蝉と女子中学生四人の進化

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ある中学校の体育館で、
バスケ仲間とシューティングをしていたところ、
隣のコートで女子中学生4人が仲良くシュートを打っていました。
 
その子たちはミニバスの頃から知っている四人。
 
今は中学生二年生になって同じ中学校に行き、
部活でバスケをして、部活終わりに体育館に来ます。
 
「ミニバスの頃は、よく3対3とか申し込まれてやってたなぁ」
と思い出しつつ、いつも通り練習をしていたところ、
四人がトコトコとこっちのコートに歩いてきて、
 
 
「あの~、ちょっと相談があるんですけど、」
と、何やら話すことがある様子。
 
相談が恥ずかしいのかちょっと笑いながらこう話してくれました。
 
「あの~、部活のことなんですけど、
オフェンスが何をやりたいのかわからないのもあるし、
あと先生から『バカ』『アホ』『下手くそ』『弱い』ばっかり言われます」
 
 
僕はこういった発信をしていても、
普通にバスケをしたり、大会を見ていても、
そういったバスケの場を聞くこと見ることが多いです。
 
目の前の中学生四人は、自分の知り合い。
 
ミニバスの頃からとっても素直で楽しそうにバスケをしていたのに、
今は制限された中でのバスケで部活のときは楽しいとは言えないらしい。
 
 
あんなに素直な子たちがもったいないな…
と思いながらも、僕はその指導者を見ているワケでもないし、
その指導者のことを何か言っても子供たちが困惑するだけ。
 
 
そういえば、僕のミニバスのコーチも、
「バカ野郎!!」
が口癖の人でした。 
 
本気ではなく、からかいながら言ってましたけどね。
 
試合中など怒るところは怒られましたが、
それが嫌だったとか、それでその監督が嫌いになるかとかはなく、
今でも「恩師」の一人だと思っている存在です。
 
自由に遊ばせてくれて、
基礎も教えてくれた人でした。
 
 
 
四人とはこんな会話をしました。
 
「そうなんだね。部活が楽しくないのはもったいないね。
みんなにはミニバスの頃みたいに、今みたいにバスケを楽しみながら上手くなってほしいと思うし、部活が原因でみんなの素直さがなくなってほしくないな。
バスケだけで自分の価値が決まるわけじゃないということだけは忘れないでほしい。
 
でも、だからといって、ここで先生の愚痴を言っていても何も変わらないからね。
周りの大人たちが先生に何かを言うことはできないんだよ。
何かを変えるなら選手のみんなが先生と話すしかないからね。
今のメンバーでバスケをする時間だって限られてるわけだし、
自分たちがやりたいことがあるなら、それをみんなで話し合って、
先生の考え方と合わせられる、先生を説得できるだけのものを作らないとね。
変えられないことに文句を言っていても何も変わらないからね。
自分たちができることを探して、自分たちで考えて、
それをみんなで先生に伝えたら先生だって話を聞いてくれるはずだよ。
 
助けてくれる大人は周りにたくさんいるからね。」
 
 
その子たちがミニバスの頃、
指導をしていた僕のバスケ仲間の話によると、
その子たちは中学校に入ってこの体育館でバスケをしているときは、
よく部活の文句を言い合っていたと言います。
 
あんな素直な子たちが!?
と想像できないけど、そうだったらしいです。
 
 
でも、話をした後は、
四人ともシュートも打たず、真剣な表情で、
体育館の使用時間まで話し合っていました。
 
終わりが近づき、保護者の皆さんが体育館に入ってきました。
 
保護者の皆さんは、
「あれ?バスケしてると思ったら集まって真剣に何を話してるのかしら?」
と不思議に思ったと言っていました。
 
 
先週、たまたま歩いていたら、
蝉の抜け殻がいいところに残ってました。
 
蝉が成虫に進化するとき、
人間がその孵化を手伝ったりすると、
蝉は成虫になれずに死んでしまうそうです。
 
成虫になるためのエネルギーを最大限使って、
“自分の力で”孵化をしなければ進化できないそうです。
 
 
四人の中には、「不満」がありました。
 
でも、その不満は、話し合うことで、
・自発性
・自主性
・自立心
・先生との良い関係
・もっと面白いバスケ
に変換されていきました。
 
 
愚痴を言っているときは、何となく気持ちがよく感じることもあるものです。
 
現状の不満を言い合えば、結束感が生まれるし、
誰かの批判をすれば、優越感を感じることができます。
 
もちろん、それらで感じる気持ち良さは、
悪いエネルギーの塊なので、その人の人格を歪めるし、
もっともっと面白い何かを探すエネルギーには使われません。
 
 
『スラムダンク』の三井寿は、
自分のことを認めてもらえない「不満」が溜まり、
バスケ部を辞め、「闇」の世界に入っていきました。
 
自分を認めてくれる人を求めて、
宮城や桜木と喧嘩をすることでエネルギーを奪い、
表面上だけ自分のエネルギーを高めていました。
 
でも、そうやってエネルギーを高めても何も生まれません。 
 
それは三井寿が示してくれていますよね。
 
 
 
不満が生まれたときほど、
別の何かが生まれるときでもあります。
 
それをするためには、
「変えられること」と「変えられないこと」を見極めること
です。
 
顧問の先生が自分たちの指導をしてくれていることは変えられない。
変えられるのは、顧問の先生と一緒に進んで行ける方法を自分たちで考えること。
 
 
あの四人がミニバスの頃のような純粋な心で、
バスケットボールを楽しみながら成長していくことを願っています。
 
練習後に、少し話を聞いてみました。
 
 
「今はチームスポーツなのに個人競技みたいになってるから、
まずは一人ひとりと話してみて、どういう風に部活をやっていきたいかを話し合って、
一人ひとりの話を聞いてから自分たちの意見をまとめて先生にも相談してみようと思います。
また何かあれば相談します!」
 
と話してくれました。
 
いつもの良い表情でした。
 

 
不満も悩みも喧嘩もエネルギーの一つ。
 
捉え方次第で、違ったエネルギーに変えて、
良いエネルギーの循環を起こせていけます。
 
 
ミニバスの頃の素直さと純粋さを忘れずに。

 
良い場が増えるといいなと思います。

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