「ドリブルは強くつきなさい」と言われるけど…

この記事は3分で読めます

ドリブル練習でよくある教えが

「ドリブルを強くつきなさい」

というものです。

 

これはNBA選手たちもクリニックで言っていたり、

いろいろな場面で言われる「基礎」の一つだと思います。

 

今回はそれについて考えていこうと思うのですが、

強くつくといっても、その理由を特に意識せず、

無闇にただとにかく強くつくという練習を見たことがあります。

 

僕自身、そういった練習をずっとしてきて、

「ドリブルは強く!ドリブルは強く!」

と信じてやっていたので、その気持ちもわかりますが、

そもそも僕の中では、その理由というか本質が抜けていました。

 

 

ドリブルを強くつくメリットは?

 

そう聞かれたとき、当時の僕は、

「強くついた方が切り返しが速くできるから」

と答えていたと思います。

 

これは、確かにドリブルを強くつくメリットの一つですが、

もっと本質的な部分を考える必要があると思います。

 

ドリブルは、どんなにテクニックがあっても、

相手に取られたら「良いドリブル」だとはいえないですよね。

 

テクニックよりも、まずは相手に取られないことが大切です。

 

そのための手段として、

「ドリブルを強くつく」という基礎があって、

それは「クロスオーバーをする」といった技術的なことと同じように、

相手にドリブルを取られないようにするための一つの手段に過ぎないということです。

 

 

図で表すと、

 

        <目的>
   相手にドリブルを取られない
     /      \

ドリブルを強く突く  クロスオーバー

 

ということになります。

 

 

この部分を見落としてしまうと、

いくら沢山ドリブル練習をしたとしても、

練習でどれだけ複雑なドリブル練習ができても、

試合中では使えないドリブルになってしまうことがあります。

 

もう少し具体的に言うと、

「相手に取られないドリブル」というのは、

・保持力が高い

・相手に取られないところにボールをつける

というドリブルのことです。

 

 

なので、たとえ、ドリブルを強くつけても、

そこに、保持力がなければ意味がないということです。

 

今はたくさんの練習方法があって、

ネットで検索をしたらいくらでも情報を知れるし、

ドリブルのスキルというのは、アメリカから沢山広まってきています。

 

それらをすることでバスケが上手くなったり、

バスケの楽しさが増していくことはもちろんたくさんあると思います。

 

でも、それだけがドリブルを上達させる方法ではありません。

 

その他の方法としては、

「一つのドリルを徹底的にやる」

というのがあります。

 

沢山のドリルをやることよりも、

少ないドリルを徹底してやった方が

本質的な力が身につくということはあります。

 

受験で言えば、

「一つの参考書を何度も繰り返しやれば、色んな問題に対応できるようになる」

ということが言われます。

 

それとか、「数学をひたすら究めたら、歴史ができるようになった」

ということもあります。

 

これは、一つの物事を徹底的に深めることで、

「色んなものに共通する大きな枠組み(本質)」

を捉えることができているということなのです。

 

 

それと同じように、

ドリブルというのも、沢山ドリルをやるよりも、

それらを全て含んだ「本質」を捉えることの方が大切で、

その本質さえつかめたら、試合で使えるドリブルができます。

 

その本質を理解した上で、

テクニックを学んでいくのが良いと思います。

 

 

そもそも、ドリブルというのは、

パスやシュートといった選択肢の一つなので、

ドリブルのテクニックがなくても試合で活躍する方法はあります。

 

ドリブルが上手い選手はカッコいいし憧れますが、

NBA選手たちの凄いドリブルも、あくまで試合の一部分です。

 

大事なのは、ドリブルの使い時。

 

 

 

最近、高校生とバスケをして、

感じたことを今回は記事にしました。

 

その場でのドリブルは凄く上手いんだけど、

実際の試合中にはその技術を使えていなくて、

むしろ、ドリブルに固執してゲーム全体の流れを止めてしまっている

という感じだったのでした。

 

