こんばんは、原田です。
今日は号外として、
昨日起きたことをお伝えしたいと思います。
昨日の朝、僕のメールボックスに英語で一通のメールが届きました。
メルマガへの返信ではなくて、
「お問い合わせ」という件名があったので、
ブログからの問い合わせだなと思ったのですが、
英語だったので最初は「スパムかな」と思っていました。
ブログをやっていると、よくスパムメールが来るんですけど、
英語のメールが来る場合は9割はスパムなので無条件で削除しそうになったところ、
「the Princeton Chin Series」
という言葉が目に入りました。
ん?スパムじゃないのかな?
ということで、メールに目を通してみると、
なんと、アメリカの高校で指導者をしている方からのメールだったのです。
内容を読んでみると、
=======英文=======
Hi — my name is 〇〇. I am a high school basketball coach in Virginia (USA), right outside Washington, DC.
I came across a video of yours on twitter of your team running the Princeton Chin Series. I really love how you guys ran it. I have some experience running this offense, but, would love to know more about how you teach it. I like some of the variations you all incorporate.
Where did you first learn the offense? Do you have anything written up in English that you’d be willing to share?
Many thanks!
=======ここまで=======
というメールでした。
このメールを受け取った後、
すぐ鶴に転送したところ、鶴からは、
「今、英語で返信書いてる!」
という返信が来ました。
さすが勉強家で賢者の鶴。
そして、その日の夜、
鶴から英語の文章が送られてきました。
Google先生の力も借りながら、
英語が話せるハーフの友達に添削をしてもらったそうで、
鶴とPrinceton Offenseの関係、賢者バスケで深めている「守破離」について、
僕にはとても書けない英語の文章が完成していました。
そして、それをアメリカからメールをくれたコーチに送りました。
このメールをもらってから、
僕と鶴、そして武学籠球という発信をしている情報発信仲間の慎さんの3人で、
いろいろなことを昨日は話していました。
そのことをシェアしたいと思います。
あ、武学籠球の慎さんというのは、
ご存知の方も多いと思うのですが、
知らない方のために簡単に説明すると、
武学という武術の元になっている視点をバスケに活かしている人です。
僕の大学の先輩で、「ウォータードライブ」という水のようなドライブを世の中に発信した人で、
今は「ハーフコートシュート」をSNSとかでよく投稿している人です。
一言でいうと、
「ハーフコートシュートの人」
で通じるかなと思います。笑
慎さんは大学の先輩で、
よく大学の頃も1対1をしてもらって、
その頃は「古武術」をバスケに活かしていて、
力を使わないシュートとかドライブをやっていました。
で、今はそれらを更に進化させたドライブとかシュート、ディフェンスを広めています。
僕もここ最近はその視点を活かして、
ジャブステップとかドライブとかをやっていて、
Youtubeとかブログの方でそういうのを載せています。
詳しくは「武学籠球」、もしくは「ハーフコートシュート」で調べてみてください!
