武井壮さんが語る「ブラック部活動の元凶」

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武井壮さんが、厳しいシゴキや闇雲に練習量だけを増やす部活動(いわゆる「ブラック部活」)について言及していました。武井壮さんはそういった部活動が生まれるのは指導者の知識不足が原因であると考え、「1時間でも30分でも毎日子供のため、将来のために勉強して、質を高めていきましょう」ということを指導者に訴えています。

 

 
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1.スポーツは何のためにあるのか?
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勝利や偉業だけが自己実現を支えると考えてしまうと”遊び”の要素がなくなってしまう。

 

武井壮さんは、単なる勝敗を競う競技ではなくて、

スポーツは人生を豊かにする遊びであると考えています。

 

そして、武井壮さんがブラック部活に対して、

「たくさんの練習をやらすってことは、より少ない練習で体の疲労を抑えて、より効果を出すっていう知識の欠如だと思うんですよ。指導者が不安だからより厳しい練習をして、その中に何かが含まれている。それに頼っている。それが現状だと思います。」

と分析しています。

 

根性は必要です。

でも、その根性が手段ではなくて、目的として扱われてしまうようになってしまった時、スポーツの価値は下がってしまいます。頑張ることは必要ですが、闇雲に頑張ることは目的を達成することには繋がりません。バスケットボールにおいても、走ることや厳しさを持つことは確かに必要ですが、それが目的になってしまったらバスケットボールらしさがなくなってしまいます。「常識」「普通」「一般的」という言葉は、環境や時代によって変わっていくものです。自分が正しいと思っていると価値観も、誰かにとっては正しいとは言えないものかもしれません。また、今はとても変化の激しい時代です。
 
 

 
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2.時代の流れと部活動
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知識は、誰に対しても平等なものです。
 
知識を得ることは、

小学生であっても、中学生であっても、大人であっても、

学ぼうと思えば誰でも吸収できるものです。

 

食べ物のように腐ることもなければ、物のように盗まれることもありません。

 

時間効率を急速に高めてくれるものです。
 
 
「もしも、今の知識を持ったまま5年前にタイムスリップできたら…?」
と考えれば、誰でも今よりももっとバスケが上手くなっている自分、

バスケ以外の面でももっと成長できている自分を誰もが想像するはず。
 
 

その上で指導者が考えるべきことは、「人間関係」です。


10年前と今では、部活動の形は大きく変わっています。


制度自体が変わっているのではなくて、

”指導者と生徒の役割”が変わってきているということです。

 

 
その変化を引き起こしたのは、
「インターネットの発達」「スマートフォンの普及」
です。
 

 

縦の関係から横の関係へ。

10年前は、今のような環境がないため、情報を得られる環境にいる人とそうではない人とでは知識量に大きな差が生まれていました。かつては、育つ環境が重要な要素でした。指導者は「生徒の上に立ち、知識を提供していく人」であり、生徒は「指導者から知識を提供してもらう人」でした。
 
でも、今では誰もが平等に知識を学ぶことができます。
生徒はスマートフォンを使えば、世界中の情報にアクセスすることができ、自分の知りたい情報、バスケが上手くなるために必要な情報や練習メニューなどを自分で探すことができます。10年前に比べて、指導者と生徒の知識量の差は無くなってきています。(これは先輩と後輩、教師と生徒、親と子ども、などの人間関係でも同じことです)
  
今は、そのような時代であるので、指導者と生徒の役割は変わってきています。指導者は、自分一人で上から知識を提供していくのでは効率が悪く、そのような指導は窮屈になってきています。また、生徒自身は、一方的に知識を提供してくれることを待つのではなくて、自分で情報を探していけることを知る必要があります。
 
 

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3.今の時代の指導者と生徒の在り方
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今(これから)の時代においては、

生徒と指導者が共に成長していく関係

が求められています。

 

インターネットが普及しているので、子ども達は普段から色々な情報に触れています。

そして、指導者(特に教員)はバスケに必ずしも多くの時間が取れるわけではありません。

 

だからこそ、お互いに持っている知識を提供し合い、

生徒は指導者の声を聞き、指導者は生徒の声を聞く必要があります。

 

大切なことは、

多くの選択肢の中から自分達に合った情報を選んでいくこと

です

 

その溢れる情報の良し悪しを判断する際に、

指導者の経験は、生徒達にとって有り難い地図になる筈です。

 
 


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4.インターネットの可能性  
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インターネットの可能性を最大限利用できれば、
   
ブラック部活動が減り、
指導者と生徒の境界線がなくなり、
お互いに提供し合う信頼関係が生まれ、
一人一人の視点や知識をシェアすることができ、
スポーツで大切な自主性や自由なプレーが生まれ、
スポーツで生まれた良い影響が日常にまで広がります。
 
 
今は、早い人で小学生からスマホを持つ時代です。
 
「スマホを持つことが当たり前」
「インターネットが繋がっていることが当たり前」
「NBAをYoutubeで見れることが当たり前」
だと感じてしまうと人間は価値を感じなくなってしまいます。
 
 
「失って初めて気づく」という言葉がありますが、
インターネットが失われることは、これから先はないでしょう。
 
 
電車に乗り、スマホをいじった時、
無意識にゲームのアプリやSNSを流し読みする時、

…日常では知識を学ぶチャンスはたくさんあります。
 
 
誰でも知識を学ぶことができる。
いつでもスマホを使うことができる。
数秒で世界中の情報にアクセスできる。
 
こんな環境は、人類史上、今以外にはありませんよね。

どこの国でもスマートフォンが普及し、世界中が繋がってきています。

 

日本は豊かな国であり、当たり前のように良い環境が整っているため忘れてしまいがちですが、

今は物凄い可能性がある時代です。

 

そして、誰にでもその可能性があります。

 
大人が知識を学ぶことに関して、

時間やお金を惜しみなく使っていくことは、

子どもに対する最低限のマナーであると思います。

 

そして、それは義務として行わなければいけない側面もありますが、

知識を学ぶことでスポーツの可能性が広がる楽しさを大人自身が気づいていくことも大切なことだと思います。

 

 

スポーツは、人生を豊かにしてくれる遊びです。

 

スポーツをすることでたくさんの人と出会い、自分らしい個性を発揮することができます。

 

こういったことは「綺麗事だ」と言われることがありますが、

もはや、そんなことを言っていられないような時代になりつつあります。

 

綺麗事を追求していけば、

それは芸術を追求している職人のように、

ある種の「美」が生まれてくるはずです。

 

指導者と生徒が共に学び合い、

遊ぶことの楽しさや人と関わる楽しさ、

成長する楽しさを感じられる場が一つでも増えますように。

 

 

最後に、この記事のまとめを武井壮さんから。

 

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