これは現代あるあるだと思います。

 

 

僕も昔はそうでしたが、

「もっとテクニックを知りたい!!」

と思う人もいると思うのですが、

たぶん、いつかこの感覚がわかると思います。

 

 

最後に、「ドリブルの本質」が身につくドリルを紹介します。

色々とドリブルの練習はありますが、その中で厳選するとこれをやっておけばドリブルで必要な力が身につきやすいと僕が感じているものです。これはChris Paulがハンドリングについて教えている動画で、結構抽象的なことが話されていて具体的な練習方法とか回数とかは言われていません。その中で、一つだけ取り上げると、このドリブル練習です。「片手でV字ドリブルをして、そのまま股の下を通す」というシンプルなもの。これは、ドリブルの強さと柔らかさ(保持力)がないとなかなかできないドリブルです。これをやっておけば、「相手に取られないドリブル」をつくために必要な力が身につきやすいです。参考にどうぞ。

 

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    • tooya
    • 2018年 2月6日

    いつもなるほどって思い。共感さらには参考にさせてもらっております。ぜひ、お考えを聞きたくて質問させていただきます。自分は、息子がやってるミニバスのコーチのお手伝いをしているのですが、「ドリブルの本質」参考になりました。それでは小学生に「スペーシング」「スペース」その本質又はこれからのステップアップの為に参考なる意見や練習例などお聞かせいただけるとうれしいです。

      • バスケのヨシ
      • 2019年 2月8日

      コメントありがとうございます。
      返信遅くなりましたが、今の視点でスペーシングについてお伝えすると、「ドライブ」に対してどのように合わせるかを伝えるのが良いと思います。ドライブは一番多いプレーだとも言えますし、指導をする上ではわかりやすいからです。
       
      ドライブに対する合わせでは、
      1.ボールマンがゴールに向かっている(ディフェンスがボールに近づいている)
      2.ボールマンが自分の方向に向かっている(ディフェンスがボールに近づいていない)
      という分け方で考えると最初は良いと思います。
       
      1はブログで話している「渦の理論(サークルムーブ)」が基本になります。これはウィングとかでも使えますが、それだけではなくてローポストなどでも同様に使えます。
      2は「DHO」というプレーです。ハンドオフのドリブルありのもので、これは色々な選択肢があって、そのままパスを渡してスクリーンをすることもできるし、フェイクをしてドライブもできます。ブログ記事の中でも紹介しているので「スペーシング」「スクリーンプレー」のカテゴリーからご覧ください。
       
      スペーシングの本質は「ディフェンスとの1対1」です。ミニバスの子たちに伝えるなら「鬼ごっこ」です。ディフェンスから捕まらないような位置に動けば結果、良いスペーシングになることが多いです。多くの人はボールしか見ていないので、そこに追加して「自分のディフェンス」を視野に入れるだけで、色々な場面での良いスペーシングを保てるようになります。
       
       
      これらを基本にしたらいいと思いますが、実際に指導をしていくと、「誰かがドライブをしないと動けなくなる」という問題が出てきます。この合わせ方はあくまで基礎なので、これをやろうやろうとしてオフボールマンが止まってしまうだけだとプレーに流れが生まれず、バスケットボールらしさというか、そういうものがなくなってしまいます。
      なので、ミニバスの子たちなら今まで通りの1対1に少しだけ追加するくらいの気持ちで、
      「ボールがほしいからボールに近づきたいと思うかもしれないけど、ドライブが起きた時はボールマンから離れた方がボールを簡単にもらえるよ」
      というのを伝えて、感覚だけ身に付けてもらうのが良いかもしれません。

      ミニバスでできなくても、中学生になった時に腑に落ちるかもしれませんし、そのくらいの方がミニバスの子たちにとってはバスケットボールを楽しめるんじゃないかなと思います。あとは子供たち次第なので、何か一つでも参考になることがあればと思います。今後もブログを更新したり、コミュニティ(賢者バスケ)を運営したりするので、よろしくお願いします。

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