の僕も分かりやすくその言葉を使っています。

 

ただ、大事なのは「〇か×か」という二元論で考えるのではなく、

「どちらの良さも考えて、良いところ取りをする」ということだと思います。

 

そして、酒井さんたちが

「どうしてピック&ロールをしなくなったのか?」

という経緯(Why)を見ようとすることも大事です。

 

そこを見ずに、

「ピック&ロールがいい」

「ピック&ロールは良くない」

となってしまったら、

どんどんバスケが狭くなりますし、

 

何よりも、酒井さんたちのオフェンスというのは、

Saint Joseph’s College of Maineの選手の個性、コーチの考え方、練習環境、チームの目指す理想など、

そういった色々な文脈(Story)があってこそ完成したものです。

 

なので、あのオフェンスの「形」それ自体を真似しようとしたら、

絶対にうまくいかないことが出てきて「難しいからできない」ってなります。

 

そういう視点ではなくて、

あくまで、良いところ取りをして、

「形」ではなくて「コンセプト(視点)」として、

Saint Joseph’s College of Maine Offenseを学んでみてほしいなと思います。

 

 

 

さて、そんな前提はこの辺にして、

SJCMEがピックをしなくなった経緯について、

先日、酒井さんから教えてもらったので共有します。

 

箇条書きでまとめると、こんな感じです。

・センターの四年生が引退した

・5outでオフェンスを作れるメンバーがいた

・より確率の高いシュートが何かをデータで調べた

・よりシンプルで、状況判断がしやすいオフェンスをしたかった

・無限に続けていける(プレーが止まらない)オフェンスをしたかった

 

まず、センターの選手が引退したというのが一つのきっかけだったみたいで、

その後、「確率の高いシュート」をデータで調べたそうです。

 

すると、確率の高い順に、

・ゴール下のシュート

・カッティングからのレイアップ

・キャッチ&シュートでの3P

・ドリブルをついてからのシュート

・ピック&ロールからのシュート

・タフショット

ということがわかったそうです。

 

実際は、ピック&ロールでズレを作って、

ワイドオープンの3Pを作ってシュートということもあるので、

厳密にすべてが明確に分けられるものではないと思いますが、

 

意外と、ピックを起こした後の得点効率が高くなかったそうです。

(もちろんこれはSJCMEでは、という話ですが、意外と多くのチームに当てはまるんじゃないかなと思います)

 

 

これは今だと「モーレイボール」と呼ばれるオフェンスの考え方で、

 

NBAをはじめ、多くのチームが

「期待値の高いシュートから狙う」

ということを重視しています。

 

ゴール下を狙う手段というのは、いくつもあります。

例えば、ピック&ロールのようにセンターの選手をダイブさせて狙うこともできるし、

センターが1対1が得意ならローポスト、ウィングで1対1が得意な選手がいればウイングからの1対1。

 

方法はいろいろありますが、

「チームにとって、一番確率の高いシュートは何か?」

というところをまず考えていくと、

どういうオフェンスが良いかが見えてきます。

 

酒井さんたちの場合は、「カッティングからのレイアップ」をスタートにして、

オフェンスを考えていった結果、今やっているようなオフェンスになったそうです。

 

 

そして、もう一つ重要なのは、

「ドライブを成功させる2つのルール」

です。

 

酒井さんも言っていますが、

個人的にも、この考え方を知るだけでも、

SJCMEのオフェンスを学ぶ価値があると思います。

(これは本当に重要で効果的なドライブの考え方です)

 

 

これについては、きちんと伝えられるように、

後々、詳しく丁寧に解説していきますが、

 

ここでは、そのルールだけ紹介しておきます。

 

それがこれです。

1.Limit back to back drive

2.Swing drive

 

SJCMEでは、より確率の高いシュートを狙うために、

一つひとつのプレーで「良い状況判断」をしていく必要がある

ということをコーチが強調していたそうです。

 

そこで、考える必要があるのが「ドライブ、シュート、パスのタイミング」です。

 

画像で紹介している2つのルールは、

ドライブに関するものではあるのですが、

結果として、シュートやパスの判断を速くすることに繋がります。

(ルールは、あくまで一つの基準であり絶対的なものではありません)

 

これ以外にも、

・スペーシング

・プレーメイカースポット

・ドライブに対する合わせ

など、いろいろなコンセプトが掛け合わされて、

あのオフェンスになっていますが、

 

このドライブについての考え方は、本当に大きくバスケが変わるものです。

 

僕も、このコンセプト(視点)を学んでから

その視点を通して、色々なバスケを見ているのですが、

連続でドライブをしたり、パスが来た方向にドライブをした後のプレーは、

かなりの確率でタフショットになったり、上手く合わせられていなかったりしていると感じます。

(お互いの力がある程度同じくらいで拮抗しているチーム同士の試合)

 

是非これだけでも学んでいただけたらなと思っています。

(今後の配信で詳しく解説します)

 

 

 

今は、ネットで検索をしたら

誰でもオフェンスシステムを学べます。

 

でも、それらは「形」であって、

それをそのままなぞるだけでは個性が活きないし、

同じようなことはできても、同じことはできません。

 

その形を選手の個性に合わせて変えないといけないし、

目の前のディフェンスに対応していく必要があります。

 

そういった形から入るのと比べて、

SJCMEのように、「こういう風にプレーしよう」という

プレーの原理原則、コンセプトからオフェンスを作っていくと、

始めから形にとらわれることがなくなります。

 

形がないので、相手に読まれにくく、

その場で目の前の相手に対応できます。

 

当然、そこまで行くのには時間がかかりますが、

 

始めから形がなければ、

選手たちが形にとらわれることがないので、

より自由で、個性を活かしたオフェンスを作っていけます。

 

 

もちろん、形から入るオフェンスにも良さがあります。

 

 

5対5でのスペーシングとかタイミングを身に付けるために、

まずは形を取り入れて、プレーの原理原則を覚えた後に、

ディフェンスに対応して、形を変えていくというのが合っているチームもあります。

 

これはコーチの価値観にもよるし、

練習環境(時間)によっても変わります。

 

例えば、今僕は「Princeton Offense」というプリンストン大学が作った形をずっと学んでいますが、

これもプリンストン大学の文脈があって作られたものなので、動き方自体をただ真似するだけでは形で止まってしまうので、

・どうして形を取り入れるのか?

・どうしてPrinceton Offenseなのか?

・Princeton Offenseを通してどうなりたいのか?

ということを、まずは考える必要があります。

 

そして、選手に合わせて

「プリンストン大学はここでパスをしているけど、〇〇がボールを持っていたらピックでもいいよね」

みたいな感じで、形を基準に選手の個性を活かしていく必要があります。

 

これも一つの道筋ですよね。

 

 

コンセプトから入るか、形から入るか。

 

これも、どちらが良い悪いではなくて、

「どちらの良さも考えて、良いところ取りをする」

ということが一番大事なところですね。

 

 

そんなことを踏まえて、

このシリーズでは、”あえて”、

「ピック&ロールをしないオフェンス」

という視点でバスケを深めていきたいと思います。

 

また続きを書いていくので、是非学んでみてください!

 

 

PS.

僕自身、まだまだ「コンセプト」という言葉についての理解が足りないので勉強中です

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