バスケに関わる保護者(指導者)の方へ

この記事は6分で読めます

こんばんは、原田です。

コメントに返信する第二弾。

 

今回は、
「保護者の子供に対する接し方」
についてです。

 

保護者の方に向けてという事になりますが、
指導者の方には是非考えていただきたい事です。

 

 

コメントはこちら。

はじめまして。
ボルトの言葉、「日本の陸上界に言いたい」ことは、指導者ばかりでなく、保護者にも当てはまると感じました。
自分の子が部活(ミニバス)に属している保護者の場合です。
我が子との関わり、指導者との関わり。
ぜひ、保護者はどうあるべきか?
お考えをお聞かせください。

 

ボルトの言葉というのは、コチラの記事で話した内容で、
ボルトが桐生選手にアドバイスをした時の言葉のことです。

 

スピードを保てばいいのに、さらにスピードを上げようとしている。

 

大事なことは、トップスピードに乗ったらフォームを保ち、スピードを維持することだ。

多くの選手は、トップスピードから、さらに速くなろうとする。

それでは、速度にテクニックが追いつかず、逆に遅くなってしまう。

トップスピードに乗ったら、それ以上は速くならない。

 

だからといって「その記録を超えよう」と焦ってはいけない。

速く走ることばかり考えて、逆に遅くなる選手はたくさんいる。

速く走ろうなんて考えるな。

「自分の走りをすることだけ」を考えたほうがいい。

 

 

私にとって走ることは”楽しみ”であり、”情熱”だ。

 

大勢の観客の前で走る事は

私にエネルギーをくれる。

 

好きな事をやっていられる。

こんな素晴らしい事はない。

 

 

最後に1つ、いいかい。

 

日本の陸上界にいいたい。

桐生にあまりプレッシャーをかけないでほしい。

 

いいか、桐生。

自分のために走れ。

それが国のためになればいい。

 

まずは『自分のために走る』。

 

そして『楽しむ』。

 

それが日本のためになるんだ。決して国のためだけに走ってはだめだ。

いやー、これは今書きながら読み返しても、
素晴らしい考え方で教科書に載せた方がいいレベルですね。

 

前回の記事で話した事は、
・勝つことを求めて勝ちから遠ざかる勝利至上主義
・指導者は子供に過剰な期待をかけてはいけない
というようなことを話しました。

 

これらの考え方は保護者だけに限らず、
あらゆる人間関係に当てはまることだと思います。

 

あえて、保護者と子供、保護者と指導者の関係を
保護者目線で考えていきたいと思います。

 

最初に言っておくと、
僕はまだ保護者の立場ではないので、
あくまで情報発信をしている立場として、
聞いてきた話、見てきた話とかを踏まえて、

「保護者の方はこうやって接してほしい」

という僕の勝手な願いだということはご了承ください。

 

 

 

まず、指導者と保護者は同じように、
子供たちに過剰な期待をかけてはいけません。

 

ある程度の期待をかけるのは仕方ないだろうし、
そこには愛情も含まれているので応援をしないでとか、
そういった事を言いたいのではもちろんありません。

 

子供たちが「保護者のため”だけ”にバスケをする」
という状況はマズイという事です。

 

常に保護者の評価がなかったら自分の価値に気付けなくなってしまうと、
いつでも周りの目が気になり、誰かとの比較でしか価値を判断できなくなります。

自分の過去と比べてどれくらい成長できたか?
に焦点を当てられるようになる方が
バスケでも日常でも成長していけます。

 

変な劣等感とか優越感とかを感じなくなるので、
その分、自分の成長や学びにエネルギーを使えます。

 

これは受験とかでも同じみたいですね。

 

「保護者が求める志望校に合格しなければ・・・」
というプレッシャーを感じながら勉強をしていたら、
そのまま子供の人生ではなくて、
親の人生を生きていく事になってしまいます。

 

・・・と言っても、この辺りは、
教育と言うのはそうやって誰かに自分が体験した教訓を伝えるものだし、
この辺りは親子関係によって全てケースバイケースなので、この辺で。


ちょっと脱線しましたが、
要するに、ボルトが言っている事です。

 

自分が楽しむためにバスケをしたら、
それが”結果的に”親のためにもなった。

という状況が一番良いと思います。

 