・・・で、その3人でよくやりとりをするのですが、
今回の連絡をもらい、
「これは英語版の動画をつくるしかない」
ということが決定しました。
鶴と協力して作っていきたいと思います。
そして、できることなら、
メールを送ってくれたアメリカのコーチとお会いして、
Princeton Offenseについて、お互いのバスケットボール観について、
アメリカと日本のバスケットボールについて話をしたいよねと3人で話しました。
いつ実現するかとかわかりませんが、
でも、こんなにいいきっかけをもらったので、
これは何かに繋げていかないとなという気持ちです。
「Princeton Offenseを更に深めたい」
というよりも、
「バスケットボールを更に深めたい」
という風に思いますね。
Princeton Offenseはあくまでも、話のきっかけなだけであって。
それで、メールをしてくれたコーチが
「Twitterの動画を見た」と言っていたので、
どの動画を見たんだろうと、Twitterで
「Princeton Offense」と検索してみたところ、
自分が載せていた動画がいくつか出てきました。
その中で、Youtubeにアップした動画をシェアしてくれているアメリカのコーチもいて、
そのツイートを見てみると、面白いやり取りがされていました。
そのツイートをしていた方は、
昨日の朝にメールをしてくれた方とは別の人なんですけど、
「RhythmOffense & SimplifyingBasketball」
というのを提唱している方でした。
Princeton Offenseを
「リズム」「シンプル」
という言葉で切り取って、
独自の視点に繋げているのだと思います。
これもとても面白い議論がされていて、
是非いつかお話をしたいなぁなんて思いました。
ようするに、
「Princeton Offense」
という一つのオフェンスを
どのように受け取るかは人それぞれで、
その視点の数だけ答えは違うってことですね。
で、その答えはどれも正解。
誰かが絶対に正しいじゃなくて、
どの人の視点も一つの答えだから
意見交換をするのが楽しくて勉強になる。
朝にメールをしてくれた高校のコーチも、
Princeton Offenseを指導していた経験があると言っていましたが、
・どのような理念をもって教えていたか
・どのような経緯でプリンストンを採用したか
・どんな選手たちと、どんな理想を目指していたのか
っていう部分は絶対に誰ともかぶらないので、
当然、そこから生まれてくる具体的なバスケのプレーは、
僕とも違うし、鶴とも違うし、皆さんとも違うってことですよね。
だからこそ、話し合う価値があります。
そして、そこには確実に、
「アメリカらしいバスケットボール」
「日本らしいバスケットボール」
があると僕は思っています。
その差を知って、お互いの違いを
「なるほど」「いいね」と受け入れたら、
その2つを掛け算して新しいものが生まれます。
そういえば、今、
世界バスケの親善試合が始まっていて、
日本代表も世界の国々と試合をしていますが、
最初、ニュージーランドと試合をしましたよね。
その時、ニュージーランドの伝統舞踊
「HAKA(ハカ)」が試合前に行われました。
あの凄い迫力の踊りです。
あれはマオリ族の戦士が戦いの前に踊るもので、
今は、相手への敬意や感謝を示す意味合いもあるそうですね。
あのハカを見た時、誰もが
「ニュージーランドらしさ」を感じただろうし、
「カッコいいなぁ」とか何かを感じると思います。
じゃあ、「日本らしさ」ってなんなんでしょうか?
「日本らしいバスケットボール」
って、どんなものなんでしょうか?
日本の良さって?
海外にはない日本の特徴って?
逆に、日本にはない海外の特徴って?
日本人らしい教育って?
・・・
僕は数回だけ海外に行ったことがありますが、
海外に行くと、必ず、「日本」について考えます。
これは海外に行ったことがある人、
海外の人と関わったとがある人は必ず考えるはずです。
日本のコンビニって便利だなぁ。
やっぱり、日本食が自分には合ってるなぁ。
これ、日本だとあまり見ない光景だよなぁ。
日本もこういう風な教育とか人が増えたらいいなぁ。
などなど。
僕の情報発信は、
「NBAで凄いのはダンクだけ!?」
というタイトルでスタートしました。
今もブログとかTwitterはそれです。
でも、最近はNBAのことはあまり発信していなくて、
Princeton Offenseとか武術を活かしたドライブとかを発信しています。
一見すると、
「NBAの発信なのになんで?」
と思われるかもしれませんが、
僕の中では、最初から今まで全部つながっています。
昔の僕は、
「NBAがバスケの正解」
「アメリカのバスケが一番だ」
「日本はアメリカから学ばないとダメだ」
みたいに思っていました。
NBAに憧れていたし、
アメリカのバスケに憧れていました。
もちろん、それは良いことで、
それくらい魅力があるってことなんですが、
その当時の僕は何が問題だったかというと、
「自分の国について知らないまま、ただ海外に憧れていた」
っていうことです。
それって、ようするに、
自分を知らないのと一緒です。
そうなってしまうと、自分が迷子になっちゃいます。
その頃の僕は、NBAの真似をして、
アメリカのストリートバスケの真似をしていて、
そこに「自分のバスケ」というのはありませんでした。
憧れを追いかけるのは大事です。
でも、目標が憧れだけになると、
憧れの後追いをしているだけで、
劣等感のようなものを感じるだろうし、
その人とは身体も環境も違うことばかりなので、
全く同じようになることは一生できません。
そうなると、いつまでたっても、
「完成していない」「まだまだだ」
と他人と比較し続けて、
自分の成長が見えなくなってしまいます。
そういうことがあります。
でも、まず自分があって、
自分の軸みたいなものが一つあれば、
そこに新しい情報を付けていけますよね。
ようするに、
幹となるものが軸があれば、
枝とか葉っぱは増やしていけるけど、
幹がなかったら枝とか葉っぱは生えない
ってことです。
よくある例えですが、
これは「日本のバスケットボール」
でも同じことが当てはまるなと思います。
僕はそういうのを経験してきました。
昔の僕なら、昨日もらったメールに対してこう思っていたでしょう。
「うわー!!アメリカの人からメール来た!