楽しんでなかったらやっている意味がないですからね。

 

そう、ボルトの言葉そのままなので、
まぁ僕がこの辺りを話す必要はありませんね。笑

 

 

 

で、もう一つなんですが、
こっちは僕なりに伝えたい事があります。

 

それは、
指導者が子供の可能性を制限している場合
の話です。

 

もし当てはまる場合は感想などを教えてください。
当てはまらなくても将来当てはまる可能性があれば読んでみてください。

 

僕はいつも思うんです。

指導者が怒鳴り続けている中学や高校の部活を見て、
「こんな場所でバスケをしている子供を見て、親はどう思うんだろうか・・・」
って。

 

だって、明らかに子供たちは楽しそうじゃありません。

 

もう言われるがままにプレーをして、
眉間にしわを寄せながら笑顔はもちろんなく、
もはや人間性の否定レベルで怒鳴る指導者もいます。

僕は大学の指導をしていて、
高校生と試合をする事もたまにあるんですが、
そういったチームと試合をすると、
もう試合をしたくなくなりますほんとに。

だって、こっちが良いプレーをしたら、
高校生たちは指導者に怒鳴られてしまうのです。

 

敵が良いプレーをしたら、
「なんでそんなことでやられてるんだよ馬鹿野郎!」
って怒鳴るんじゃなくて、
「おおお。なるほど。そういうバスケがあるのか!」
って相手を讃えたらいいじゃないですか。

 

生徒はわざとひっかかるわけないし、
そうやって言えば生徒は、
「はいはい。わかりましたよ。」
となっていくに決まっています。

 

で、そのまま大人の話を聞く価値はないと思ったり、
何かを学ぶときに素直に受け取れなくなったりします。
(実際、高校生たちはそんな感じでした。)

 

と、まぁあまり言うと、
ダークな感じがしてしまうのでもうしませんが、

とにかく、
指導者が子供たちの可能性を奪っている
という場合は、保護者が手助けをして欲しいのです。

 

 

仮にも、そういった場を許してしまう理由が、
「人生、時には厳しい事に耐える時間も大切わよね。」
という考え方だったら、僕は賛成できません。

 

たとえ、部活動の時間が人生のほんの少しで「たった2年」とかかもしれませんが、
そのたった2年でもその後の10年が変わってしまうくらいの影響力があるかもしれないのです。

 

実際、怒鳴られ続けたりしていると、
バスケはもともと遊びとして生まれたはずなのに、
「バスケで否定された自分=人間性も否定された」
と思うようになってしまいます。

 

スポーツって、普段何か上手くいかない事があるときとか、
そういった時にやればエネルギーが高まる最高の遊びのはずです。

そういった場所を、
「厳しさを学ぶだけの場所」
に変えてしまったら、
それはもはやスポーツとはいえないと思います。

 

それに「逃げる事」も時には必要です。

 

自分の場所を変えることで価値が変わる事もあるし、
バスケだけじゃなくて他にも自分を楽しませる場所はあります。

 

バスケで怒鳴られ続けたとしても、
それが自分の価値の無さに繋がる事なんてありません。

 

 

「厳しい事に耐える時間も大切」
というのは確かに必要な時もあると思います。

 

でも、だからといって、
人間性まで否定されてやる必要があるのか、
バスケが好きならまだいいんですが、
もしそこでバスケが嫌いになって、その後にスポーツをする気が無くなったり、
「何をしても自分はだめだ」と何かを学ぶ事を止めてしまったり、
そうなってしまったらもう何のためにスポーツをしているのかわかりません。

 

そうそう、
なんでこういう事を話しているかというと、
最近、Youtubeの動画にこんなコメントが来たからです。

 

ほんと、これだけの影響力があるわけですね。

 

たまたま入った部活動で、
たまたま出会った指導者で、
人生が大きく変わってしまうのです。

 

良い方向にも、悪い方向にも。

 

 

ほんとに、あの高校生たちとの試合は辛かった。

 

「相手に対して敬意を払う」
これは本当に大事ですね。

 

あと、前も少し話しましたが、
「勝ち方」
というのもめちゃくちゃ大事です。

 

力で圧倒して支配したら、
負けたチームはエネルギーがなくなり、
チームの伸び代が見えなくなってしまいます。

 

勝つなら、勝負をするなら、
力で圧倒して格の違いを見せ付けるためにするのではなくて、
「自分たちのバスケはこういうバスケですよ。」
「バスケットやっぱり面白いスポーツですよね!」
「切磋琢磨してお互いに成長していきましょう!」
というような気持ちでいたいですね。

 

練習試合の後に、高校生たちがみんなで挨拶に来ます。

僕はそのとき、何を言っていいのかわからず、
10秒くらい何も言えずに口が開けられなかったです。

 

「バスケだけで自分の価値は決まらないから、
一人ひとり自分の過去よりも成長できるように、
バスケでも学校でも楽しみを見つけていってくださいね。」

としか言えなかったです。

 

本当にそうだと思ったから。
それ以外のアドバイスを言っていたら、
今のバスケを否定してしまったら子供たちが居場所を失ってしまうから。

 

 

で、そういった事を踏まえて、

保護者の方には、
もし我が子が、我が子の友達たちが
そういった環境でバスケをしていたら、
まず保護者同士で話し合ってほしいです。

 

で、もし「これはマズイ」と思う仲間がいるなら、
保護者の方が先生に対して何か話す機会を持つとか、
子供たちに何かを伝えていくとか、
そういった何かしらの行動をとってほしいです。

 

これはあくまで僕の勝手な願いなので、
そう簡単にはいかない事が多いと思うのですが。

 

 

僕がバスケを学ぶ場を作ります。

 

今募集している「賢者バスケ」というコミュニティは、
指導者向けとして始めたのですが、
誰が参加しても学びになるような内容にしていきます。

 

バスケの事はもちろんですが、
「教育」を見直す内容も話します。

 

 

是非、そういった場でバスケットボールを学び、
もし本当に良くない指導があるのであれば、
先生の事を否定するのではなくて、
先生も自分たちと同じ仲間にするくらいの気持ちで、
一緒にバスケットボールを学ぶような立場でいて欲しいです。

 

そうしたらもっとバスケは面白くなるはずです。

 

 

子供たちがバスケを楽しめているなら、
観客として子供たちの成長を楽しめるはずです。

 

もし、そうではないなら、
何かしらを変えていって欲しいです。

 

子供たちが何とかするように諭すのか、
子供たちと一緒に解決策を考えるのか、
それとも保護者同士で何かをするのか。

その辺りはわかりませんし、
こんな生意気な事をに僕が言っても
現実ではできる範囲も本当に限られるのかもしれません。

 

 

でも、最近、ある中学生から聞いたのです。

 

「私たちが言っても先生は聞いてくれなかったんですけど、
うちのお母さんが言ったらストレッチの時間とってくれましたよ!笑」

と。

 

 

それを聞いて、
もし良くない指導現場にいる保護者の方が
指導者の方に何かを伝える事で変わる可能性が少しでもあるかも・・・
と思って、今回の話をしました。

 

 

色々話しましたが、僕は僕なりの方法で、
面白いバスケが広がるように情報発信をしていきます。

 

さっき紹介したYoutubeへのコメントをしてくれた方も、
僕が発信している事を聞いてからまたバスケを再開しているようです。

 

 

僕の役割は、情報発信を通して、
今のバスケが人生が面白くなるお手伝いをする事
だと思って活動をしています。

 

これからもよろしくお願いします!

 

 

それにしても、ボルトの言葉、
学校の教科書に載せて欲しいなぁ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

    • 鉄腕ゴーレム
    • 2017年 11月5日

    お返事ありがとうございます。

    バレーボールの指導者として、13年ほどやってきました。
    大会に参加したのは5年前からです。

    当然、保護者の方の協力無くしては運営できないです。
    しかし、我が子可愛い保護者の振る舞いを疑問に思っていたのも事実です。
    特にバレー経験者の保護者ほど、しんどいものはありません。

    このブログでボルトの言葉を目にして、保護者と子どもとの関係も、そうあるべきだと感じました。
    子どもが、親の顔色見てバレーボールをするようじゃダメですよ。親がプレッシャーになってはいけません。

    コミュニティにも参加しています。
    色々とみなさんの考えが、聞ければ良いなと思います。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

RETURN TOP

管理人自己紹介

カテゴリー