アメリカのバスケのこと知れるなんて最高じゃん!」
でも、今はこう思います。
あのメールをもらったときこう思いました。
「あの動画をどんな風に見ているんだろう?
どの部分が面白いと感じてくれたんだろう?
たぶん、アメリカにあるPrinceton Offenseと賢者バスケのPrinceton Offenseは違うもので、
そこにアメリカ人らしさと日本人らしさみたいなものがあるはずだから、
その違いをお互いにシェアしたら、絶対もっと面白いものができるだろうな。
守破離の考え方を話したら、どういう風に受け取ってもらえるのかな?
アメリカでPrinceton Offenseを教える場合は、どういう風な流れで教えていくのかな?」
僕はNBAに憧れてバスケをしました。
NBA選手のクロスオーバーと、
アメリカのストバスのドリブルに憧れて、
ひたすらドリブル練習をしていました。
でも、身体能力がない自分は、
「走って勝つしかない」
「とにかく厳しく練習をするしかない」
「強いチームの真似をしていたら勝てるはずだ」
と思って、厳しくひたすら練習をしました。
「日本のバスケ」と聞くと、
「アメリカのバスケに劣っている」
というイメージがいつもありました。
でも、情報発信をしていく中で、
「NBAもアメリカのバスケも確かに凄いし、魅力があるけど、
日本人にしかできないバスケって何かないのかな?日本ってどんな国なんだろう?」
ということを考えるようになりました。
そんな時、たまたま、
情報発信関連の勉強をしていたら、
英語を通して日本語を学ぶ講座だったり、
日本の歴史を通してコミュニティについて学ぶ講座だったり、
そういう場で、「日本」について学ぶことが増えました。
「武術」というのも、その一つです。
そういう学びも活かして、
今、このメルマガも書いていますし、
賢者バスケのコミュニティも始めました。
日本の良さとか特徴って何か?
というと、
これはいろいろとあるんですけど、
一言でいえば、
「なんでもまとめられるところ」
です。
「Princeton Offense」という言葉から、
バックドアを切り取ることもできるし、
Chinやダブルパンチを切り取ることもできるし、
教育とか指導方法に繋げることもできます。
そういうことが海外でできないのかというと、
もちろん、そういう話ではないのですが、
日本の特徴はそういうところにあるのは事実です。
その他も、数字や言葉の考え方とか、
そういうところにも特徴がありますし、
バスケットボール的なことを言えば、
僕が学んでいる武術を日本ととらえるなら、
ドライブの時にフロアを蹴らずに身体を固めずに進む
とか、そういうのも一つの日本らしさだなと思います。
かといって、それ一つに固執しないのも日本らしさ。
SNSとかで発信する時は、
「Princeton Offense」
という単語をよく使っています。
なので、もしかしたら人によっては、
「プリンストンオフェンス信者」的に見えるかもしれないですが、
それは、「プリンストンオフェンスが正しくて、他のバスケは間違っている」
という風になってしまっている人を言うのだと思います。
一つの視点が絶対で他の意見は受け入れない
となってしまっては、それはプリンストン信者ですね。
賢者バスケを始めてから、
いろいろなチームを見てきました。
Princeton OffenseのChinをやっている大学生、
Princeton Offenseのバックドアを取り入れている中学生、
Princeton Offenseの形からピック&ロールで攻めている高校生、
Princeton Offenseのスペーシングを活かしてドライブで攻めている高校生、
Princeton Offenseの形からローポストとピック&ロールで攻めている社会人チーム、
・・・
いろいろな型を見てきました。
それらは、きっかけが
「Princeton Offense」なだけです。
それに、Princeton Offenseは
確かにとても効率がいいオフェンスですが、
採用したらそれでバスケが上手くなるかというと、
全くそんなことはなくて、
結局は、関わる指導者と選手が
どのようにPrinceton Offenseを受け取って、
どのようにバスケットボールに取り組んで、
どのようなものを自分たちで作っていくか。
が全てなんだなと、最近よく思います。
だから、みんな違う型になるわけですね。
最初の形が一緒だとしても、
それをどうやって変えていくかで、
チームとか選手や指導者の個性が出てくる。
メールをしてくれた
アメリカのコーチも同じだと思います。
賢者バスケに参加している皆さんのご意見はもちろん、
海外の方も含めて、みんなの意見を一つの集めながら、
それを全体に共有して、更に深めていきたいなと思います。
・・・ということで、
時間はかかりそうではありますが、
英語版の動画もつくっていきたいと思います!
そして、いつの日か、
メールをしてくれたアメリカのコーチとお会いして、
バスケについての対談とか撮れたらなぁと思います。
もちろん、それは皆さんの元にお届けします。
実現するかはわかりませんが、
これから先も、自分の身の回りで起きたこととか
新しい学びを情報発信でお伝えしていきたいと思います。
ブログだと統計が見れるので、
海外からのアクセスは毎日あるんですが、
実際にメールをもらったのは初めてだったので、
その日のことを一気に書かせてもらいました。
インターネットって面白いですね。
いや、バスケが面白いってことですね!
PS.
武術を活かしたドライブとかディフェンスですが、
そのことに興味があるという声も増えてきました。
この前は、コミュニティの方とバスケの会場でお会いしたのですが、
その時も「プリンストンもですけど、あのポストの押しを体験してみたいです」
ということを言われて、そういう個人技術について
ちゃんと学べる場を作っていきたいなぁと思ってます。
あとは、実際にお会いすることで、
メルマガについてのご意見も聞けて嬉しかったです。
今は情報がありふれていて、
SNSとかも流し読みされる時代ですし、
そもそも文字ってあまり読まれない時代ですが、
だからこそ、僕らはメルマガを大切にしたいと思います。
本当に深い部分とか、
皆さんのご意見をまとめることは、
文字でしかできないと思うからです。
そして、その時の学びとか気持ちを文字にしたものは、
これから先も、数年後でも残り続けると思っています。
そういったものを創りたいよね
ということを昨日も鶴と話しました。
最近は勉強会という形で、
実際にお会いして体験してもらって、
その場でバスケを深めることをしています。
この前は、岡山に行きました。
力を使わないドライブとかディフェンス、
僕が最近やっている武術の視点を活かしたものは、
賢者バスケのバックドアと本質は同じことをやっているので、
その繋がりで、そういうのもお伝えしていきたいですね。
日本代表、ドイツに勝ちましたね!
本当に今、日本のバスケが変わっていますね。
オーストラリアはアメリカに勝ったし、
一つのチームが絶対的に強くて王朝を築くのもいいけど、
やっぱり、どのチームのもレベルを上げていって、
勝てなかったチームが勝てるようになる、
弱かったチームが強くなる、上手くなる、
っていうのがスポーツの楽しさですよね。
自分もプレイヤーとしても、
情報発信者としても、
日々進化していきたいなと思います。
とてもいいきっかけをもらったので、
これからもメルマガなど情報発信していきます。
また何か近況報告などあれば、気軽にメールを送っていただけたらなと!
PS.
この記事は「賢者バスケ」コミュニティで配信したメルマガの転載です。賢者バスケは現在、募集を一時停止していますが、その間もコミュニティは前に進んでいて、新しいものが毎日生まれています。今後の配信でまた再募集をすることを考えていますし、こういった形でブログの方でもシェアすることもあるので、今後の情報も引き続きチェックしてみてください。
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